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中国が空母戦闘群を稼動させる危険性

この記事は2011年1月4日に投稿されました。

読売新聞(1月4日付)によると、旧ソ連が建造に着手し、未完成のまま中国に売却され、東北部の遼寧省大連で補修作業が続いていた中型空母「ワリャーグ」(全長304メートル、約6万トン)が今年中にも訓練用として本格運用される見通しとなっている。ワリャーグの運用が始まれば、「強大な海軍」建設を国家目標に掲げる中国が保有する初の空母だ。同空母で艦載機の発着訓練などを行い、国産空母による空母戦闘群の配備に向けた実質的な一歩を踏み出すことになる。

まやかしの「動的防衛力」では不十分

中国は海軍力増強で西太平洋の覇権を握ろうとしていることは言うまでもない。これに対して昨年12月に発表された民主党政権初の「防衛計画の大綱」で大丈夫だろうか。結論から言えばノーである。新防衛大綱は中国の国防費増大や東シナ海などでの活動を「懸念事項」と位置づけ、南西諸島防衛力の強化を打ち出し、自衛隊部隊を全国に均等配置する冷戦型の「基盤的防衛力構想」から機動性・即応性重視の「動的防衛力」に転換するとしている。
 確かに「南西シフト」によって自衛隊が積極的に脅威に対処する姿勢は評価される。この地域は陸上自衛隊にとって空白地帯だったからだ。新たに沿岸監視部隊の配置(最西端の与那国島に約1千人規模)に加え「初動を担任する部隊の新編」が盛り込まれたのは、空白をなくす意味だけでなく、全国から部隊を機動的に展開できる基盤となり、この点は「動的防衛力」として前進である。
 だが、実態は心もとない。陸上兵力は自衛官1千人削減、戦車200両削減など相変わらずの軍縮路線である。戦力を北海道から九州や沖縄に振り向けるだけの話で、動的防衛力を削減の口実に使っている。海上兵力の増強もあやしい。例えば潜水艦を16隻体制から22隻体制に増やすとしているが、これも通常16~18年で退役するのを「定年延長」で対応し、新造はこれまでどおり1年1隻にとどめているからだ。
 加えて、新防衛大綱の最大の欠点は、日米同盟の深化に口をつぐんでしまったことだ。菅首相は昨年12月、社民党の福島瑞穂党首と会談し、2011年度予算編成に向け両党幹事長らによる協議を開始することで合意し、その“手土産”として武器輸出3原則見直しを先送りした。社民党と連携すれば普天間移設問題の困難さが増し、日米同盟が揺らぐのは目に見えている。集団的自衛権行使を決断しなければ日米同盟は本当の意味で機能しない。それから逃避した新防衛大綱は絵に描いた餅にすぎない。これでは「平成の元寇」を防ぐことはできない。我々は防衛政策の抜本改革を求める。

2011年1月4日

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