国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 最新の主張はこちらから

「大企業悪論」で日本経済が破綻

思想新聞1998年11月5日号

「躍進・共産党」の正体 Part【6】

不況に拍車、財政難に

日米関係悪化し貿易失速 日本経済が破綻

 先の参院選で、共産党は「日本共産党が伸びれば日本はよくなる」として、独自の公約を掲げた。それから三ヶ月、同党は「暫定政権構想」を打ち出し、公約実現に意欲的である。だが、果たして共産党の政策を実現すれば、日本はよくなるのだろうか。たとえば、経済・財政政策でみれば防衛費と公共事業の大削減を主張し、また大企業に対しては法人税の大幅アップの断行を唱えている。では、その政策を実現すればどうなるのか。

 共産党が公約で掲げる経済・財政政策は、次のように要約できるだろう。
「消費税を増税せず、逆に3%に下げて、なおかつ国の借金を減らす(財政再建10カ年計画)。それを実現するために、ゼネコン浪費型の公共事業のムダ(年間4兆円)を削り、防衛費も大削減し、そして大企業優遇の不公平税制を改める」
 共産党の財政政策で、まず矢面に立たされているのがゼネコン(総合建設企業)である。たしかに浪費の多い公共事業は困りものだが、はたしてゼネコンだけを悪玉に年間4兆円も公共事業費を削減して、日本経済は大丈夫なのだろうか。
 共産党はゼネコンなどの大企業と中小建設業者を、まるでまったく別物であるかのように、あえて峻別する。たとえば岡山や香川で進められている本四架橋は地元の大工には仕事はいかない、また東京都の臨海開発では90%以上がゼネコンの仕事にすぎず、中小業者とは無縁であるとして、大型プロジェクトを排撃するといった具合である。

中小建設業者が最初に倒産する

 臨海開発型の大型プロジェクトは、洗い直さなくてはならない点が多々あることは事実である。だが短絡的に「ゼネコンはすべて悪」と決めつける共産党の論理は、はたして正しいといえるか。
 建設業界の構図はゼネコンを筆頭に、中企業への子請け、小企業への孫請けといったピラミッド型になっていることはよく知られている。当然、ゼネコンへの仕事は建設業界全体に回る仕掛けとなっている。
 むろん、こうしたピラミッド型には問題があり、いわゆる飛ばしなどのムダも多く、改良しなければならない課題は少なくない。しかし、一方的にゼネコンを糾弾し公共事業のうち年額4兆円もばっさり削れば、そのしわ寄せをまず受け、切られていくのは中小企業ではないのだろうか。これでは、連鎖倒産で失業者が街に溢れることは必至といえる。

日米関係が悪化で逆効果の防衛削減

 防衛費を大削減すれば、たしかに財源は浮く。共産党は暫定政権で日米安保条約破棄を棚上げしても、在日米軍関連予算に的を絞り、さしづめ思いやり予算(在日米軍駐留経費=約2,500億円)は全廃、日米協力関係の事実上の凍結をめざす。
 そのうえで自衛隊の訓練費や装備品購入費をばっさり削り、さらに人員削減といった筋書きで自衛隊の縮小を図る。
 だが、思いやり予算全廃はたちどころに米国の反発を買い日米関係を悪化させ、日米貿易に跳ね返ってくることは必至である。財政縮小よりも、それ以上の経済的マイナス効果が計り知れないのである。防衛費削減を財政再建の財源にする案は、論外としか言えない。

法人増税で企業は国際競争力を喪失

 また、大企業優遇の不公平税制を改めるというが、それでなくても日本の法人税は世界に比べて高すぎるのである。むしろ法人税率を国際基準に下げて、技術開発や国際競争力をつけ、また外資が日本に投資しやすい環境をつくろうというのが常識的な論議となっている。
 にもかかわらず、法人税をこれ以上増やせば、日本の企業の低迷はさらに続き、外国企業も日本から逃げていく。増税は一時的には税収は増えても企業の活力を殺ぎ、ついには企業倒産を招いて入るべき税すら入ってこなくなる。倒産は失業率の向上に直結するわけで、これでは財政再建どころか国も国民も破綻してしまう。

ソ連型「失業なき社会」解雇規制法

 一方、企業は戦後最大の不況の中で生き残りをかけて、ムダをはぶきリストラに必死の努力を傾けていることは、周知の通りである。ところが、共産党はこれに逆行するかのように「解雇規制法」をつくってリストラさせないと主張しているのである。
 この規制法は立て前を「雇用を守るルールを確立する」としており、聞こえはよい。むろん、道理にかなわない一方的な解雇は問題で、労働諸法にもとづく必要があるのは言うまでもない。

だが、共産党の「規制法」では企業はリストラの足を引っ張られ、生き残りが可能な社員も巻き込んで倒産してしまいかねないのだ。
 旧ソ連が国家全体に解雇がなく「失業者のいない国」と自慢していたが、国もろとも倒産したことは記憶に新しいところである。共産党の「規制法」は、これとウリふたつとは言えないか。
 共産党が「民間企業悪論」に固執するかぎり、いくら耳ざわりのよい政策を掲げても、日本の不況克服策にはつながらないのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました