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国際世論に歩調合わせつつ報復攻撃を牽制する「朝日」

【思想新聞2001年9月15日号】マスコミ論壇ウォッチング

 米ソ両大国間の冷戦が終結した後、世界的にみて大規模の紛争の危機は減少し、それに代わって「低烈度紛争」と呼ばれる通常戦争とは異なった形態の紛争が新たな脅威になるといわれてきた。英語で「ロー・インテンシブ・コンフリクト」といい、「LIC(リック)」という略称で呼ばれる「低烈度紛争」の典型は、テロリズムという形態をとると考えられてきた。
 今回、米国で起きた世界貿易センタービルと国防総省を標的としたテロリストによる攻撃は、「LIC」の中でも「低烈度」と呼ぶには余りに激しい攻撃であったが、今回の攻撃は、どのような理由が背後にあっても正当化されないことは、G7諸国の首脳の中で、必ずしもブッシュ大統領の外交政策に同意していないフランスのシラク大統領やドイツのシュレーダー首相、さらにはミサイル防衛問題では厳しく対立しているロシアのプーチン大統領に至るまで、ブッシュ大統領とアメリカ国民への連帯を表明するとともに、テロリズムに対しては異口同音に厳しい口調で指弾している。
 小泉首相は、半日遅れてテロリズムへの指弾と米国への連帯を表明したが、わが国のメディア、特に今回の事件に対する各紙の論説は、『読売』の「絶対に許せない犯罪行為だ」、『日経』の「世界を震撼させる許しがたいテロ」というように国際世論と歩調を合わせた主張となっている。
『朝日』でさえも「これは世界への挑戦だ」との社説を掲げて、「これは、単なる対米テロを超えている。世界への、いや、近代文明が築き上げてきた成果への挑戦である」と述べている。
 しかし、同紙は社説の結論部分では、「軍事的報復はさらなる報復を呼び、事態を悪化させる危険がある」として、「テロ行為は許さないという立場は共有するが、悪くすれば関係国と全面的な戦争に発展する可能性もある。そうした点に配慮しつつ慎重な対応を求めたい」と結んでいる。やはり、『朝日』の面目躍如といったところだ。

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