この記事は2012年12月20日に投稿されました。
16日に投開票された衆院選で、自公両党はあわせて325議席を獲得して圧勝した。参議院で否決されても、衆議院で再可決が可能な3分の2を上回る議席を確保した。
衆院選を前に自民党は政権公約を発表し、集団的自衛権の行使など、安全保障体制の強化を打ち出した。中でも自衛隊の「防衛軍」への改称は民主党をはじめ多くの政党から反発され、マスコミにも一部批判的に取り上げられた。しかし安倍総裁は、その主張を変えることはなかった。
そして、この圧勝である。もちろん投票率の低さなどもあって、議席の獲得数ほど国民は自民党の公約に賛同していないという意見もあるが、やはり国民の意識の中に国防の必要性が着実に根付いてきたと言えるだろう。
近年の例を見てもわかる通り、衆院選で圧勝しても、その後に続く参院選で敗北すれば安定した政権運営を行うことは非常に難しい。いわゆる「ねじれ国会」だ。安倍政権には、経済再生をはじめとした多くの問題にリーダシップを発揮し、来年夏に行われる参院選でも勝利して安定した政権運営を担ってもらいたい。
外交は日米の信頼関係を基軸とせよ
安倍総裁が、初の外遊先に米国を指示したことは非常に評価できる。民主党政権は、鳩山元総理の「最低でも県外」発言に始まり、迷走を繰り返した結果、日米の信頼関係を完全に失ってしまった。
日本の安全保障は、言うまでもなく米国との同盟関係の上に成り立っている。同盟関係の根底にあるのは、あくまでも両国間の信頼関係だ。「日米は同盟関係にあり、基地も提供しているのだから、信頼が損なわれても米国は日本を守るべきだ」という安易な論理は国際社会においては通用しない。日本国民は、継続する中国の恫喝的な態度を見て、このことを痛いほど理解したのではないだろうか。
信頼関係の損なわれた、紙切れ同然の同盟関係では有事の際には何の役にも立たない。だから、抑止力にもならないのである。
民主党政権は、中国との関係を米国抜きで、二国間のみでつくりあげようとした。その結果、日本の抑止力や影響力は大きく低下した。これが、今の中国の恫喝的外交を生み出したと言ってもいい。
日本が中国や韓国との正常な関係を築くためには、まず日本と米国との間に深い信頼関係が築かれているということを示す必要があるのだ。
中国との決戦に備えよ
中国による恫喝的な行動はますます勢いを増している。
中国の公船が領海侵犯を繰り返し、13日には中国国家海洋局所属のプロペラ機が初めて領空侵犯した。翌日に楊潔篪(ようけつち)中国外相は、人民日報への寄稿の中で、「断固として日本との闘争を行う」と明言した。これほどの激しい言葉が外相によって使われるのは、おそらく戦後初めてのことだろう。
習近平総書記は、12月に入り、陸軍と空軍に対して「軍事闘争の準備を進めよう」と指示した。また、習氏が掲げる「民族復興」のスローガンの真意は、「強国強兵」であることを強調した。中国の国内事情によっては、いよいよ日本との決戦が始まる可能性も十分に考えられる。
自民党内では、安全保障体制の強化に関しても、まだ十分に意見を集約しきれているわけではない。その一例が緊急事態基本法の制定だ。石破幹事長は、自民党の総裁選でこれを自身の公約とした。しかし今回の衆院選では、「自民党内でまだ議論が深められていない」として、公約とすることは見送られた。
安倍政権が取り組むべきことは多い。しかし中国による脅威はすでに目の前にまで来ており、まさしく「待ったなし」の状況だ。自民党内で安全保障に関する意見を一日も早く集約し、中国との決戦に備えるべきだ。
2012年12月20日


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