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保守再結集で救国政権を

思想新聞1998年12月5日号 主張

 自民党と自由党とのいわゆる「自自連合」が小渕首相と小沢党首による合意によって成立したが、われわれはこれを歓迎したい。わが国は戦後最大の危機下にあり、この打開に政治の役割が一層高まっているからである。「自自連合」が理念・政策を一致させ、未来への道筋を国民の前に明確に示すことを期待したい。

理念・政策一致の連立に価値がある

 「自自連合」は、袋小路に入っていた日本の政治に一石を投じたことは間違いない。これまでの連立政権は細川連立政権が反自民、村山連立政権が自社さといった、いわば政策抜きの野合で、数合わせの連立の色彩が強かった。だが、今回の「自自連合」は安保などの基本政策がもともと一致しており、しかも小渕首相と小沢党首による合意は政策中心で行われた。このことが何よりも評価できよう。
 さる7月末に登場した小渕政権は、与党の責任が不明確で政治の存在感を一層薄めさせていた。これは参院で自民党が過半数割れを起こしたため、野党に法案づくりの主導権を握られ、誰が政治に責任を持っているのか曖昧だったからだ。それだけに政治の責任を明確にする「自自連合」成立の意義は大きい。
 これまで天敵のように嫌っていた小渕氏、なかんずく野中官房長官と小沢氏が「自自連合」に合意した背景は「国家的危機」への共通認識だったといわれている。両党首の合意書には「世界経済の先行き不安やアジアの経済の混迷を背景に、わが国経済の停滞や不況の深刻化は、戦後、最大の経済危機に至った。政治への不信、行政の肥大化、北東アジアの安全保障の不安など、緊急に解決しなければならない課題が山積している」と明記されている。
 これを保守再結集して、「大胆な構造改革」の断行によって解決していこうという両党首の決断は重要である。とりわけ、小沢党首が提示し小渕首相が基本的に受け入れた「政策提案」は日本の未来へのデザインが提示されており、国民も看過すべきではない。
 小沢提案はおおむね三つから成っている。第一は政治・行政改革で、国会の政府委員(官僚)制度の廃止や大臣・副大臣制の導入と閣僚の削減(3人減)など、自民党が進めている行革よりさらに一歩前進させた内容である。
 第二は安全保障で、従来の集団的自衛権の行使を認めず「国連軍参加は憲法や自衛隊法上許されない」とする政府統一見解を変更しようというもので、国連決議に基づいて国連軍に参加できるようにする内容である。
 そして第三は税制改革で、消費税の抜本的改革と所得税・住民税の十兆円規模の減税を求めている。

「新保守革命」で日本の未来開拓を

 まさに、「小さくて強い政府」づくりをめざす「新保守革命」といった色彩を帯びており、いずれも自民党に大胆な政策転換を迫るものばかりである。小沢氏は明らかに保守再結集による「救国内閣」を想定しているといえる。「自自連合」の合意書では「(小沢提案は)基本的方向で一致」との表現で玉虫色となっているものの、小渕首相が受け入れた意義は大きい。
 われわれは、小沢提案は整合性があると考える。自民党内には反対論が根強くあるが、内外情勢が危機的な現在、過去の経緯を清算して保守再結集による救国政権づくりに着手すべきではないだろうか。
 21世紀を目指して憲法・安保政策など抜本的改革を進める課題が目白押しである。そうした課題に大胆にとりくむ保守革命を停滞する日本の切り札にしなければなるまい。

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