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File-23 フェミニストのめざす「家」意識解体

自己決定権の主張で別姓から事実婚へ

思想新聞2000年12月1日号 共産主義は間違っている!!

フェミニズムの仮面を被ったマルクス主義 7

「別姓だけではダメ」と断定

「自己決定」と「家」意識の解体

Q 
福島瑞穂議員のように、夫婦別姓を唱える人たちが、戸籍の在り方をも問題にしていることがよくわかりました。《家》意識の解体について、ほかに言及しているところはありますか。

 
 はい、そうですね。いろいとありますが、いまや猫も杓子も《自己決定権》を主張する時代ですが、この《自己決定》思想と結びつけた部分があります。前回述べた福島瑞穂議員の話のように、夫婦別姓論者のホンネがうかがえる文章です。
「どんな仕事を選んで、どこに住んで、どんな服を着るか、これらはすべて自分が決めること、つまり『自己決定権』があるのだ。だったら名前も同じはず。
『家名存続のため』といっても、ほんとうにたいそうな家名存続ばかりではない。悩みをよくきいてみると、いきつくところはお墓の問題ということが多い。自分たちのお墓が無縁墓になるというのは、人によってはそれはそれは重大な問題なのだ。日本は先祖供養を大事にする仏教文化をもっている国なのだから。
 それに、家名存続なんていうのは、もともと幻想の産物である。娘夫婦が別姓になったとしても、孫が生まれないかもしれない。そしたら、そこで終わり。むしろ、お墓が氏や家から解放され、もっと自由な形になれば、家名存続派も減っていくだろう。家意識をなくすのには、別姓だけではダメなのだ」(福島瑞穂・榊原富士子・福沢恵子=共著『楽しくやろう 夫婦別姓』明石書店)

一夫一婦制破綻し社会的混乱も

 どうですか。別姓論者らが問題としているのは、「別姓制」そのものより、もっと別なところにあることを露わにしていると言えるでしょう。家意識をなくすこと、それが彼女らの狙いなのです。しかも、彼女たちは、戸籍制度に対して反発するあまり、「事実婚」(つまり法的に夫婦とはならない内縁関係)をさえ「一つの選択」だとしています。まさに、この「事実婚」の場合が墓についてはいちばん問題となってくるのです。事実婚が主流になれば完全に一夫一婦制は破綻します。法的に夫婦ではないということは社会的責任もなく混乱をきたすのは必至です。彼女らの主張は、「初めに夫婦別姓ありき」という発想だからこそ、墓の問題は後から解決せよという宗教文化を無視した暴論を展開しているのです。
 また、「家名存続が幻想の産物」というもの言いは、上野千鶴子東大教授の『女という快楽』(勁草書房)の観念が下敷きになっているものと思われます。
 1980年代に書かれたこの本は、いわゆる全共闘世代のカリスマとなった吉本隆明氏の『共同幻想論』のフェミニズム版と言えるものです。ただ、上野教授の場合は、単なる感情論に訴えたり、直截に安易な「家族解体論」にはなっていないところが、比較的彼女が批判されにくいところだと言えるでしょうか。

 上野教授は同書の「あとがき」で、次のように述べています。
「私は一度も家族の解体を支持したことはないし、また家族の解体を客観的に予見したこともない。そのために私は一部のラディカルなフェミニストから『保守反動』と見なされているくらいである。こうやって読み返して見ると、逆に私があきれるくらい同じ歌を繰り返しうたっていることがよくわかる――私は『共同体』がきらいだが、その逆の『自立した個人』というワナにもはまりたくないのである」
 確かに、上野教授はほかのフェミニストに比べてみれば、「現実」が見えているように思われます。ですが、吉本氏の『共同幻想論』は、もともと「国家の解体」を企図している書物なのです。国家が社会、家族に結びつくのは当然のことになります。

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