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「朝日」の反省なき「右旋回」は願い下げ

思想新聞2003年1月15日号【マスコミ論壇ウオッチング】

 最近の『朝日』系メディア、特にテレビの北朝鮮報道には目を見張るものがある。というのも北朝鮮による拉致問題が「疑惑」としてしか扱われていなかった時代から、在阪の「朝日放送」の石高健次プロデューサーは、多くの調査報道ドキュメンタリーを制作し、そのいくつかは放送界やジャーナリズムでの賞を受賞しているのだ。
 さらに「テレビ朝日」は、日本共産党系の日本電波ニュース社の元ディレクターで、現在「ジン・ネット」社代表である高世仁氏の取材をもとにした北朝鮮特集を、日曜朝の同社の看板番組「サンデープロジェクト」で何度となく放送してきている。
 1月7、8日の両日、1950年代末から始まった北朝鮮への帰国事業で北に向かった日本人配偶者の悲劇についての「ニュースステーション」の特集の内容も、極めて衝撃的なものだったが、旧労働省官僚の立場を投げ打ち、在日朝鮮人の妻の「帰国」に同行した芝田孝三さんの悲劇的生涯を紹介した後の「朝日」編集委員・萩谷順氏の次の発言には、毎度ながら驚かされた。
「人間というのは過ちを犯すもの。ただ、過ちに気づいて反省して二度と過ちをしないようにすることがとても大切。『帰国運動』の行われた1959、60年というのは、まだ私たちは子どもでしたけど、日本はそんなに明るくなかった。日本が右するのか左するのか、つまり資本主義の道を歩むのか、社会主義の道を歩むのか、国の中でも割れていた。ですから多くの在日朝鮮人の方々が祖国へ帰りたいというのはしかたがなかった。ただ、それがどうも違ったぞ、と気が付いた時に(朝総連は)方針を転換すべきだった」
 ここには、わが国がまだ「暗かった時代」に、「38度線の向こうに『労働者の天国』がある」「北朝鮮は『地上の天国』だ」と喧伝した『朝日新聞』自身の過去についての真摯な反省が全く見られない。「『朝日』の右旋回が始った」との意見もあるが、反省なき方向転換なら願い下げである。

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