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「イラク」解決で北朝鮮の核阻止を

思想新聞 2002年11月8日号アピール2002

 イラク問題は米国の中間選挙で共和党が勝利することによって、いよいよ大きく動き出した。国連常任理事会はイラクに大量破壊兵器放棄を促す新決議案を採択する。これでサダム・フセインには二つの道しか残されなくなった。すなわち、国連による徹底的な査察を完全に受け入れ大量破壊兵器を全廃するか、それとも査察拒否もしくは査察妨害で米国の武力攻撃を招くか、である。米国がこれまでイラクに優柔不断な態度をとり、それが大量破壊兵器保有を許した。そのツケをブッシュ大統領ははらおうとしているのだ。この行方を誰よりも関心をもって見守っているのは北朝鮮の金正日総書記である。イラク問題を完全解決しなければ、北朝鮮がサダム・フセインの手法を真似て核を含む大量破壊兵器を保有し、周辺諸国を脅かすことになるだろう。だから日本にとってイラク問題は単に中東問題でないのだ。イラク問題の完全解決に向け日本は米国に全面協力すべきである。

 なぜサダム・フセインは大量破壊兵器の保有を今日まで行えたのか、北朝鮮の行方と重ねてその教訓を以下に挙げておこう。

 ・イラクは国連制裁委員会をあざむいた。国連は湾岸戦争後、イラクに経済制裁を科した。制裁委員会はイラクへの輸出品に軍事転用が可能なものがあるかチェックするもので事実上、米英の軍関係者が当たっていたが、イラクはこのチェックが非人道的であるとのキャンペーンを張り、国際社会での米英の孤立化に一定の成果をあげ、いつの間にか軍事物資も手に入れた。
 [北朝鮮の今後の出方=飢餓や病気の子供たちの写真を公表したりして、人道援助は必要だとの国際世論を作り上げ、その人道援助をなし崩し的に拡大して、軍事物資を手に入れたりして包囲網を打破していく]

 ・イラクは国連常任理事国の分断をはかるべくロシアとフランス、中国の企業に初めてイラク国内の石油開発権を与え、「親イラク・グループ」の結成に成功した。このため米英のイラク制裁決議は仏ロ中の反対でなかなかまとまらずイラクは時間稼ぎに成功した。
 [北朝鮮の今後の出方=安保理に親北朝鮮・グループを作り上げる。中国とロシア、フランス、ドイツがその対象となる。北朝鮮内の資源開発権などをこうした国に与え、実利で親北朝鮮グループを作り、米英を孤立化させ国連の制裁決議を回避する]

イラクは国連の査察を受け入れても、査察機関となる「国連特別委員会」(UNSCOM)の査察官に米英のスパイ諜報機関員が多いと難癖をつけ、親イラク国の査察官に交代させ、UNSCOMを弱体化させて査察体制を骨抜にした。
 [北朝鮮の今後の出方=仮に核問題で査察を受け入れても査察機関の構成について友好国の手助けを得て、米国中心の査察体制を止めさせ、査察機能を事実上マヒさせ、大量破壊兵器を温存する]

サダム・フセインに対する政権交替可能な人物や組織をことごとく抹殺し、ポスト・フセインが想定できない状況を作り上げ、フセイン政権で仕方ないとの国際世論づくりを展開した。米国が苦慮しているのはフセインを排除した後の政権構想が定まらないことである。
 [北朝鮮の今後の出方=金日成主席は早くから金正日後継体制を敷いたが、金正日総書記の後継体制はまったく見えない。これが金正日排除論のネックになっている。金総書記はそうした状況を長年にわたって作り出してきたが、今後も金正日政権でないとソフト・ランディングができないとの国際世論づくりを展開する]

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