思想新聞2000年8月1日号
世界平和超宗教超国家連合・日本創設記念大会
有識者500人が結集した世界平和超宗教超国家連合(=IIFWP)創設大会↑(7月27日、東京赤坂・
全日空ホテル)と99年ソウルでの創設大会におけるIIFWP創設者、文鮮明・世界平和連合総裁(↓写真左)

冷戦の終焉が全世界の人々に平和への希望を与えたことは確かである。しかし、紛争の件数と地域の広がりにおいて、かえって悪化しているといえよう。人間の理想実現への信念が揺らぎつつあるといっても過言ではない。このような根源的危機に対応するため、世界平和実現の新しいビジョンを提言する「世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)」(創設者=文鮮明総裁)の日本創設大会が7月27日、東京・赤坂の全日空ホテルで開かれ、与野党の国会議員多数を含む、各界各層の有識者約500人が参加した。

大会は、司会の渡辺芳雄世界平和連合情宣局長の開会宣言で始まり、まず発起人を代表して、入江通雅・青山学院大学名誉教授が「各界の指導者が連携し、世界平和への総合的アプローチによって、21世紀を真の世界平和と繁栄の世紀にしましょう」と挨拶した。
つづいて、来賓を代表し曹洞宗大満寺住職の西山廣宣氏(写真左)は「混乱する世界の根底には、宗教、人種、政治の問題が横たわっている。それらの問題を解決するため、超宗教超国家の理念をもって、私自身も運動に参加していきたい」と抱負を語った。
基調講演は、郭錠煥・IIFWP世界会長(写真右)のメッセージを、ニール・サローネン同世界事務総長(米ブリッジポート大学学長)(写真左下)が代読。その中で、「IIFWPは、宗教、学術、メディア、芸術など、あらゆる分野からの指導者達が集まり、平和という共通の大義のために共に働く機構」であると説明。「世界の諸問題は非常に複雑であるため、政治的指導者のみで対処することはできない」とした上で、「解決策を提示するための視点や洞察を提供する非政府組織は多いが、その中でも宗教は、最も重要なものの一つ」だと強調した。
さらに「国連で国家代表者たちが世界平和を実現しようとする努力は、相当な障害に直面している」と述べ、現在の国際連合の能力に限界があることを指摘。それを打開するため、「世界の政治家たちと宗教指導者達が、国連を中心に協力、尊重する関係が切実に必要なときとなった」と語った。具体的には「既存の国連を各国家の利益を代弁する下院とし、宗教者と文化界、教育界など精神世界の指導者達によって上院を構成することが考慮できる」と語り、国連に「宗教議会」を設立すべきだと提言した。
また、「真の家庭が世界平和の礎」と述べ、「健全な家庭を基盤として、各界の指導者が道徳的リーダーシップをとっていかなければならない」と語った。
最後に、「日本は世界の舞台において,傑出した位置にある。その影響力を平和実現の為にもちい、世界の見本となってもらいたい」と述べ、世界平和実現のために日本の果たす役割が極めて大きいことを訴えた。
講演の後、IIFWPの共同議長となった菅原喜重郎・衆議院議員(写真左)と大塚克己・世界平和連合会長(写真右)がそれぞれ挨拶した。
菅原議員は「世界平和を実現するため、政治家は、民間レベルとりわけ宗教者と協力して取り組むべきだとかねがね考えていた。人類の危急の問題に対する場合、文鮮明総裁の指摘のように、宗教的、精神的視点を反映させなければならない。IIFWPの理念は、私の信念と一致する」と語り、心の貧困という深刻な問題を抱えている今日の日本の問題を解決するためにも重要な視点であると強調した。
つづいて大塚会長は、「ユネスコ憲章は『戦争は人の心の中で生まれるものだから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない』と記し、そのための教育の重要性を訴えている。したがって、今日の世界には新しい理念、地球規模の価値観が必要だ。IIFWPのビジョンが多くの示唆を与えてくれる」と述べた。
さらに、「わが国が90年代初期から、常任理事国入りを目指して国連改革を積極的に提言してきた。今後、IIFWPの抜本的国連改革案とともに、平和の理念を提言する日本となりえれば、国際社会における名誉ある地位の確保と、真の世界平和への貢献の道を開く国となれる」と語り、日本において創設されることの意義を述べた。
続いて菊谷清一IIFWP事務総長が挨拶に立ち、日本創設大会開催までの経緯を説明。
それによれば、IIFWPは昨年二月、韓国・ソウルで創設されて以来、国連本部や世界各国で広範な活動を展開。特に、米国ワシントンDCでは、7回にわたってセミナーを開催し、世界50カ国から各界各層の指導者1500人が参加し、大きな影響を与えたという。今後日本各地においても、同様の活動が展開できるように力を合わせていきたいと訴えた。
◆解 説
世界には今、国家を単位とするルールしかない。そのルールに基づいて平和を実現しようとしている。前提となるのは「内政不干渉の原則」だが、すでにそれは聖域ではない。コソボ紛争で人道問題としてNATO軍がユーゴスラビアを空爆したことによって、既成事実になろうとしている。国連は多国籍軍として承認できなかったが、「黙認」せざるを得なかった。
新しいルール、すなわちグローバル・ルール、その基盤となる新しい理念、地球規模の価値観を時代は要請している。それは宗教と政治との協力によってしか実現しない。まさに、新しい協力関係を模索する時代が到来していることを知らねばならない。
◆郭 錠煥 IIFWP世界会長 基調講演(要旨)
国連に「宗教議会」の設置を
平和の大義の下で「壁」を越えよう
文鮮明師による国連改革の理念
IIFWPのモットーは、「万世之願平和統一世界」というものです。これは人種、国籍、文化、宗教にかかわらず、全ての人々の希望であります。昨九九年の創設大会において、文鮮明師は次のように述べておられます。
「世界平和理想に貢献する国際組織は、世界の偉大な宗教的伝統と自分たちとの関係を再検討すべきときになったと考えます。…国際連合が良い例になるでしょう。多くの人々は、国連は世界平和のための人類の理想が制度化された組織であると思っており、これに期待をかけています。国連には、世界の問題を解決し、平和と人類繁栄を促進するために共に働く、あらゆる国の代表者達が集まっています。
しかし、国連で国家代表者達が世界平和を実現しようとする努力は相当困難な障害を抱いています。国連を通じて得た実績と成果を否定してもいけないでしょうが、国連自体改善すべき点も多いと思われます。世界の政治家たちと宗教指導者たちが国連を中心として互いに協力し、尊重する関係が切実に必要なときとなりました。
体と外的な世界を代表する政治家や外交官達の経綸と実践だけでなく、心と内的な世界を代表する世界の宗教指導者達の知恵と努力が合わさってこそ、平和世界が完全に達成され得るのです。そのような点から、国連を再構成する問題まで、深刻に考慮すべきときなのです。
国家代表者達で成り立った既存の国連を、各国家の利益を代弁する下院に代えて考えることができます。著名な宗教指導者達と文化界、教育界など、精神世界の指導者達によって、宗教議会、あるいは国連の上院を構成することも考慮してみることができるのです。
このとき宗教議会は地域的な個々の国家の利害を越えて、地球星と人類全体の利益を代弁しなければならないでしょう。両院が相互に尊重して協力することによって、世界平和の実現に大きく寄与することができるようになることでしょう」。
世界平和は「愛の学校」である家庭から
私達は徐々に、特定の文化、人種、民族、国家の限界を越えた、世界的に有効な道徳的ビジョンの必要性に気づくようになってきました。さらに、このビジョンは私達が個人から家庭、社会、国家、そして世界へと次元を移行するときにも有効でありつづけるような、道徳の連続性を強調するものでなければなりません。
IIFWPは、「新しいミレニアムにおける世界平和の基礎としての真の家庭」と題した一連の国際セミナーを主催してきました。そこでは、家庭は「愛の学校」であると強調してきました。それはまた、倫理と平和のための初等教育機関であるといえるでしょう。
家庭の理想は、世界市民としての資格や世界平和のビジョンとは無関係ではありません。個人と家庭に焦点を当ててきた過去の個人倫理は、あまりにしばしば社会、国家、および世界に焦点を当てた公的倫理と分離されてきました。さらにまた、良き家庭を築くことに焦点を当てる人々はあまりにしばしば、真の家庭の理想というものは時として国や世界の為に家庭の当面の利益を議性にすることを求めるものである、ということを悟ることができません。国家や世界に奉仕する公的生活において活動的な人々は、この現実に気づいています。家庭は自己の保存のために内向きになってばかりいてはならず、外にも目を向け、国や世界に奉仕することにも献身的でなければなりません。即ち真の家庭は真の愛国者と真の世界市民を育成しなければならないのです。
私は皆様が、今日の世界において道徳的リーダーシップを発揮する人々となられることを奨励いたします。人種、国籍、宗教の壁を越えて共に働こうではありませんか。そして私達の家庭を再創造し、他のために生きることによって平和のために努力しようではありませんか。全ての偉大な哲学の中心的教えには、そして全ての文化の核心部分には、真の家庭、真の愛国者、そして世界市民の理想があると信じます。その理想を実現するために共に働こうではありませんか。
〔代読=サローネンIIFWP世界事務総長〕


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