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12 第二世代の巻 共産国では忠誠派台頭 自由国では日和見派に

思想新聞 平成9年(1997年)2月25日号

Q–北朝鮮の黄書記の亡命事件は金日成亡き後の路線闘争の一環との見方もありますね。ポスト宮本時代の共産党も同じような党内抗争が起こると見てよいでしょうか。

A–まさにその通りですね。ただし、日本共産党の場合は北朝鮮とはかなり様相が違ってくるでしょう。北朝鮮の場合は、黄書記が手紙などで明らかにしているように、政権が親から子へと継続されていく封建主義に最大の矛盾があります。ですから、党の長老がどちらかといえば改革開放を唱え、一方、二世の金正日の取巻きの若手連中が「赤旗思想」を掲げています。毛沢東時代の紅衛兵みたいなものですね。

Q–これに対して共産党の場合は、宮本議長が保守的で若手が改革的というわけでしたね。

A–その通りです。共産党が政権を握った国は独裁国家になりますから、革命第一世代が改革開放路線を採らずイデオロギー路線に固執した場合、第二世代は指導者への忠誠心からより一層の硬直したイデオロギー路線を口にします。ソ連の二代目のスターリン時代や中国の文革時代がそうです。その意味で、金正日が改革路線を採る可能性は薄い。正当後継を主張し、忠誠を要求する。「赤旗思想」が登場するのはこのためです。

Q–なるほど、革命第一世代である鄧小平自身が改革開放路線を採用したところに中国の成功がある。金日成自身が改革開放路線を採っておくべきで、死ぬのが早すぎました。宮本議長は遅すぎる?

A–日本の場合、事情が違いますよ。なんと言っても政権を取っていません。共産主義国ではありません。それに当面はブルジョワ民主主義革命を目指すとして、選挙にうつつを抜かしてきました。第一世代の宮本議長が強固な「革命政党」を主張しても、実際は選挙に勝てるか、財源の「赤旗」を拡大できるかが、問題です。ですから、不破委員長ら第二世代は腹の中で「大衆政党」への転換を考えています。このように、資本主義国の共産党、とりわけ武装闘争を棚上げした共産党では、共産国とは違って第二世代が日和ってくるのが特徴です。

Q–その帰結が、ユーロコミュニズムで見られた共産党崩壊ですね。ほとんどの国では社会民主主義に豹変しました。日本共産党も将来そうなるのですか。

A–今のところ、それは無理でしょう。不破委員長ら「大衆政党」を模索する連中も「共産党」にこだわっています。不破委員長にせよ上田副委員長にせよ、共産主義を礼讃する本を何冊もものにしています。いまのところ共産主義に決別する思想は持ち合わせていません。このままでは支持率一割政党に終わってしまい、民主連合政権すらできない。この状況を打破するには、もっと党の裾野を広げよう、といった考えにとどまっています。しかし、宮本議長がいなくなると「大衆政党」論がさらに変質する可能性はあります。

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「赤旗」紙上に宮本議長の出版案内が掲載される回数も減ってきたが…(『赤旗』2月13日)

Q–そこが注目されますね。いずれにしても当面は宮本議長がマルクスに会いにゆく日がいつくるのか、に掛かっているわけですね。

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