人間を守る大事業の最後の拠点は家庭に
思想新聞2000年11月1日号 シリーズQ&A 共産主義は間違っている!!
フェミニズムの仮面を被ったマルクス主義 5
家政なき家庭の崩壊は必至
男女同権はある意味当然だが…
Q
フェミニズムの攻撃の矛先が専業主婦に向けられているのは分かりました。でも、林道義東京女子大教授の話など、あまり専業主婦礼賛論になってしまうのもどうかと思いますが…。
A
誤解のないよう断っておきますと、いわゆる共働きの家庭はけしからんとか、女性は仕事をするな、と言っているわけでは毛頭ありません。
仕事も同等に評価されてしかるべきですし、家庭の中で妻は、家父長である夫にただ従えばよいなどというつもりもありません。保育所の設置も少ないよりは多いにこしたことはありません。家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)など社会問題化していますが、これはもちろん正当化できるものではありません。ですから、フェミニズムはすべて「悪」と決めつけることはできないのです。ただ、そうしたハードウェア(器、制度)をいくら整えたとしても、ソフトウェア(人間精神の内面、規範や道徳)を蔑ろにする、あるいは顧みないようでは、根本的な解決にはなりえません。
何からの解放(リブ)なのか

それを知らしめてくれる一文があります。
文筆家の犬養道子氏が四半世紀も前に、安直な女性解放(ウーマン・リブ)運動に疑問を呈したエッセイ集『男対女』(中央公論社)で、次のように述べています。ちょっと長いですが引用してみます。
「実際、リブ・リブと唱える多くの女性たちは、『何からの解放(リブ)』で、そのリブを支える金はいったい誰が出すものなのか、そんなことは大して考えていないのである。
家事からの解放か。
しかし家庭という人間社会の最根源の単位(ユニット)を守り育み栄えさせてゆく上の仕事は、むしろ家政であって家事はその家政の中の一事にすぎぬ。
家政なき家庭は必ず崩壊する。しかもベルリン大学未来学研究室のロベルト・ユンク博士が指摘するように、このメカニズム一点ばりの『狂』の字すらあてはめ得る超巨大非人間的現代とそれに続く近い未来において、『人間』を守る大事業の、最後の拠点は『家庭でしかない』のである。
家事を出来るだけ合理化する、ということと、家政まで家庭までほうり投げるということとは、全く別の問題なのである。家事からのリブは、家政からのリブではない。妻や母が家庭経済を助けるべくまた、己れを開花させるべく職を持つということは、『家政からのリブ』を意味しはしないのであって、もし『家政からのリブ』までリブ論者が考えているとすなら、それは『女性解放』ではなくて、『人間社会破壊論』なのである」
夫婦別姓論に潜む家族解体思想
現在ではもちろん、「家政」という言葉を一般的に用いることはまれではありますが、犬養さんの文章は、内容としては今なお色あせることのない正論だと言えるでしょう。
さらに補足するならば、林教授が奮闘している最近のフェミニズムは、見方によっては、犬養さんの時代からは想像もつかぬところまできていると言えるかもしれません。というのも、家庭そのものを解体する、一歩間違えば、婚姻・結婚制度を雲散霧消させるような危険な状態に陥りつつあるからです。男女共同参画審議会の答申に見られるように、夫婦別姓制導入(夫婦同氏制見直し)や民法「改悪」論が堂々と言われるようになりました。


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