思想新聞 1999年2月25日号 共産主義Watching1999
同党の政策実現で日本はよくなる?
4月からの統一地方選挙が間近に迫ってきたが、共産党は議席空白議会の解消に力を注ぐ。同党は現在、地方議員数4,129人と第一党を占める。消費税引き下げや公共事業の削減を訴え支持拡大をはかっているが、共産党が掲げる政策実現ではたして日本はよくなるのだろうか。
共産党は一昨年9月の党大会から昨年末現在の1年間余りで、議案提出権をもつ自治体が351から379に増えた。また共産党単独与党の自治体が66から78に、党員首長の自治体が5から7に増えるなど党勢を拡大している。
これを受け同党は、今年を「いっせい地方選挙と総選挙の躍進の年」(不破委員長)と位置付けている。その地方選挙への具体的取り組みとして、議席占有率のアップ、議会定数の8分の1以上を獲得、議案提出権をもつ自治体の拡大、議席空白議会の解消を掲げる。2月13日付のしんぶん赤旗では、空白議席克服に支部・党員の取り組み強化を訴えている。
共産党は2月8日、消費税減税や公共投資の大幅削減など地方財政危機を打開するための提言を発表したが、こうした政策が実現されれば、はたして日本はよくなるのだろうか。
共産党はゼネコンなどの大企業と中小企業をあえて峻別し、「大企業国家」(『わたしたちの日本改革論』)を糾弾。だが、建設業界の構図はゼネコンを頂点に中企業への子請け、小企業への孫請けといったピラミッド型で、ゼネコンへの仕事は建設業界全体に回る仕掛けだ。これにはいわゆる「飛ばし」などの無駄もあり、改良すべき課題は少なくない。しかし一方的に公共事業を削れば、切られていくのは中小企業。連鎖倒産で失業者が街に溢れることになる。
また同党は大企業優遇の不公正税制を改めるという。それでなくても日本の法人税は世界に比べて高すぎる。むしろ法人税率を国際基準に下げて、技術開発や国際競争力をつけようというのが常識的な論議だ。にもかかわわず、法人税をこれ以上増やせば、一時的に税収は増えても企業の活力を殺ぎ、ついには企業倒産を招いて入るべき税すら入ってこなくなる。
一方、企業は戦後最大の不況の中で生き残りをかけ、無駄をはぶきリストラに懸命だ。ところが共産党は「解雇規制法」をつくってリストラさせないと主張している。
旧ソ連崩壊と同じ道たどる
この規制法は建て前は「雇用を守るルールを確立する」としており、聞こえはいい。しかし、規制法で企業は足を引っ張られ、生き残る社員も巻き込んで倒産してしまいかねない。旧ソ連が国家全体に解雇がなく「失業者のいない国」と自慢していたが、国もろとも倒産したことは記憶に新しい。共産党の規制法はこれとウリふたつではないか。
共産党が「民間企業悪玉論」に固執するかぎり、いくら「住民が主人公」と耳障りのいい政策を掲げても、日本の不況克服にはつながらないのだ。


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