この記事は2011年2月18日に投稿されました。
民主党がいよいよ分裂含みの党内抗争を始めた。小沢一郎元代表に近い比例選出衆院議員16人が2月17日、衆院の同党会派「民主党・無所属クラブ」(307人)からの離脱願を提出、菅首相・党執行部に対して衆院選政権公約(マニフェスト)への回帰を求めている。それならば1月の民主党大会あるいは党大会後に問題提起すればよいはずだが、それを行わず、この時期に会派離脱行動をとったのは政治資金規正法違反で強制起訴された小沢元代表の党員資格停止処分への反発にほかならない。つまり、マニフェストの大義を掲げた小沢氏流の党派闘争、事実上の「倒閣運動」と見てよい。執行部は離脱願を受理しない方針だが、離脱派グループは2011年度予算関連法案などの採決で造反する可能性を示唆している。16人が造反すれば、参院で否決された法案を衆院で再可決するのに必要な3分の2の議席確保は民主党と国民新党、社民党を加えても絶望的となり、菅内閣は袋小路に追い込まれる。総辞職か解散・総選挙か、菅首相はその選択を迫られるが、菅首相の性格から総辞職せず、解散・総選挙を選ぶのは間違いないだろう。こうした政治情勢について我々はすでに「もはや解散・総選挙しかない」と主張してきた(『世界思想』3月号・巻頭言へジャンプ)。それがいよいよ現実味を帯びてきたのである。保守勢力は文化共産主義勢力に奪われた政権を取り戻すべく、解散・総選挙に備えなければならない。
「民主党A」と「民主党B」? どちらにも大義なし
今回の動きについて小沢元代表に近い原口一博前総務相は「政権交代の原点に回帰しようとするグループ」を「民主党A」、首相を支える勢力を「民主党B」と分けた上で「『民主党A』の力を糾合し、菅政権を打倒せねばならない。我々と志を同じくするものは(他党を含めて)力を合わせていく」と述べ、「分党」を提唱している(月刊誌インタビュー=読売新聞2月18日付)。だが、国民にとっては「民主党A」も「民主党B」も、どっちもどっちで何ら大義はない。「民主党A」は沖縄・普天間基地問題を振り出しに戻し日米同盟の亀裂を深めるばかりか、政治主導という名の「民主党独裁」(まさに中国共産党の手法で小沢独裁だ)体制を作り、子供手当などのバラマキをやって国民精神を堕落させ、夫婦別姓を初めとする文化共産主義を持ち込もうとしている。そもそも民主党のマニフェストは「振り込め詐欺」的政策で、これに回帰しようとするのはハレンチ極まりない。「民主党B」はそれを若干現実的に修正したものの、基本的スタンスはAと何ら変わらず、国民をさらに騙して民主党政権に延命装置をつけようとしているだけの話である。「民主党A」にも「民主党B」にも国民はノーを突きつけている。それが昨今の国民世論である。例えば、時事通信社が2月10~13日に実施した2月の世論調査によると、菅内閣の支持率は前月比3・5ポイント減の17・8%となり、昨年6月の発足以来初めて2割を割り込んだ。鳩山内閣が退陣する直前だった同年5月の19・1%も下回り、2009年9月の政権交代後最低を記録している。これに対して不支持率は63・7%と菅内閣となって最悪だ。政党支持率は自民党が14・9%、民主党が11・9%である。支持率20%切れは国民が菅内閣にレッドカードを突きつけたことを意味している。マニフェストへの原点回帰にせよ(すでに実現不可能であることは民主党政権自身が示したはずだ)、マニフェストを修正するにせよ(目先を眩ませるゴマカシにすぎない)、国民に信を問わなければ筋が通らない。もはや選択肢はひとつしかないのである。
民主党は中国共産党の「友党」と化した
全国の愛国・保守勢力は解散・総選挙に備え、民主党政権の亡国政策の実態を国民に訴えていかねばならない。
第1に、民主党政権(AでもBでも)が続けば遠からず、中国の支配下に組み込まれ、属国と化してしまうことである。小沢元代表は「中国に特別の親近感」(朝日新聞2009年2月25日付)を抱き、共産中国との友好を第1に考える人物である。2007年12月に民主党訪中団を率いて北京を訪れ胡錦濤主席と会談した際には「(日中友好は)人類史的意義がある」とまで言い切った。小沢元代表の中国追従路線の最たるものが日本共産党に取って代わって民主党を中国共産党の「友党」としたことである。それが2006年7月、中国共産党と民主党が友好・交流をはかるとして設置した「交流協議機構」(そのときの機構長は他ならない菅代表代行だった)である。当時、中国はチベットやウイグルで「血の弾圧」を繰り広げていたが、それを顧みず独裁中国共産党と友党関係を結ぶ醜態をさらした(これが「民主」党とは笑わせる)。その路線を今も民主党は継承しているのである。
民主党政権が誕生すると朝貢よろしく2009年12月、小沢幹事長(当時)は同党の国会議員の約3分の1に当たる143人と一般参加者483人の総計626人を引き連れて訪中し、胡錦濤主席と会談、「解放の戦いはまだ終わっていない。(参院選を目指し)野戦軍の最高総司令官として戦う」と述べ、2010年の参院選の勝利を「解放」(中国共産党にとっては共産化)と唱えたのである(無惨にも敗北した)。「野戦軍の最高総司令官」とは中国共産党では毛沢東や鄧小平にほかならず、その位置に自らを置くことで政府(鳩山首相)よりも上位の権力者であることを誇示し、胡主席と143人との握手・ツーショット写真まで撮らせたのである。そうした「借り」が同年12月の習近平副主席の「1カ月ルール」破りの強引な天皇陛下との会見をもたらしたのである。こうした親中路線を菅執行部も継承している。
文化共産主義によって家族と社会が壊される
第2に、文化共産主義施策を浸透させ、わが国の歴史と伝統を抹殺しようとしていることである。夫婦別姓についてはすでに指摘してきた(詳細は「家族」へジャンプ)。ここでは「子供手当」を取り上げてみよう。民主党はマニフェストに掲げた「子供手当」(月2万6千円)を財源がないとして10年度から半額の月1万3千円を支給し、これを11年度予算案にも盛り込んでいるが、これこそ子育てを「社会全体」に還元すると称して家族の自助努力を奪って依存体質を植え付け、子供自身にも「親に育てもらった」という感謝の念を失わせていく、恐るべき文化共産主義施策なのである。地域社会においては「税金から子育ての金をもらっているのだから、自分たちで勝手にせよ」との思いを抱かせ、地域共同体、助け合い精神も奪い、それこそ「無縁社会」「孤族社会」を作り出していく。このような施策はポピュリズム(大衆迎合)的とされるオバマ米大統領ですら採用しない。同大統領は2010年1月25日、子育て支援策を打ち出したが、それは年収11万5千ドル(約1千万円)以下の子育て世帯への減税と学生向けローンの返済額の見直しで、減税は所得が低くなるほど規模が大きくなる仕組みである(自民党政権時代には低所得者には児童手当があった)。これは自由社会では当然の考え方で、自助(家族のエンパワメント)と共助(雇用・労災・医療・介護・年金などの社会保険)のセーフティネットを充実させ、その上で最後のセーフネットとして公助(公的扶助=生活保護、扶助手当)を機能させるのが常識である。所得制限も設けず、いきなり現金給付するのは社会保障の理念とは縁もゆかりもないバラマキであって、国民を政府の支配下に置こうとする社会主義そのものである。とりわけ「子供手当」は家族解体、社会解体を狙う文化共産主義施策である。
いずれにしても民主党政権が続けば、外にあっては中国の属国に陥り(国際共産主義)、内にあっては伝統的な家族・社会を壊してしまう(文化共産主義)。そうした内外の共産主義から日本を守らねばならない。保守勢力は解散・総選挙に備え、民主党政権の罪悪を国民に訴え、大同団結して新憲法のもとで道義国家を創建できる政権選択を果たす必要がある。
2011年2月18日


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