思想新聞 平成8年(1996年)12月5日号
Q–共産党は二階段で共産政権をつくる、その第一段階が民主主義革命と呼んでいるということですが、いったいどんな革命なのですか。
A–簡単にいえば民主連合政権をつくることをそう呼んでいると言ってよいでしょう。社会主義革命は社会主義政権をつくるためのもの、民主主義革命は民主連合政権をつくるためのもの、こう考えればよいわけです。そして重要なことは民主連合政権は、あくまで現在の議会制度の中で選挙を通じての実現を目指します。これに対して、社会主義政権は必ずしも選挙で実現しない、つまり暴力革命もありえる社会主義革命で実現すると考えているのです。
Q–まさに羊頭狗肉ですね。しかし、民主連合政権は現行制度の議会と選挙で実現するとなると、民主主義の政党と変わりませんね。いったい、どんな政権を目指すのですか。
A–そう、民主連合政権の中身が問題ですね。これについて共産党の基本方針を書き記した党綱領は、実にむずかしく次のように述べています。「当面する党の中心任務は、アメリカ帝国主義と日本独占資本を中心とする反動勢力の戦争政策、民族的抑圧、軍国主義と帝国主義の復活、政治的反動、搾取と収奪に反対し……すべての人民の要求と闘争を発展させることである。そしてそのたたかいのなかで、アメリカ帝国主義と日本独占資本の支配に反対する強力で広大な人民の統一戦線、すなわち民族民主統一戦線をつくり、その基礎のうえに、……人民の政府、人民の民主主義権力を確立することである」
Q–ちょ、ちょっと待ってください。なにがなんだがさっぱりわかりません。まるで過激派のアジ文じゃないですか。
A–過激派はではなく、共産党ですよ。それも最近のものなのです。94年7月に開かれた共産党第20回大会で採択された日本共産党綱領なのですから。
Q–で、民主連合政権ってどんな政権なのですか。
A–この綱領では独特の共産主義用語で威勢よく書かれていますが、要するにアメリカ帝国主義と日本独占資本に反対するということです。すでにこの連載(4)で紹介しましたが、「革新三目標」を思い出してもらいたいのです。第一は日米安保条約反対、第二は大企業反対、そして第三は民主主義擁護の三つで意見が一致するなら、いっしょに政権をつくりましょう、というのが共産党の民主連合政権構想です。このうち、一番わかりやすいのは日米安保反対ですね。あとの大企業反対も民主主義擁護も具体的にどういう政策なのかはなかなか見えにくい。
Q–たしかに日米安保反対はわかりやすいですね。安保条約を止めるときは1年前に通告すればよいと条約にあるわけですから、それを行う政権をつくればよいわけですね。でも、この主張に同調する政党がありますか。
A–今は共産党以外にいません。社会党、いや社民党も民主党も、もちろん新進党も安保条約維持の立場ですから、革新三原則は説得力がありません。しかし、一貫して反米政権の樹立を目指すのが、民主連合政権です。


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