思想新聞 平成9年(1997年)6月25日号
- Q 白鳥事件の主犯格の鶴田倫也容疑者のインタビュー記事(時事通信北京電・6月7日)について、共産党はどう述べているのですか。
A 共産党の機関紙『赤旗』の隅から隅まで探しても、この時事電もそれに対する論評もまったく書かれていません。『赤旗』は時事通信と契約を結んでいますので配信されているのは間違いありません。全国紙や地方紙にも大きく報道されたのですから、党の方針である「反共攻撃には機敏に対応」してしかるべきですが、なぜか沈黙したままなのですよ。 - Q 臭いものには蓋、というところですか。共産党はこの事件にこれまでどういう態度を取ってきたのですか。
A 当時から「党となんら関係ない。官権のデッチ上げだ」と主張してきました。弁護団まで組織して、いわゆる裁判闘争を行ってきました。しかし、首謀者とされた共産党札幌委員会の村上国治委員長の刑(懲役20年)が確定し、刑期も満了しています。本人は94年に死亡しています。共産党としては過去の「武力闘争」を掘り返される白鳥事件はもう闇に葬りたいというのが本音でしょう。 - Q 鶴田容疑者は時事のインタビューで、事件の真相を語っているのですか。
A いいえ、「今は話す時ではない」と真相を明らかにするのを拒んでいます。もし、共産党が主張していたように「官権のデッチ上げ」とするなら、冤(えん)罪を訴えればよいのに、あえて「今は話す時ではない」と述べているところをみると、やはり共産党の犯行と断じるしかありませんね。 - Q 45年前の事件なのですから、もう時効なのではありませんか。真相を明らかにしてもらいたいですね。
A いえ、時効になっていないのです。鶴田容疑者は海外に逃亡したため、時効は停止しています。北海道警は半年ごとに逮捕状を更新しています。だから、道警は「外交ルートあるいは国際刑事警察機構(ICPO)などを通じて、早急に事実関係の確認に入りたい」としています。つまり、白鳥事件は「過去の事件」ではなく、現に容疑者を指名手配している「現在の事件」なのです。その意味でも、共産党の沈黙は許されるものではありませんね。 - Q 鶴田容疑者以外にも中国に逃亡した党員がいたのですか。
A 道警によると、白鳥事件に関連した共産党関係者10人が中国に出国したそうです。そのうち7人が帰国したことを把握していると言います。残り3人は中国に残留していました。鶴田容疑者以外の2人(白鳥警部を射殺した佐藤博と中核自衛隊隊長の宍戸均)は、数年前に相次いで死亡したと伝えられています。だから、鶴田容疑者は唯一の生き残りです。 - Q 日本に帰って罪を償う気持ちを持っていないのですか。
A 帰国の意思についても、「言えない。その時期ではない」と語っています。鶴田容疑者も考えてみれば共産党の被害者です。当時の党の方針で武装闘争をしたのに、その共産党からも見捨てられてしまいました。共産党こそ巨悪の張本人でしょう。


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