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気概なき「左翼NGO」と 節度示す「朝日」の好対照

【思想新聞2004年4月15日号】 マスコミ論壇ウオッチング

今回のイラクでの邦人人質事件は、結果的に現在のわが国の社会状況や、人々の精神状況を見事に浮き彫りにすることになった。
  まず、今回の事件で皮肉なのは、自衛隊派遣反対という信条をもって劣化ウラン弾について調査していた18歳のフリーライターや、ストリートチルドレンの世話をしていた女性といった人たちが、犯人たちの自衛隊撤退の主張実現のために自らの生命を危険にさらさなければならなかったということである。
  また日頃「非政府機関」であることを売り物に、政府の政策に反するような活動を行ってきた、いわゆる「左翼NGO」というべき組織が、まさにその活動の途上、生命の危険にさらされるや政府に助けを求め、政府に対し、その政策を変えてでも「国民を守るべきだ」と居丈高に主張する姿を見るにつけ、彼らには「意地でも国の助けにはならない」など「NGO魂」とも言える誇りや矜持のかけらもないのかと情けなくなった。
  ただ今回は、これら「左翼NGO」のサポーター、PTAともいうべき「朝日新聞」が早々に4月10日朝刊で、「脅迫では撤退できぬ」という社説を掲げ、「本紙はイラク戦争に反対し、自衛隊の派遣にも反対してきたが、人質を盾に他国の国民や政府を脅すやり方は、どうしても認めるわけにはいかない。脅迫を受け入れての撤退には応じることができない」との主張を展開した。
  この主張は、「脅迫による撤退ではなく、イラクの現状から遠からず撤退も考えるべきだ」という民主党の見解とほぼ同じだが、少なくとも未だにわが国の左翼勢力に隠然たる力をもつ「朝日」が、テロリストの要求に応じ、「人質の人命を最優先し、即座に自衛隊は撤退すべき」と主張しなかったことで、即時自衛隊撤退を主張するグループが社民党・日本共産党とその支配下にある「市民団体」に限定されたことで、今回の事件のみならず、今後のテロとの戦いにおいて国民の間に最低限のコンセンサスを形成することになることを期待したい。

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