思想新聞2002年5月1日【緊急拉致集会】
被害者救出へ追い風を確認
「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」(佐藤勝巳会長、「救う会」と略)はさる4月5日、東京・港区芝の友愛会館において「北朝鮮に拉致された日本人を救うための緊急集会」を開催した。
これは3月11日の警察庁発表で、1983年に英国留学中だった有本恵子さん(当時23)が失踪した事件は、日航機「よど号」ハイジャック犯による北朝鮮への「拉致」と断定したことをうけて「救う会」により緊急に開かれたもので、参加者は百人を数えた。
初めに、北朝鮮に拉致されたと見られる横田めぐみさんの両親が3月19日に有本さんの両親らと共に小泉首相に面会した内容を報告した。
続いて佐藤勝巳会長が講演し、朝銀破綻問題と朝総連から北朝鮮の金正日政権へのカネの流れと関係について子細に言及、「朝銀破綻の尻拭いに日本の税金1兆円を投入させるという事態に朝総連=北朝鮮は日本をナメきっているが、それを許す日本はもっと悪い」と断じた。
また、外務省当局の北朝鮮「拉致」問題についての対応を「日朝国交樹立が最優先で拉致などはどうでもいいと考えている」と強烈に批判、「小泉政権になって朝総連本部の強制捜査が可能になった。もっと言えば安倍晋三官房副長官の存在が大きい」と強調した。
19日の小泉首相との会談については、「拉致被害者である蓮池さんの家族が『あなたの息子が20数年も行方知れずだったらどうしますか』という質問に、首相はうなずくばかりで、終始絶句していた。よほどの衝撃だったのだろう」と解説。
最後に「拉致問題の解決なくして国交樹立は困難と判断することになった。楽観は許されないものの、米ブッシュ政権の対テロに対する強硬な姿勢による外交が追い風となっている」とまとめた。
続いて荒木事務局長が「救う会」の活動状況と拉致問題の経過を報告。
次に、平沢勝栄衆議院議員が駆けつけ、「国民の生命と安全を守るのが政府の役目を考えると、拉致問題は最大の問題。中西輝政京大教授も指摘したが『弱腰外交』の最大の問題は北朝鮮と癒着の関係にある政治家・官僚だ」と強調し、「昨年、金正男が来日した際すぐ帰すす必要がなかった。政府は未だに本人と認めていないが、高官がお供のファーストクラスで中国経由で帰ったから明らかに本人。無為無策で帰還させるのは馬鹿げた対応」と政府を批判しつつ、「中山正暉議員が会長をやめた北朝鮮拉致疑惑日本人救援議員連盟(拉致議連)とは別に新たに超党派で『北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟』(石破茂会長=25日発足)を立ち上げる」と力強く挨拶した。
最後に、西岡力・東京基督教大学教授(「救う会」関東協議会会長)が訪韓報告し、韓国における拉致問題の取り組みについて詳細に語った。この後、質疑応答を持って緊急集会は閉幕した。
なお、この集会を受けた12日には、国会内で新拉致議連立ち上げのための準備人会が開かれた。事務局長に就任した平沢議員が、「有本さんへのインタビューがなされ『拉致はない』と発言するかも知れないが、北朝鮮の策略であることを知るべきだ」、とクギをさしている。


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