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中国の資源戦略の本質を見抜け

この記事は2012年7月3日に投稿されました。

中国は、経済成長に伴ってエネルギー消費量が著しく増加するようになり、1990年代半ばから石油・石炭の純輸入国となった。17億の人口を養い、成長著しい経済を支えるために莫大なエネルギーを消費しているのだ。
 特に、超大国米国を視野に入れ、国力の増強を目標としている大国中国 にとって、天然資源の確保は至上命令でもあり、中国は国家戦略として資源確保に乗り出すようになった。

国際社会から批判される中国資源外交

しかし、資源エネルギーの中心である石油のほとんどは欧米諸国などの先進国がほぼ独占しているため、中国が海外の資源を獲得するためにはそれ以外の地域に進出せざるを得なかった。世界の多国籍石油企業の上位20社が、すでに世界の81%の探査済み優良石油資源の採掘権を握っていたのである。
 そのため中国の資源確保は、「ハイリスクもしくは戦乱地域」「中央アジアやロシアなどの新開発地域」「人権問題などを抱える地域」などに限定されるしかなかった。中国の国有石油企業トップは、政府要人らとともにこうした地域を訪問し、国家としての巨額の開発投資を約束し、広範な地域で開発権等を確保するようになった。
 そして中国は、天然資源の獲得を通してさらなる資源外交の効果を狙うようになった。それは、以下のような内容である。

①中東や中南米などの反米的な国家との結びつきを強めることで、米国中心の国際政治における中国の影響力拡大を狙う。
②中央アジアとのパイプを作り、ウイグル・チベット地区の独立運動に対する共闘体制を組む。
③米国の中国封じ込め政策を阻止するためのロシアとの協力関係
④台湾問題における中国支持獲得
⑤人権外交における相互協力
⑥アフリカに対して旧式武器を輸出して処分する

特に最近は、中国は人権問題等で欧米諸国と対立することが多く、同じように人権問題で非難されることが多いアフリカ諸国と友好関係を維持・強化することは、中国の国際的発言力を強化するためにきわめて重要になっている。また、中国外交の重要な位置を占める台湾問題でも、国連加盟国の約四分の一(53か国)を占めるアフリカ諸国の支持を取り付けることは中国にとって必要不可欠なのである。
 援助の相手国は、人権蹂躙国家や独裁体制国家にまで及んでいる。スーダンやアンゴラなどの人権侵害の国際的非難を受けている国々に対しては、中国は武器輸出を結びつけたパッケージで石油資源開発を行っており、米国などはこれを強く批判している。

中国の膨張政策を見抜け

今や中国は、世界経済推進のエンジンの役割を果たしているとまでいわれるようになった。しかし問題は、その経済的な立場を巧みに利用しながら、領土拡張や人権問題に対しても優位な立場を確保しようとする外交戦略を展開していることにある。
 利用できるものはすべて利用するのが中国共産党の戦略である。日本が中国との経済的な関係をもつこと自体は問題ではないが、その背後にある膨張政策や人権問題に対しては断固たる態度をとらなければならない。表面的な経済問題とのみ捉えれば、狡猾な中国の戦略に日本も飲み込まれてしまうことになるだろう。

2012年7月3日

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