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中共の民主化弾圧に沈黙

思想新聞1998年1月15日号

「躍進・共産党」の正体 8

プロレタリア独裁は必然

暫定政権構想の欺瞞に注意

 中国当局は昨年12月、複数政党制を主張していた民主活動家3人を「国家転覆の罪」で懲役刑に処した。「表現の自由」を憲法でうたいながらも一方的に弾圧するやり方に、共産主義独裁体制が改めて浮き彫りになった。今回の民主化弾圧に沈黙する日本共産党も、政権奪取後、プロレタリアート独裁の革命をめざすのではないだろうか。

今回中国当局によって懲役刑を言い渡されたのは、「中国民主党」の結成に関わった徐文立氏(懲役13年)、王有才氏(同11年)、秦永敏氏(同12年)の3人。
 主な判決理由は、「国外の敵対組織と接触し資金援助を得た」というもの。中国当局は、米国などからの人権侵害の批判にも「司法活動の範囲。国際人権規約とは矛盾しない」と反論している。
憲法では「表現の自由」を保障しながら、民主化を弾圧する手口は、共産党独裁を阻むものを認めない無謬論に他ならない。 

「開かれた裁判」を強調する赤旗記事

 こうした中共の民主化弾圧について、日本共産党は「しんぶん赤旗」紙上で事実関係に触れただけで、事実上沈黙。昨年夏、32年ぶりに両党は首脳会談を行ったが、人権問題に関し不破哲三委員長は「言論による体制批判を禁止せず、言論で対応する政治制度を展望することが重要」と述べたが、今回はこうした言葉もない。
 短い記事のなかで、同党がいかに中国寄りかを示すのか、裁判の模様について。98年12月22日付では「いずれの法院でも法廷は公開でおこなわれ、市民や被告人の家族の傍聴が許されたといいます」とある。これに対し、産経新聞同日付の「当局側は早朝から裁判所500メートルほどの範囲を立入禁止とし、外国報道陣などの傍聴を禁止した。徐氏側では当局が選んだ弁護士のほか徐氏の夫人の入廷が許されただけで、事実上の秘密裁判となった」とする記事とは対照的だ。

『査問』が伝える共産国家の恐怖

 中国は昨年末、故鄧小平が唱えた改革・開放路線から20年を迎えた。しかし4つの基本原則、すなわち、社会主義、共産党指導、人民民主主義独裁(プロレタリア独裁から改変)、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想の継承――はなおも堅持している。したがって、これらを阻む思想・行動に弾圧を加えるのは必然だ。
 こう見ると、日本共産党が民主化弾圧に沈黙するのも、同党がめざす社会主義革命後の政権が独裁体制であるからではないか。
 ここに、昨年刊行された『査問』のなかの、元党幹部、川上徹氏のことばを引用してみる。
「もし、日本がソ連・東欧型の社会主義国になっていたとしたら、間違いなく自分は銃殺刑に処せられていただろうと思った」
 これは72年、同氏ら数人が分派行動をしたとする「親日和見主義」グループと断じられ、2週間にわたり身柄拘束され東京・代々木の党本部の一室で「調査審議」されたときの述懐である。
 また、現在絶版となっている「共産主義読本」(67年版)では「資本主義社会での資本家階級の支配と抑圧はブルジョアジーの国家権力によって維持されているのですから、この国家権力をうちたおし、ブルジョアジーの抵抗と反革命の策動を粉砕することなしには、社会主義を実現することはできません」とうたっている。
 このように、共産党が政権を獲得すれば、自らを支配階級として組織した上で行うプロレタリアートの革命的独裁体制が出現する。基本的人権を踏み躙り、人間の生命・自由・財産を奪う体制こそ「マルクス学説の本質」(レーニン)なのだ。
 これについて同党発刊の「月刊学習」(71年12月号)は「プロレタリアートの独裁とは…、プロレタリアートによって行使される、なにものにも制限されない国家権力のことであります」「『プロレタリアート独裁』には、反革命勢力にたいして暴力を行使するという強制的側面…があります」と展開。

用語変更で国民を欺く

 現在は中国と同様に、日本共産党綱領にあった「プロレタリアート独裁」を「プロレタリアートの執権」に変え(73年・第12回党大会)、さらに「労働者階級の権力」に改めた(76年・第13回臨時党大会)。しかしこれは、「独裁は直接に暴力に立脚」(レーニン)するという、プロレタリア独裁論を払拭せんがための「用語変更」にすぎない。まさに得手勝手な欺瞞戦術にほかならない。
 以上から、共産主義のドグマがもつ暴力革命の本質を、絶対に見落としてはならないのである。

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