国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 最新の主張はこちらから

3段階革命論の「暫定政権」構想

思想新聞1998年9月5日号

「躍進・共産党」の正体 Part 【4】

狙いは政権参加に 国民欺く安保凍結策

 共産党のいわゆる柔軟路線がマスコミなどで取り沙汰されている。同党はさきの総理指名選挙では第一回投票から他党党首(菅直人民主党党首)に投票、臨時国会では自由党との共闘を重視、さらに「安保破棄」を凍結する暫定政権構想も発表した。しかしこれをもって柔軟路線に転じたといえるだろうか。現に、共産党は日本革命を堅持する党綱領を保持している。はたして柔軟路線とは何なのか、その正体をさぐってみよう。

 さる8月24日の共産党常任幹部会で、同党は野党の政権構想に臨む方針を協議、暫定政権に参加する際には「日米安保条約破棄」を凍結することを決めた。安保破棄は共産党のいわば党是である。暫定政権ではその党是を引っ込めてもいいというわけで、いかに共産党が政権に座にありつきたいか、その意思が伝わっている。

 不破委員長によるとこの暫定政権構想は、共産党の当面の政権構想「民主連合政権」の前段階にあたるという。この政権は「国民の圧倒的多数が望む課題を実現する」ための「よりましな暫定政権」という位置づけで、同政権下で共産党は「安保条約にかかわる問題は凍結する」というのである。
 安保凍結の具体策は【1】現在の安保条約・法律の範囲内で対応する【2】現状からの改悪は行わない【3】政権として破棄を目指す措置はとらないーとしている。

「日本革命」は共産党では不変

 共産党の暫定政権構想の狙いは、ずばり政権参加である。次期総選挙で自民党が過半数割れした場合でも、野党のうち単独過半数を占める政党が存在せず、そこで連立政権づくりが視野に入ってくるが、その際、共産党は、非自民の連立政権樹立をめざす。こうした情勢が生まれたとき、共産党の政権参加の最大のネックになってくるのが安保破棄政策である。そこで、共産党ははじめからこのネックを外しておき、政権参加の道を開いておこう、というのが不破委員長の暫定政権構想といえよう。
 共産党は昭和36年に宮本前名誉議長のもとで作成した「日本共産党綱領」にのっとって、日本革命をめざしている。それは「二段階革命論」と呼ばれる路線である。
 つまり、第一段階は日米安保破棄や自衛隊解消、大企業反対を求める「民主」勢力によって「民主連合政権」を樹立する。これを共産党は民主主義革命と位置付けている。第二段階はこの「民主連合政権」を基盤に社会主義政策を遂行する「社会主義政権」を樹立する。これが社会主義革命である。この「社会主義政権」は共産党独裁政権であり、いわゆるプロレタリアート独裁。同政権下で共産主義社会の実現をめざす、というのが「二段階革命論」である。

ZANTEI.gif (31735 バイト)

二段から三段へと徐々に進行させる

 今回の暫定政権構想は、「民主連合政権」に至る前にもう一つの連合政権をつくろうというもので、その意味では現実路線と呼べよう。だが、それはあくまでも図にあるように、社会主義政権樹立をめざして二段階から三段階に、階段の高さを緩やかにするだけにすぎない。つまり、行き着く先は同じなのだ。
 だから、朝日新聞も次のように指摘している。
 「柔軟路線を突き進む不破氏や志位氏は最近、『革命』の二文字をほとんど口にしなくなった。しかし、共産党が『革命』『共産主義』への展望を捨てたわけでは毛頭もないのである」(『アエラ』8月31日付)。
 共産党が革命、共産主義を放棄していない、というのが朝日新聞の認識なのである。

新ガイドラインには頑固に反対

 だから、暫定政権での安保破棄凍結政策も疑わしい。事実、新ガイドラインにもとづく周辺事態法案などは「問題の性質上、暫定政権で既成事実扱いするわけにはいかない」(不破委員長)として、共産党は一貫して妥協しない方針である。
 このような共産党の考え方は、安保反対の条件闘争に転じただけのことであると判断できよう。暫定政権は共産党によれば「よりましな暫定政権」ということだが、よりましな、の意味は革命をめざしやすい、ということにすぎないわけだ。

日本共産党綱領

1961年7月27日決定
1994年7月23日一部改定

 当面する党の中心任務は、アメリカ帝国主義と日本独占資本を中心とする反動勢力の戦争政策、民族的抑圧、軍国主義と帝国主義の復活、政治的反動、搾取と収奪に反対し、独立、民主主義、平和、中立、生活向上のためのすべての人民の要求と闘争を発展させることである。そしてそのたたかいのなかで、アメリカ帝国主義と日本独占資本の支配に反対する強力で広大な人民の統一戦線、すなわち民族民主統一戦線をつくり、その基礎のうえに、独立・民主・平和・非同盟中立・生活向上の日本をきずく人民の政府、人民の民主主義権力を確立することである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました