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三中総会で中国は危機を脱するのか

この記事は2013年11月12日に投稿されました。

中国共産党が中長期的な政策を検討する三中総会(第18期中央委員会第3回総会)が、11月9日から4日間の日程で行われている。
 中国では、総書記の就任期間5年間に主要な会議が7回開催されるが、その3回目の会議が三中総会だ。共産党員8500万人の中から選ばれた200人の中央委員と170人の中央委員候補、そしてトップに位置する25人の政治局員らが参加する。
 習政権では、1度目の会議にあたる1中総会が昨年11月に行われ、習氏以下7人の常務委員が党の最高幹部として選ばれた。習氏が総書記に就任したのもこのときだ。2回目の会議にあたる2中総会では習氏が国家主席に選出され、習氏の指導のもと、政府機構の統廃合などが行われた。そして今回が三中総会だ。
 かつて鄧小平の時代には、この三中総会で改革開放路線が明確に打ち出され、それまでの毛沢東路線と決別した。異論を抑え込み、政治基盤が強固なものとなった。それ以降、歴代の政権において、三中総会が政治的に持つ意味は非常に大きい。

暴動を極度に抑える共産党政権

三中総会の直前、天安門広場にウイグル族3人が乗る自動車が突っ込み、炎上した。山西省では共産党省委員会ビルの前で爆破テロが起きた。三中総会の直前という、政権にとって極めて敏感な時期、民衆による暴動事件が立て続けに起きた。習政権が大変な衝撃を受けたことは間違いない。
 そもそも習政権の政治基盤は、歴代の政権の中でも不安定だ。中国の重要な意思決定は、最高幹部である7人の常務委員によってなされるが、習氏はこの中で多数派を占めることができないからだ。
 習氏は総書記であり、中国共産党の序列第一位だが、序列第二位の李克強首相はエリート組織である共産主義青年団出身で、前総書記の胡錦濤氏のグループだ。このグループは団派と呼ばれる。序列第三、五、七位の人物は、その前の総書記である江沢民氏の強い影響を受けている。いわゆる上海閥だ。こうした面々の中で、習氏が自らの意向を推し進めるのは容易ではない。
 中国国内でどれだけ暴動が起きているかは公表されていないのでわからないが、一昨年の1年間では18万件だったというデータもある。1日あたりにすると500件だ。
 中国では政治家を選ぶ選挙がないから、民衆が不満を持てば陳情を申し立てるか暴動を起こす以外にない。この暴動が拡大すれば、政権の危機につながる。天安門事件では、学生運動が発端となって政権内に深刻な亀裂が生じた。民主主義では政治家は次の選挙を強く意識するが、中国では民衆の不満の度合いに神経をとがらせている。
 胡錦濤氏も、総書記の時代には民衆の不満をいかに抑えるかに腐心した。失業者を減らすために8%の経済成長を至上命題にし、格差を改善するための政策である和諧社会をスローガンとした。

習氏の中国はどこに向かうのか

習氏は総書記に就任するなり、民衆の押さえつけを強化した。胡氏は「宗教は弾圧するほど影響力が大きくなる」と言ったが、習氏は宗教団体への弾圧も強化した。キリスト教系の団体「全能神」に対しては、総書記に就任後2週間で弾圧を始め、1300人を拘束した。マスコミやメディアの取り締まり、人権活動化の拘束も相次いで起こっている。
 胡錦濤時代の経済発展は、汚職や腐敗により格差を拡大させた。その汚い金が、さらに中国の投資の投資にまわり、中国経済を支えている。格差はいよいよ拡大しているが、それを止めれば経済成長は落ち込み、かつ既得権益層が反発する。この負のスパイラルを止めるのは容易ではない。しかし誰かが止めなければ、いずれ中国は崩壊するだろう。
 習氏は三中総会で、どのような政策を発表するのか。そして、負のスパイラルを止められるのか。もし本格的にこの問題を解決しようとするなら、思い切った経済改革、政治改革が必要だ。政治基盤が弱い習氏にそれができるのか。見通しは明るくない。
 中国が崩壊する日は、そう遠くないのかもしれない。いずれにせよ、三中総会の結果には注目する必要がある。

2013年11月12日

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