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中国の軍事パレード、米国への挑戦露わ

この記事は2015年9月7日に投稿されました。

今こそ日本は「平和ボケ」を払拭せよ

中国がいよいよ米国への対決姿勢を鮮明にした。9月3日に行われた「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」の軍事パレードである。
 そもそもこの記念式典は、歴史の意図的な改ざんによって成り立っている。70年前に中国で日本と戦ったのは蒋介石率いる国民党であり、共産党ではない。当時毛沢東率いる共産党は、後方でゲリラ活動をしていたに過ぎない。式典はあくまで国民に共産党支配の妥当性をアピールするためのショーに過ぎない。
 これまで中国の軍事パレードといえば、10年ごとに建国記念日に行われてきた。中国の国家主席は一人が二期10年間務めるから、一人の国家主席につき1回だけである。前回は2009年だったから、次は2019年のはずだった。ところが習氏は今回の式典で軍事パレードを強行した。その狙いは大きくわけて三つある。一つ目は腐敗撲滅運動への反発や経済減速などに揺れる国内を引き締めるため、二つ目は「中国は反ファシズムを戦った正義の国」と国際社会に訴える心理戦、そして三つ目は米国に対する軍事的な挑戦を明らかにすることである。

米国狙う最新兵器を初公開

今回のパレードでは、これまで公開されたことのなかった最新兵器が続々と公開された。まず、米国本土を射程内におさめる大陸間弾道ミサイル「東風(DF)5B」である。このミサイルの弾頭には核兵器を複数搭載することができる。そして「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「東風(DF)21D」である。米軍がアジア太平洋地域でプレゼンスを発揮するには空母が最も重要になるが、その空母を攻撃するのがこのミサイルである。いずれにしても、米国がアジア地域における中国の覇権拡大を邪魔すれば、「ただでは済まない」ということを誇示したのである。パレードでは他にも、グアムの米軍基地が射程に入る長距離弾道ミサイル「東風(DF)26」や、40種500の陸上装備、20種200の航空機などが披露された。
 習氏は一方で中国軍兵士の30万人削減を謳ったが、これは軍縮を意味するのではない。むしろ軍の近代化、精鋭化を進め、米軍と対等に立つための改革を具体的に進めていると見るべきである。「平和的な台頭を目指すという中国の立場」(朝日新聞9月3日付)などといった分析は完全に的外れだ。
 これまで中国は、米国の出方を慎重に伺いながら、少しずつ実効支配の既成事実を積み重ねてきた。いわゆるサラミ戦略である。サラミは一本盗まれるとすぐにばれてしまうが、薄切りにして盗まれると気づかない。中国のこれまでの戦略だ(中国内ではキャベツ戦略という)。しかし今回の中国の態度はそれとは全く違う。明らかに米国を威嚇し、脅しているのだ。日本と米国は、対中軍事戦略をさらに具体化させておく必要がある。

「平和ボケ」から脱するのは今だ

日本では安保法制の審議が進められているが、野党や左翼系マスコミ、運動家らはいまだに「戦争法案」などと嘯いている。安保法制が戦争を引き起こすのか、中国の覇権拡大が戦争を引き起こすのか、普通に考えれば誰の目にも明らかだ。しかし彼らはこの点について一切語らない。見て見ぬふりを続けている。
 反対運動を展開する若者グループ、SEALDsの学生の一人は次のように語った。
 「もし本当に中国や韓国が攻めてくるというのなら、僕が九州の玄関口で、とことん話して、酒を飲んで、遊んで、食い止めます。それが本当の抑止力でしょう?」
 こんな馬鹿げたことを堂々と言えるのがこれまでの日本である。戦後70年を期して、中国はいよいよ国際社会への挑戦を鮮明にした。日本は今こそ「平和ボケ」を払拭し、自国を守るとともに、アジアと世界の平和と安定に貢献する国となるべきである。
 まずは安保法制の制定である。そして戦後レジームの打破だ。安保法制の審議を通して内閣支持率は落ちたが、その後法案の国民への理解は深まった。戦後レジームは着実に払拭されつつある。中国の威嚇と脅しに決して屈してはならない。自由と民主主義の価値を守るために、十分な体制を早急に整えるべきである。

2015年9月7日

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