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国連を補完する宗教議会

思想新聞2002年12月1日号【視点論点】

コロンビア国連代表部法務官
グィジェルモ・レイエス氏

設置は憲章の趣旨に合致

 最近の国連総会の議論において、文化と宗教の問題が重要性を増しており、とりわけ9・11以降は貧困、差別、飢餓、憎悪、暴力、エイズなどの主要な問題を解決する上において、政府と宗教指導者が国連に協力しなければならない、という認識が高まっている。そして、国連が紛争の根本原因を取り除くのを助け、その本来の使命を果たすことができるように宗教議会を設立することは大きな意義がある。
 2001年は国連によって「文明間の対話年」と宣言された。その根本精神は、平和とは民族・宗教間の建設的な対話と協力によって実現されるというものだ。文化・文明間の対話は、単なる寛容や理解を意味するものではない。大きな多様性を持つあらゆる文化や宗教が、暴力や憎悪のない一つの家族として共に働くことのできる、世界的なシステムの構築を目指しているのである。
 法的側面から言えば国連憲章の序文には「寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ」とあるが、この文言は宗教議会の設立という試みに対して扉を開くものである。
 また国連憲章の第一条は、国連の目的について以下のようにある。
「経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること」
 この文章に基づくなら、宗教議会の提案は国連憲章に合致したものである。なぜなら、宗教議会の設立は、宗教を含むさまざまな性格を有する国際問題の解決に貢献することができ、すべての宗教の代表者を一堂に集めることにより、国連の機構の下で適切な方法によって紛争を解決し、平和を実現する道を開くことができるからだ。
 国連憲章第七条に「必要と認められる補助機関は、この憲章に従って設けることができる」とある。国連加盟国は総会の評決によりどのような補助機関が設立されなければならないかを決定する。したがって、国連の宗教議会は、このような補助機関として設立することが可能である。
 そこで議会設立までのプロセスについて説明したい。このプロセスは、総会の通常セッションが始まる1カ月前から、宗教議会設立に関する様々な細目を含んだ包括的な提案が提出されることにより始まる。提案は加盟国、国連事務総長、あるいは国連機関が提出しなければならず、国連憲章第22条により、「総会がその補助機関を任務の遂行に必要と認めた場合には、それを設立することができる」というものである。したがってIIFWP(世界平和超宗教超国家連合)が国連宗教議会を設立するためには、それを支持し協力してくれる一つ以上の国連加盟国を得なければならない。具体的な手順は以下の通り。
【1】宗教議会設立の提案を明文化【2】提案を国連総会の議題に盛り込むため働いてくれる国連代表部を見出す【3】このイニシアチブを支持するあらゆる文書を準備【4】総会で大多数の加盟国が提案を支持してくれるよう働きかける
 このイニシアチブに対し、まず否定的反応が予想される。1つは国連事務局内に、宗教的なイニシアチブに常に反対し、国連内部に宗教的な補助機関ができるのを防ぐことにその時間の大半を費やしている人々がいること。2つめは宗教議会設立には莫大な費用が要るが、予算問題が障害となる。3つめは一部の国連代表部の中にはNGOから出される提案を良く思わない者がいることだ。
 一方、肯定的な反応も予想される。根拠として、現在、国連内部には「文明間の対話」を通して「平和の文化」を創造するために行動を起こさなければならないというコンセンサスがある。そして、そのためには政治指導者と宗教指導者の協力が不可欠であることは明らかで、国連宗教議会の設立はこの目的達成のための一つのステップと見ることができる。
 実際にこの提案を総会で可決させるためには、米・英・中・ロ・仏の支持を取り付けることが非常に重要だ。もしこれらの国々が支持すれば、国連でコンセンサスを得ることができるからである。
(9月22日ニューヨークでの国連宗教議会設立のための国際会議より、協力・IIFWP、文責編集部)

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