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File-31 スウェーデンでは2組に1組が離婚

「女性の社会進出世界一国家」の“舞台裏”

思想新聞2001年4月15日 シリーズQ&A 共産主義は間違っている!!

フェミニズムの仮面を被ったマルクス主義 15

“進出”支えるクォータ制度

7割がストレスに悩む国民性

Q 日本でも離婚は急増していると言われますが、スウェーデンでの離婚の事情はどうなっているのでしょうか。

 はい。前回紹介したように、スウェーデンでは結婚は女性にとってあくまで「契約」であり、愛情は二義的なものと見なされていますから当然、離婚率は高くなります。先に紹介した武田龍夫氏の『福祉国家の闘い』(中公新書)には、離婚について次のように記されています。
「かくて離婚は2組に1組となるのである。そこには思いやりとか譲歩とか協力とか尊敬といった感情は、まずない。だから夫婦関係は猛烈なストレスとなる。ストリンドベルイの国であることがおわかりになったであろうか? ちなみにストリンドベルイはワイニンゲルとは違って男女平等を信じて実際生活で実験して失敗したのだが、彼の結論は男女平等は可能ではなく、また望ましくないというものだった。彼は男と女の肉体と役割から検討してみると、結局女にとっての真の平等はない、ということを見出したと主張したのである。かくて男と女の利己的自我の血みどろの戦いが、ストリンドベルイ文学の主題の一つともなったのである」(同書)
 ストリンドベルイはスウェーデンを代表する作家ですが、「スウェーデン世論調査機関」(SIFO)が行った調査によると、なんとスウェーデン人の70%がストレスに悩んでいるというのです。それが、夫婦関係や子供にも色濃く反映されていると言えます。

ストックホルムでは35%が一人所帯

 また、スウェーデンでは結婚しない独身男女が多く、首都ストックホルムでは35%が一人所帯だというのです。したがって専業主婦はもちろん少なく、女性が「社会進出」するのは当然だとも言えそうです。
 しかし、女性の社会進出をさらにすすめたのが、いわゆる「クォータ制度」です。この制度について、「女性の社会進出は文句なく世界一」と言ってはばからない武田氏は、次のように述べています。

女性が国会議員の4割を占めるが…

「国会議員は約40%が女性だ(これは北欧各国全部について言える。もっとも低いフィンランドでも30%である。他のEU各国の平均は20%)。1999年秋に改造したペアソン内閣は女性閣僚のほうが多い。ここからスウェーデン女性の地位は高いということになる。しかしである――高い低いとはいったい何だろう? たとえば家庭における女性の地位は日本のほうが実質的にはるかに高いし、また保護もされている。それは母性に対する一般社会の意識を反映しているからである。それに一家の財布は主婦が握っている。こんなことはスウェーデンのみでなく、欧米では考えられない。つまり文化の違いなのだ。そして外面的にはそのような女性の地位の高さは外国人にはわかりにくい。ここから日本女性の地位は低いとなる。だが物差しはいろいろあるのだ。
 現に、スウェーデン女性の社会進出(約80%)も半分はパートである。それに進出は量とともに質も考えねばなるまい。しかし質的水準はまったく問われないのだ。実は女性の社会進出は先進国では皆大同小異なのである。スウェーデンの政治家の女性進出は、いわゆるクォータ制(割当制)という選挙制度のお蔭なのだ。だから女性の社会進出は大きく偏向している。つまりその職種は特定部門に集中しているのだ。これに対して男性の職種は160種前後に広く平均して分散している。ということで、少し分析的に見ればたちまちスウェーデン女性の地位の高さなどは表面的なものであることがわかる。
 クォータ制度(1998年導入)で確かに政治への進出は多い。地方議会への進出も20―40%だ。男女平等法(80年)もあり、平等オムブズマン制度もある。だが政治分野以外は、軒並みグンと少数か名目的比率にとどまっている」
 かくて、武田氏はスウェーデンの「社会進出世界一」も皮相的だ、というわけです。興味深いのは、「家庭における女性の地位」は日本の方が高いという点です。これはフェミニズムの観点にはありません。

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