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File-37 クリントン政権と家庭のための施策

レーガン政権時の大統領令を骨抜きに

思想新聞2001年7月15日号 シリーズQ&A 共産主義は間違っている!!

フェミニズムの仮面を被ったマルクス主義 21

親が子の世話でペナルティ?

クリントン政権と家族政策

  Q   1994年、米連邦議会で「新保守革命」と呼ばれた改革があって、そこで家族的価値の重要性が再認識されたというのは聞いてますが、その後クリントン政権でどういう方向に向かって進んでいるのでしょうか。

  A   当時共和党のギングリッチ下院議長らが主唱した「米国との契約」10法案ですね。質問にあるのはこのうちの「家族強化法」と呼ばれるものです。まさにこれが「米国との契約」の支柱と呼べるもので、「家庭は米国社会の核心で、家庭を通じ責任・道徳・誓約・信仰などの価値観を守る」として「政府最優先の40年間の後、共和党は家庭を最優先する」という理念をもっていました。これが実際に法制化されるにあたってクリントン大統領率いる民主党と熾烈な論戦が展開されることになったのです。ギングリッチ議長は、「政府が親の背中に代わることはできない」として、高福祉政策を見直しました。それが104議会で、件のヘリテージ財団によるフェイガン報告では、クリントンが巻き返しを図った105議会では覆されたと次のように説明しています。

政 府

クリントン政権は、家庭の重要性を唱えてはいるが、やっていることはそれとは違っている。

家庭に関する大統領命令権廃止

 クリントン大統領は、米国の子供たちの置かれている現状を改善したい旨を繰り返し述べてきた。しかしながら、かつてレーガン大統領が家庭に関する大統領令を出し、これが過去10年にわたりワシントンの官僚から家庭を守ってきたのであるが、クリントン大統領はその大統領令をいつのまにか廃止してしまった。97年4月に出された大統領令「子供の環境破壊と危険からの保護」は、組織や政策によって家庭が不都合を強いられた場合、家庭を守ることを保障するそれまでの方針を骨抜きにしてしまっている。クリントン大統領は、それまでの方針を改善し強化するのではなく、こっそりと公約から外し、彼の下にいる官僚たちに、「結婚」「家庭」「家庭での子女教育」は響きはいいが、政策としてはよくないということを繰り返し述べ、意見を一致させている。

家庭よりも施設での世話の奨励

 正式な託児所には補助金を支給し、親が子供を世話することにはペナルティを課すという98年のクリントン大統領の提案は、合理性がなく、不公平なものである。クリントンの計画では、子供を世話するために他人を雇っている中流階級の親は、保育費に対する補助としての減税の対象となる。しかし一方で、親のどちらかが家に居て、子供の面倒を見るために経済的な犠牲を強いられている場合には減税の対象とはならない。これでは、自分の子供を養育しようとしている家庭が、より裕福な家族を養うために税金を課せられているようなものである。この計画は、親の手による保育を犠牲にし、代わりに、有料の他人保育を促進して補助金を出そうというものである。

養子保育の改善を軽視

 第105議会において、養子保育制度の改善がなされたが、非常に気がかりな法案がクリントン政権に引き継がれてしまった。それは今後5年間の「家族保全援助」の強化と“拡大家族ケア”(kinship care)を無条件に支持している法案である。これは、拡大した家族の一員として養子を受け入れることを促進するものである。この法案は必ずしも養子によって有益なものではないし、養子の養育費も平均30%増加する結果となる。議会で承認される前に、もう少し詳細に吟味されるべきであった。確かに拡大家族ケアは、多くの子供にとってはよいことかも知れないが、養育側の違いによっては、そうでない子供も出てくる。ずさんに選ばれた家庭に、養子が移らされることがあるべきではなかった。「家族保全援助」の資金の既得権を持つ官僚を保護する政策は、多くの子供たちを苦しめることになるだろう。
 この報告はあくまで共和党が民主党と選挙を闘う資料なわけですが、それを考慮に入れて考えても、クリントン政権が家族を重視したとは考えがたいと言えましょう。

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