国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

マルクス主義の残滓一掃を

【思想新聞2004年6月1日号】 主張

 民主党は年金未納問題で菅直人代表が辞任し、その後継として小沢一郎氏が代表選に出馬することになっていたが、年金未納が発覚して土壇場で辞退。5月18日になって、ようやく岡田克也氏が代表に就任して、新たなスタートを切った。

突如、出された夫婦別姓法案

岡田・民主党には多くの課題が突きつけられている。まず最初に行うべきは、政権交代可能な政党の原点に立ち返ることだ。それには未納問題をいつまでも政争の具に使うべきではない。国会議員の未納問題は、年金制度への信頼感を揺るがすものだったが、政治責任だけを追及して済む性格の問題ではない。制度的欠陥が顕著だからだ。
 もともと国会議員には議員年金(在職10年以上)が存在し、在職期間に応じて年400万円以上が支給される。そのため80年まで国会議員の国民年金加入を認めず、同年に任意加入を認めても議員年金に加えて国民年金に入るのは「二重取り」との批判が少なからず存在した。この時期の未加入(小泉首相や小
沢氏)を追及しても仕方がない。
 86年の年金改革で国会議員の加入を義務づけたが、大臣や政務次官(副大臣)に就任すると自動的に国家公務員共済(医療保険)に入り、これが共済年金と混同されて未納問題が生じた。これに対処できなかった制度的問題が多分にあり、この追及も非生産的である。
 岡田・民主党はこれらを政治問題化し、小沢氏の代表辞退をもって小泉首相と「刺し違える」としているが、説得力のない論法だ。これでは、かつての社会党の「牛歩戦術」を想起させる「何でも反対」党に成り下がってしまうだろう。
 昨年秋の総選挙で民主党が躍進したのは、政策提起型の政党を目指し、それが政権交代可能な政党として評価され、自民党と「二大政党」を形成してもよいと国民が判断したからだ。岡田新代表はこのことを忘れず、年金問題でも与党案への代案を提示し、国民にこれを問うという政策提起の原点に立ち返るべきだ。
 それができなければ、旧社会党の体質を引きずっているとの疑念を深めさせることになるだろう。
 たとえば、民主党が代表選の混乱に陥っている最中の十四日、民主党と共産党、社民党の三党が共同で選択的夫婦別姓制を導入する民法改正案を衆参両院に提出した。このことを民主党の議員はどれだけ知っているだろうか。はたして全議員の賛成のもとで党議決定を経て提出されたか、疑問が残る。
 夫婦別姓、具体的には選択的夫婦別姓制の導入については民主党は昨秋の総選挙のマニフェスト(政権公約)の中でうたっていない。公約に掲げていたのは公明党と社民党、共産党の三党だけである。このうち社民党と共産党は激減、とりわけ両党
の女性候補が次々と落選し影響力を低下させた。
 ところが、民主党内にはマニフェストにない選択的夫婦別姓制の導入を声高に叫ぶ議員が少なからず存在するのだ。新人女性議員の中には旧社会党ばりの左派イデオロギーの持ち主もおり、まるで議席を減らした社民、共産両党の肩代わりをするかのように、暗躍していると伝えられる。今回、選択的夫婦別姓制の導入を目指す民法改正案が提出されたのは、こうした議員の働きかけが強い。
 こうして見ると、民主党内には「何でも反対」の旧社会党の体質やマルクス主義の残滓が至るところに見受けられる。その典型例がジェンダーフリーの推進を掲げる議員の存在だ。もちろん民主党はジェンダーフリー政策を掲げていない。にもかかわらず、民主党の男女共同参画委員会は「男性・女性の固定的な役割分担を前提とせず」とのジェンダーフリー的色彩の強い男女共同参画社会政策の推進を目指している。とくに同党の支持基盤の日教組がジェンダーフリー教育を学校に持ち込もうとしており、そうした影響を色濃く受けている。

日教組が教育改革阻止図る

また民主党には教育基本法改正に反対している勢力が存在する。言うまでもなく日教組をはじめとする旧総評労組系の議員たちがそれである。このため教育基本法改正について党内の意見が一致せず、民主党はマニフェストで扱わず、曖昧な態度に終始してきた。
 6月の参院選では政治不信が強まっていることから、浮動票がつかみにくく、組織票がものを言うと指摘されている。とりわけ比例代表は組織票が大きな影響力を持つことになり、日教組をはじめとする旧総評労組の発言力が強まっている。
 こうしたマルクス主義の残滓とも言える勢力を民主党は清算する必要がある。それなくして政権交代政党としての国民の信頼は得られまい。岡田・民主党の最大課題である。

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