教育基本法改正 道徳・倫理基盤の確立を図れ
文部科学省は1年をめどに答申を得たいとしているが、教育基本法改正については教育改革国民会議が昨年12月に当時の森首相に「教育を変える17の提案」と題する最終報告を提出し、その中で「新しい時代にふさわしい基本法」の必要性を訴えていた。それから1年も経過した。教育改革に熱心だった森首相が退陣し、小泉首相が経済中心の「聖域なき構造改革」を主張することによって教育基本法改正は政治課題から放棄されてきた感が強い。中教審はこれから1年掛かりで改正案を論議するというのだから、その遅さに呆れるほかない。 とはいえ、旧文部省が固執してきた教育基本法の改正を中教審が検討に入るのは戦後初めてのことである。中教審には抜本的改正に向けて腰を据えて取り組んでもらいたい。 遠山文科相は教育改革国民会議の最終報告を踏まえ、検討の視点として、【1】時代や社会の変化に対応した教育 【2】人一人の能力、才能を伸ばし創造性をはぐくむ 【3】伝統、文化の尊重など国家社会の形成者として必要な資質の育成――の3点の検討を中教審に求めている。 われわれは教育基本法改正で最も重要なことは、教育を通じて道徳・倫理基盤の確立を図る国の基本理念を示すことと考える。なぜなら現行の基本法の最大の欠陥は、人権ばかりを重んじ、家庭、国家、民族、歴史、伝統、文化を抹殺するかのごとく、宗教・道徳教育を否定してきたところにあるからだ。