思想新聞2002年10月15日号【マスコミ論壇ウオッチング】
前回、「商業ジャーナリズム」の雄・『朝日新聞』の「見事さ」に驚嘆したとの内容を載せたが、その「売るためならなんでもあり」の『朝日』商法に立腹しているのは、当コラム子だけでないことを知らされる記事を発見した。
それは、『産経新聞』系出版社、扶桑社の発行する『SPA!』10月8日号の「今週の二重構造」というコーナーでのコラムニスト、勝谷誠彦氏の発言である。
『SPA!』という雑誌は、「バラエティー週刊誌」とでも呼べるような硬軟両面、国際問題から社会・風俗まで様々な話題を「『SPA!』的」編集手法でまとめ異彩を放っている雑誌である。同誌は、マガジンハウスの『ダ・カーポ』という半月刊誌のビジュアル週刊誌版とでもいえる内容と、そのマニアックな読者で知られている。
勝谷氏の怒りは、『朝日』の看板週刊誌、『アエラ』の「北朝鮮の変貌」と名づけられた9月25日号臨時増刊号の内容と、拉致被害者の横田めぐみさんの顔写真に「人生を返せ」という大きな文字をかぶせた同誌の9月30日号の内容の落差に向けられる。
その落差とは、小泉訪朝によって高まった北朝鮮への関心を当て込んで、「北朝鮮お宝グッズ」といった「能天気」な北朝鮮特集を組みながら、拉致事件について北朝鮮側から衝撃的な発表が行われるや、それに対する国民の反発を見込んで、拉致被害者の悲劇と家族の苦悩を軸とした通常号を発行するというもので、まさに「朝日商法」の典型である。
「朝日がここまでメディアを商売にする恥知らずだったとは」――これは勝谷氏の偽らざる感想である。
北朝鮮の拉致事件を契機に、作家の曽野綾子女史は、雑誌社系の出版社に対し、「社の総力を挙げて」、北朝鮮に対するこれまでの各新聞、雑誌におけるあらゆる人々の発言についての検証を求めている(産経9月20日付)が、今回の『SPA!』誌の記事は、曽野女史のいう検証記事の嚆矢(※こうし)といえるかもしれない。
(※かぶらや→物事のはじめ・最初)


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