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東京都の防災訓練 自衛隊との協力さらに推進を

思想新聞2000年9月15日号 主張

 有珠山噴火に続く三宅島の噴火・全島避難で、防災などの危機管理の在り方が改めて問われている。東京都ではさる9月3日に、自衛隊が初めて本格的に参加する総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2000」を実施した。阪神大震災から5年を経てようやく実施された訓練だが、左翼勢力はこれに反対して石原知事を批判したりしている。だが、そうした批判はまったく筋違いである。

自衛隊排除で被害拡大の阪神大震災

 陸海空三自衛隊の約7100人が参加する東京都の防災訓練は時宜に適ったものだった。伊豆諸島の相次ぐ地震と予測できない三宅島の噴火長期化で、東海地震や東京直下型地震の到来が噂され、国民の間には不安の声が聞かれた。
 そこで我々は阪神大震災の教訓が生かされているか、今一度、点検する必要に迫られており、その問題点の一つが自衛隊の災害出動がスムーズに行われるか、ということである。
 阪神大震災では、自衛隊が16000人態勢で本格的な救援・復旧活動に入ったのは、地震発生から実に40時間以上も経てからである。しかも自衛隊の車両の一部は交通渋滞に巻き込まれ迅速な移動ができなかった。
 こうしたことから結果的には6000人以上の犠牲者を出す大惨事になったことは周知のとおりである。結局、自衛隊が人命救助したのは199人だったが、医療支援、給水支援、給食支援、物資輸送、道路の復旧などで大きな成果を上げた。
 しかし、一部には人命救助の数の少なさを根拠に「自衛隊は役立たない」と主張し、自衛隊の防災訓練を否定しようとする動きがあるが、それは言いがかりにすぎない。人命救助の数が少ないとするなら、その責任は自衛隊にあるのではなく、自衛隊の迅速な活動を阻害した政治と左翼勢力にあるからだ。
 阪神大震災の教訓を踏まえ、政府は災害基本法を改正し、それまで知事の要請で行われていた災害出動が首相の指示でも行えるようにし、さらに警察官がいない場所では自衛隊員や消防隊員が通行妨害車両の除去などが行えることになった。
 しかし、せっかく法改正によって防災態勢づくりが進められたのに、地方自治体は自衛隊が本格的に参加する防災訓練をまったく行ってこなかった。とりわけ、大震災での被害が懸念される首都圏がそうである。
 首都において自衛隊の本格参加による防災訓練の必要性はかねてから訴えられていた。昭和40年代には当時の中曽根康弘防衛庁長官が東京都に自衛隊との防災訓練を呼びかけ、また50年代には関東大震災70周期説が唱えられて、自衛隊との防災訓練実施の気運が高まった。
 だが、前者は時の美濃部革新都知事によって、後者は都職労などの左翼労組や左翼住民団体の反対で実現しなかった。
 この自衛隊反対闘争に最も積極的に取り組んできたのが関西の共産党で、兵庫県と神戸市は自衛隊を防災訓練から完全に排除し、1回も訓練を行ったこともなければ、防災計画の段階から自衛隊をオミットしてしまっていた。その結果、前述のように犠牲者の数を拡大したのだ。
 その阪神大震災から5年以上を経て、ようやく石原都知事が今回「ビッグレスキュー東京2000」を実施した。同都知事が登場しなければ、自衛隊が本格参加する防災訓練は実現できなかったといわれている。冷戦が終わったのに、それほど自衛隊アレルギーが強いことを物語っている事実といえよう。
 都の防災訓練に参加した自衛隊員の規模は、大規模災害が起こった際に初期投入される自衛隊員の3分の1に該当する。訓練内容は、阪神大震災で残されていた課題をほぼ網羅したもので、自衛隊員と警察官や消防隊員らと連携プレーによる本番さながらの訓練を行った。いざという時に備え、都民にとって心強い訓練となったといえよう。

治安出動訓練も必要不可欠だ

 共産勢力は「防災訓練の美名のもとで治安出動を想定している」と批判しているが、仮に今回の都の防災訓練の中に治安出動訓練があっても都民はそれに異を唱えることはあるまい。なぜなら、神戸市と違い東京都では石原知事が先に指摘しているように不法滞在外国人による犯罪が激増しているからである。
 警察庁発表の昨年1年間の来日外国人による犯罪は全国で3万4千余件でこれは平成元年の6倍に達し、このうち不法滞在者が6割を占めている。とりわけ都内では池袋、上野、錦糸町など7カ所を拠点として、凶悪犯罪が繰り返されており、警察庁は警戒態勢を強化している。
 首都での大震災では治安確保がきわめて重要な課題となり、自衛隊の治安出動も視野に入れておくのは当然のことである。いずれにしても国民は自衛隊との協力を一層密にしなければならない。

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