国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1898号 (令和8年5月1日)

20歳で成人が日本の伝統。18歳成人はノー

この記事は2011年1月10日に記述されました。

満20歳で成人になる。それがわが国の伝統である。

きょうは成人の日である。新成人124万人が新たな門出を祝った。満20歳、数え21歳で成人になる。それがわが国の伝統である。ところが昨秋、法制審議会は成人年齢を18歳に引き下げる答申を法相に行った。憲法改正手続法(国民投票法)が投票権年齢を18歳にしたことを受けたもので、民法改正の時期については「国会の判断に委ねるべき」とした。その後、民主党政権は18歳成人に沈黙している。18歳成人はわが国に相応しいのか、答えはノーだ。

世界の成人年齢は徴兵制を基準にする

2007年に成立した憲法改正手続法(国民投票法)は投票権年齢を18歳以上と定め、附則で同法が施行される2010年までに民法と公職選挙法などの年齢条文に「必要な措置を講ずる」とした。その是非の諮問を受けて昨秋、法制審議会が答申を出した。
 法制審議会の答申は、18歳成人を適当とするものの、「現時点で引き下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じる恐れがある」と指摘し、若者の自立支援策を充実させる必要があると、引き下げによる問題点も指摘した。確かに問題は少なくない。成人年齢に関連する法律は公選法や少年法のみならず、喫煙や飲酒の禁止法のほか、銃刀法や競馬法(馬券購入)など191件にのぼる。成年になれば「親権」から離れ、自動車購入などのローン契約や消費者金融からの借り入れも可能になる。ところが、18、19歳の若者の半数以上は学生である。社会の商慣習に不慣れで、マルチ商法などの被害に遭ったり、若者の困窮化を招いたりしかねない。それで答申は自立支援策が必要としたわけだ。問題はそれだけではない。18歳から飲酒や喫煙を認めれば精神・肉体的な悪影響があるばかりか、性風俗分野での低年齢化も招き、有害情報による被害拡大も危惧される。
 18歳成人はもともと民主党の主張である。18歳成人が世界標準だから、それに合わせるべきとの主張もある(例えば読売新聞09年7月30日付社説「18歳成年は世界の大勢だ」)。確かに18歳成人を採る国は多いが、なぜそうした成人年齢を設定しているのか、その背景を理解しておく必要がある。それは徴兵制と深く関わっている。欧州はもともと21歳成人だったが、それは「重い武具を着けられる」年齢とされたからだ。米国も同じく21歳だったが、1970年代にベトナム戦争の徴兵制と関連し「18歳で徴兵されるのなら、選挙権もないとおかしい」との論議が起こり、9割以上の州が18歳に下げた。欧州の18歳成人も同様に70年代に学生運動が高まり「若者からの要望」で下げられた。アフリカなど新興国の18歳成人は大半が徴兵年齢に由来している。答申は成人の基準を「政治参加と経済活動の自己判断」というが、それだけで成人年齢が決められているわけではないのである。

権利だけでなく責任と義務が問われる

権利もさることながら、それ以上に国や社会への「義務と責任」とりわけ兵役を重視して成人年齢が決められているのである。ところが現在のわが国の成人年齢論議は、義務や責任を問わず、選挙権や参加権など権利一辺倒に陥っている。これは主客転倒だ。若者たちが18歳成人を要求しているという話も皆目聞かれない。なぜ権利一辺倒の18歳成人論になっているのかと言うと、これを提唱する民主党の一部議員が「子供の自己決定権」を動機に主張しているからである。自己決定権を低年齢化させ「性の自己決定」や「親権からの独立」といったジェンダーフリーを子供たちに押し付けていく。その一環で18歳成人を声高に叫んでいる。文化共産主義勢力がその背後に蠢いているのだ。
 08年9月の内閣府の世論調査では18歳成人への「反対」が78・8%にのぼり、「賛成」はたったの19%だった。同調査では「子供が大人になる条件」(複数回答可)について「自分がしたことに責任をとれること」が最も多く74%、「肉体的な成熟」は7番目の22%。逆に「現在の18~19歳にあてはまること」(同)については「肉体的な成熟」が最多の53%、「自分のしたことに責任がとれる」は17%にすぎず、国民は成人条件を明快に「責任」と答えている。責任を問わない権利一辺倒に危惧を抱いているのだ。

「為に生きる」ことが成人の使命

子供たちに「責任感」を育てるために、倫理・道徳心をきちんと教育しなければならない。かつてジョン・F・ケネディが「国が君らに何をしてくれるかを問うのではなく、国の為に何ができるかを考えてほしい」と問うたように、若者に「為に生きる」精神を培っていかねばならない。大人の責任として青少年健全育成法で環境を整え、学校では道徳教育をきちんと行う。それもしないで18歳成人は危険この上ない。新成人もこのことを自覚してほしい。

2011年1月10日

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