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総選挙 共産党の躍進を止めた 6議席減、150万票減らす

思想新聞2000年7月1日号

各地の勝共啓蒙運動の成果

 さる6月25日に投票された第42回総選挙は、自民、公明、保守の連立与党が安定多数を獲得したものの、改選前議席を大幅に減らし、民主党や自由党などの野党が議席を伸ばした。そうした躍進野党の中で唯一共産党だけは改選前26議席から20議席に6議席減らし、得票数・率でも大幅に後退した。これは本連合がかねてから主張してきた共産主義の危険な実態を国民が理解したからで、勝共啓蒙運動の勝利といえる。しかし、共産党は以前として600万票台の高水準を維持しており、日本は共産主義の危険水域に依然としてあることは否定できない。さらなる勝共運動が必要である。

 共産党は98年7月の参院選挙では「アンチ橋本首相・アンチ自民」票を集め、比例区で820万票を獲得し史上最大の勢力を擁するようになった。今選挙に際しては「820万票をさらに上積みし野党連立政権を目指す」(不破委員長)として、いわゆるソフト微笑路線をひた走り、全国各地で猛烈な運動を展開した。
 しかし、総選挙結果は野党が躍進した中で共産党だけは議席・得票数・率とも落とした。

 小選挙区ではついに議席ゼロ

 共産党は96年総選挙で獲得した小選挙区の京都3区と高知1区で、いずれも知名度の高い前職が引退したこともあって京都では2万票以上、高知では1万6千票の大差で敗北して、議席を守れず、小選挙区ではついに
議席ゼロに終わった。
 また比例区でも南関東、東京、東海、近畿で各一議席の計四議席を減らし、改選前26議席から20議席に落ち込んだ。
 小選挙区での獲得票は735万票で得票率は12%。これは96年総選挙の710万票12.6%とほぼ同じだが、比例区では672万票11.2%で前回の727万票13%から大きく落ち込んだ。史上最大の勢力に至った98年参院選では選挙区で875万票15.7%、比例区で820万票14.6%を獲得したが、これに比べて今回は小選挙区で140万票3.7%減、比例区でも148万票3.3%減であった。
 大雑把にいって共産党は票数で150万、得票率で3%減少させたわけで、共産党の退潮が明白になったといえよう。
 都道府県別では唯一沖縄県だけで0.6%増加させたほかは、すべての都道府県で得票率を低下させ、とりわけ北海道の4.7%減、東京の4.6%減など民主党が躍進した都市部で4%以上減らしている。

無党派層がノーを突きつける

 なぜ共産党は敗北したのか。
 その敗因の第一は「政権の枠組み」論争によって埋没してしまったことがあげられる。
 衆院は参院と違って即、政権構想が問題になり、アクティブな反自民党票も政権交代の受け皿にならない共産党から逃げたといえよう。
 この傾向は無党派層にとりわけ顕著でNHKの出口調査では98年参院選では無党派の18%が共産党に投票していたが、今回は13%に落ち、無党派の5%が共産党から離れている。自民党への“お灸”のつもりで共産党に投票していた無党派層も「政権の枠組み」に共産党が入ることにノーを突きつけたわけだ。
 第二は、これまで行き場のなかった旧社会党・護憲派が共産党から社民党に戻ったことがあげられる。
 伝統的な社会党支持層は社会党が社民党へと党名変更しさらに自民党と連立を組んで自衛隊・日米安保条約に賛成することによって同党から離れ、共産党を軸に漂流してきた。しかし、今回の総選挙で土井党首は憲法九条堅持を掲げて「護憲政党」を明確にしたことで伝統的な左翼護憲派が共産党から社民党に出戻ったといえる。
 第三は、第一と第二の共産党の敗因、つまり無党派そして左翼護憲派が共産党から離れるきっかけを与えた共産党批判の宣伝活動が全国各地で徹底して展開されたことである。これが共産党躍進をとめる大きな原動力となったと言っても過言ではない。
 共産党中央委員会常任幹部会は「総選挙の結果について」の声明(六月二十六日)で、「謀略宣伝をくりかえすという卑劣な攻撃が有権者のなかに深刻な影響を及ぼしたことは否定できない」と述べており、これが最大の敗因としている。
 共産党のいうところの「謀略宣伝」は、共産主義の実態を暴露し、共産党が現在の綱領でも暴力革命を否定せず、さらに天皇制を破壊する人民共和国憲法草案を保持していることなどを明らかにしたビラなどを指しているが、これによって共産党の実態が広く国民に知らされ、ソフト微笑路線に隠された共産党の本質が露わになった。

批判ビラに動揺する党員が続出

 なお本連合は通常の政治活動として共産主義の間違いを啓蒙する思想新聞号外を配布している。共産党は「謀略ビラ」について「架空の団体」「連絡先も書かない」としているが、本連合は自治省に登録している正規の政治団体であり、号外ビラには住所・電話やホームページなどの連絡先をすべてを明らかにし、しかも公職選挙法に従って活動している。にもかかわらず本連合の号外ビラまで「謀略」呼ばわりするのは、それこそ共産党の謀略というほかない。
 いずれにしても共産党は共産主義批判に答えられず、党員の間に動揺が広がり、無党派層が共産党から逃げ出した。とくに共産党は新しく入党した党歴の浅い党員の教育が十分でなく各地の街頭で批判に答えられない場面が続出。女性党員の中には無党派層への働きかけをやめてしまう人もでてきたといわれる。
 共産党は今年二月の大阪府知事選と京都市長選で「反共攻撃」に迅速に対応せず敗北したと総括し、両府委員長が批判を受けていた。そこで今総選挙では各地の共産党委員会は「反撃ビラ」を異常なまでに配布するなど防戦に追われた。
 こうしたことから共産党は今総選挙で退潮を余儀なくされた。普段の勝共啓蒙運動の重要性が浮き彫りになっているといえる。しかし退潮したとはいえ、共産党は依然として六百万票台の高水準の支持を得ており、勝共運動をさらに展開していく必要がある。

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