この記事は2013年9月12日に投稿されました。
東京が2020年五輪の誘致を見事に勝ち取った。その勝因を誘致スタッフの誰に聞いても、「オールジャパンで取り組めた」と答えていたのが実に印象的だった。もちろんリーダーシップを存分に発揮して活躍した人がいたことは間違いないが、スタッフの心には「みんなで協力して取り組めたからこそ東京五輪を勝ち取れた」との思いが共通してあるのだ。強いリーダーシップと緻密な業務遂行能力、そしてそれらを最大限にいかすチームワーク。これが日本人の美しさであり、強さでもある。本番はまさにこれからだ。東京五輪は、これらを十分に生かして大成功させてもらいたい。
「第四の矢」を勝ち得た安倍政権
五輪による経済効果の試算がさまざまに算出されている。
東京都の試算によれば、今後7年間の経済効果は約3兆円だ。大和証券の木野内氏は、五輪には直接関係のない首都高速道路やその他のインフラ整備などの費用も含め、150兆円と計算している。
いずれにせよ、東京五輪が安倍政権の「第四の矢」となることは間違いない。9日の東京株式市場は日経平均で14000円台を回復した。日銀の異次元緩和以上の期待値だ。回復基調となりつつある日本経済への効果は非常に大きい。
安倍総理の政権運営は非常にやりやすくなった。ここでどんな政策に打って出るのか。「アベノミクス」の成功に向かうことは言うまでもないが、さらなる日本全体の復興に大胆に取り組んでもらいたい。
東京五輪を「教育の再生」に生かせ
その一つが教育の再生だ。
スポーツには人間の精神性を高める力がある。またスポーツには、人の心を一つにする力がある。しかもそれは、国境を超える力をももっている。
いくつかの国で、国民を一つにするために極端な歴史認識教育に取り組んでいる。それは国民の意識を束ねるためには都合がいいが、そのやり方いかんによっては周辺国との軋轢を生んでしまう。残念なことではあるが、現在のアジアでは韓国と中国がそうだ。いったんこの力が強まると、政権ですらコントロール不能になる。その結果、国益を失うことであっても、独自の歴史認識に反する政策はとれなくなる。自ら作りあげた歴史認識によって、自分自身の首を絞めてしまうのだ。
日本はどういう道を選ぶのか。日本がこれに追従してはだめだ。国を愛し、国のために貢献したいという思いは尊いが、その教育のために歪曲された歴史認識は必要ない。それではどのようにして愛国心を育むのか。安倍政権では、その方向性が明確ではない。
その方向性を打ち出す大きなきっかけが東京五輪にあるのではないか。どんなに優秀な選手でも、一人だけで戦い抜くことはできない。だから、「自分のためだけに闘う」というのは誤りだ。人は自分のために生きる以上に、他のために生きてこそ大きな力を発揮する。また、その精神性は見る者を感動させる。
自分にたずさわってくれた多くの人たちのために。応援してくれる地域の人たちのために。自分を生み育ててくれた国のために。こうした思いは、人間だけがもつ崇高な精神だ。スポーツは、こうした精神を培う有効な場である。さらにスポーツには、国を超えて人を結ぶつける力がある。偉大な力だ。
安倍政権は、「教育の再生」を公約として掲げている。その方向性が重要だ。日本人が古くからもつ強さと美しさを最大限に引き出すとともに、これからの世界にも通じる崇高な精神性をも教育すべきだ。
東京五輪はそのいいきっかけとなるはずだ。安倍政権は、東京五輪を通して国民全体の精神的復興に取り組んでほしい。
2013年9月12日


コメント