国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1898号 (令和8年5月1日)

有事に自治体協力は当然 日本の安全保障を脅かす非協力論

思想新聞 1999年4月5日号 主張

 新しい日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)の関連法案の審議が、衆院ガイドライン特別委で本格化している。そうした中で、共産党は同法案を「戦争法案」と決めつけ、とくに同法案による自治体協力を拒否するよう主張している。これは地方自治体を「革命の砦」にしようとする思惑からのものであり、統一地方選挙の重要な争点として看過できない。

 安全保障面で日本が丸裸の状態にあることは、さきに領海侵犯した北朝鮮工作船をみすみす取り逃がした事件で白日のもとにさらされた。そこで周辺事態法案など新ガイドライン関連法案のみならず、日本の平和と安全を守るうえで適正な法改正が焦眉の急となっている。
 そうした中でとりわけ重要になっているのは、地方自治体の協力体制づくりだ。日本海沿岸に来た工作船の場合、もしスパイ工作員が上陸もしくは要員を引き揚げさせていれば、当然、富山県か新潟県の県域から行っていたことになる。全国土はいずれかの地方自治体に属しており、したがって法整備を行う国に対して自治体が協力体制を敷かなければ、日本の安全保障はおぼつかなくなる。
 ところが共産党は「政府に地方自治を蹂躙する権限はない」などとして、周辺事態法案に反対するばかりか、法案が成立したとしても自治体協力を拒否しようとの動きに出ている。
 さきに高知県の橋本大二郎知事が非核港湾条例の制定によって米艦戦の入港を事実上阻止しようと試みたが、これも共産党の自治体協力拒否論と同調するものとして批判されよう。
 しかも、地方の自民党の中にも自治体協力に否定的意見を有する人々がおり、静岡県議会はさる3月10日、自民党議員も加わって「一方的に地方公共団体の役割が定められるのは容認できない」とする意見書を採択している。保守陣営にまで安全保障への理解不足が広がっていることは、憂慮すべき事態と言わざるを得ないであろう。
 そもそも、地方自治体は日本国の法律の外に存在する独立国家ではあり得ない。地方自治体は、日本国の法律によって構成され、かつ必要な国の法律の執行が法によって義務付けられている公共団体である。このことは「(地方公共団体の組織などは)法律でこれを定める」と憲法第92条にうたわれ、地方自治法第148条にも明記されているところである。
 憲法前文は、冒頭で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と述べており、「国権の最高機関」(第41条)である国会が決めた法律にしたがって、地方自治体も国民も行動すべきことは論を待たない。

 「革命の砦」ねらう共産党の非協力運動

 にもかかわらず、共産党は国の法律にもとづく協力を拒否せよと強弁する。これは違憲行為のみならず、住民の安全と福利を追求する「地方自治の本旨」をも侵犯する暴論と言うしかない。
 このような背景を考慮すれば、周辺事態法案は本来、地方自治体の協力を義務化すべきであった。ところが、同法案は地方自治体の長に対して「その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」(同9条)としか表現しておらず、非協力の際の罰則規定を設けていない。
 このような政府の及び腰を逆手にとって、共産党は「革命の砦」論に則って非協力運動を進めようと企てているのである。
 統一地方選挙はこうした共産党の動きを封じ込める機会と心得ておきたい。

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