思想新聞2001年10月15日号【マスコミ論壇ウォッチング】
9月11日以降のアメリカのテレビや新聞の姿勢に比べ、わが国のマスコミ、特にテレビ局は番組編成の変わり目ということもあって、「テロ騒ぎなど対岸の火事」といった風情だ。その中で社会情報番組、いわゆる朝や午後の各局のワイドショーが今回の事件の背景や今後について、多少センセーショショナルなきらいはあるものの、啓蒙的な役割を果たしていることは特筆に値する。
また、より洗練されたかたちで種々の情報を提供するテレビ版「ニュースマガジン」ともいうべき一連の番組でも今回の事件に関する特集を組んでいる。NHKの「クローズアップ現代」がその代表だが、TBSの「ブロードキャスター」は同様の番組のなかにあって、一定して高視聴率を記録しており、多く「読者」を獲得している。
ところで「ブロードキャスター」は9月29日の放送で、今回の危機に対する日本の対応について特集を組み、9月27日付けの『朝日』朝刊の記事を引用して、「日本は今回貢献に身震いしているが、アジア諸国の反応が心配だ」とのナレーションを放送した。
ところが、『朝日』の記事はクリントン前政権のキャンベ国防次官補の発言として、今回の日本の貢献策について米現政府の当局者は「興奮で身震いしている」という内容であり、これは極めて意図的な歪曲か、不注意のいずれかと思われた。そこで、本紙「ウオッチング」子は、このコメントを看過できず、早速TBSの同番組の担当者に抗議を申し入れた。
すると、同番組の最後に福留キャスターーが訂正のコメントを読み上げた。これは、同番組が可能な限り誠意をもって番組を製作していることを感じさせられた。ただ、その訂正コメントは「日本が興奮しているという表現でしたが、『キャンベ前国防次官補が興奮で身震いしている』という内容でした」というもので、「日本が興奮している」という全くの誤りよりはましだが、『朝日』の記事をよく読めば、そのような「訂正」にはならないのにと思わされた。


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