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重要法案超党派で成立を「憲法調査委」設置は公算大

思想新聞1998年11月5日号 臨時国会11月召集

「ガイドライン」各党に隔たり
スパイ防止法 危機管理に不可欠

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国家的危機への各党の姿勢が問われる(左上から時計回りに
小渕自民党総裁、小沢自由党党首、菅民主党党首、神崎公明党党首)

 次期臨時国会が11月末にも招集となり、重要法案の成立に向けた各党の姿勢が問われる。新ガイドライン関連法案はわが国の安全保障上からもはや先送りは許されない。また憲法を国会の場で論議するための常任委員会の両院設置も機が熟した。さらにNEC機密漏洩事件から改めてスパイ防止法の制定は不可欠だ。わが国の安全保障ならびに危機管理に関する重要課題だけに、各党の真価が問われる。

 先の臨時国会では金融再生法案などの成立に時間がかかり、安全保障に関わる重要懸案が先送りされる事態となった。11月はコーエン米国防長官に続いてクリントン大統領、さらに中国の江沢民国家主席も来日予定だ。国会を前後して安全保障を中心にわが国の基本政策のあり方が問われることになる。
 その次期臨時国会の焦点の一つが、新ガイドライン関連法案だ。周辺有事に備えて在外邦人救出の輸送手段として艦船を使用するための自衛隊法改正案や、平時に限定している米軍への物品提供を周辺事態にも拡大するための日米物品役務相互提供協定(ACSA)改正案も早急に制定されなければならない。
 だが同関連法案に対して、各党の隔たりが大きいのも事実だ。民主党や公明党は、周辺事態の地理的範囲の「定義」にこだわる。逆に自由党は、米軍の後方支援が防衛出動となっていないことに強い不満をもつ。
 いうまでもなく周辺事態法は、「韓半島有事」の際に米軍が速やかに活動できるようにするための法律である。法案の骨抜きはもってのほかだが、たしかに同法案は不備が目立つものの、これすら制定しない「無法状態」が続けば、それこそ北朝鮮が付け入るシグナルとなるだろう。
 また、もう一つの重要懸案は、これも先送りされた憲法調査常任委員会の両院設置である。自民党は、これを実施ならしめるための国会法改正案を提出する方針を固め、自由党と公明党などがこれに同調する見通しだ。超党派の国会議員で作る「憲法調査委員会設置推進議員連盟」(会長=中山太郎・元外相)には民主党からも多数参加している。
 同改正法案の成立により、来年1月の次期通常国会には「憲法調査委」が設置され、昭和30年代の岸内閣の憲法調査会以来となる本格的な憲法論議の場が誕生する。いわゆる「論憲」は、世論調査結果からも国民が支持しており、21世紀の日本のグランドデザインをいかに描くかが問われる。
 さらに、危機管理の面からもスパイ防止法の制定が急がれる。防衛庁の装備品納入をめぐる背任事件の一環として発覚した、航空自衛隊のバッジ(自動防空警戒管制)システムの秘密情報漏洩事件は、日本の安全保障を根幹から揺るがす重大事件といえよう。安全保障の基本原則からいっても「危機の予知・予測」において情報保護は鉄則である。
 先般の北朝鮮ミサイル「テポドン」の飛来に関して、慶応大の草野厚教授は「重要なのは今回露見した広い意味での日本の安全保障政策、危機管理上の制度の未整備であることに尽きる」と指摘した(読売新聞9月10日付)。次期国会中での審議停滞、法案先送りは許されないのである。

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