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中国経済の混乱は何をもたらすのか

この記事は2012年2月23日に投稿されました。

中国国家統計局は2月9日、今年1月の消費者物価指数の上昇率(インフレ率)が前年同月比4.5%だったと発表した。中国のインフレ率は2011年12月まで5カ月連続で鈍化していたが、1月に関しては4.1%程度とみていた市場予想を大幅に上回ったことになる。
 しかしこの数字もどこまでが本当の数字かはわからない。一説には、中国の本当のインフレ率は10%を超えているという話もある。
 中国のインフレの要因には、短期的・一過性のものと長期的・構造的なものの両方がある。一過性の要因とは、たとえば1月には中国の旧正月が重なったことであるとか、イラン情勢の悪化により原油高が高騰したことなどがあげられる。
 しかし中国経済が深刻なのは、こうした一過性の問題ではなく、長期的・構造的な問題が非常に大きいことにある。ここで、中国のインフレの長期的・構造的な要因について3つあげてみることにしよう。

中国インフレの構造的要因

一つ目の要因は、中国国内において需要が増大していることだ。中国は近年大きな経済成長を遂げてきたが、これは非常に安価な労働力によってもたらされた部分が大きい。しかし中国の経済成長は、人々の生活水準を引き上げることにもなった。もし中国の13億の人口が先進国並みの生活をするようになったらどうなるだろうか。当然、食料やエネルギーは世界的に不足することになるだろう。さらに中国国内では、共産党幹部が農民の土地を不法に取り上げて売買するという不法ビジネスが横行したために、耕作面積が激減した。こうして、食糧やエネルギーの価格は構造的に上昇の一途をたどることになったのである。
 二つ目の要因は、欧米からの投資が増加したことにある。リーマンショック以降、欧米諸国は金利を引き下げることによって景気を回復させようとした。金利が安くなれば投資がしやすくなり、大量のマネーが市場に出回ることになる。そしてこのマネーは、中国にも大量に流れることになった。物価が安くて人口が多い中国は、投資の際には非常に大きな魅力なのである。
 そして三つ目の要因は、中国政府自身が貨幣を乱発してきたことにある。中国の実体経済は、31年間で92倍になったが、通貨の量は702倍にもなった。こうして中国の国内外から資金が一斉に流れこみ、不動産を中心に実体経済とかけ離れた価格の上昇、すなわちインフレが起こったのである。
 インフレが起これば特に打撃を受けるのが貧困層だ。この貧困層の不満が爆発すれば、当然社会は不安定になる。中国で1989年に天安門事件が起こったのも、中東諸国でジャスミン革命がおこったのも、その直接の要因はインフレにあったのである。
 インフレを抑えるためには、単純に考えれば金融の引き締めを行えばよい。銀行が貸し出しを渋るようになれば、お金は市場に流れなくなる。そうすれば高い不動産を買うこともできなくなるし、投資は全般的に抑えられることになる。
 実際中国では、昨年こうした金融の引き締めが何度も行われた。その結果、多くの中小企業で資金繰りができなくなり、倒産が相次いだ。社長が自殺し、給与の不払いが発生し、失業者があふれるようになった。
 さらに中国では、世界的な不況の影響も受けている。中国経済は輸出に依存する割合が極端に高いから、欧州債務危機は中国に深刻な影響をもたらした。この経済不況を乗り越えるためには金融緩和が必要になるが、しかしそれはインフレを再燃させることになってしまう。
 つまり中国では、金融緩和をすればインフレによって社会が不安定になり、金融引き締めを行えば不況によって社会が不安定になる。実体のない経済を無理やり社会主義で引っ張ってきた中国は、ここにきて大きな限界を迎えているのである。もちろんこの限界は、共産党幹部による巨額の贈収賄行為によって、莫大な資産が中国から消失することによってももたらされた。

外に敵を作り責任転嫁する共産主義思想

社会が不安定になれば、国外に敵を作り、そこに国民の関心を集めて乗り切るというのがこれまでの中国共産党の常とう手段だ。そもそも敵を外部に作って団結させようとするのは、共産主義思想が資本家にすべての罪をなすりつけた責任転嫁の理論そのものでもある。
 中国のナショナリズムをもっとも煽るのは、日本の尖閣であり沖縄である。中国経済の混乱が何をもたらすのか。その混乱を解決させるための矛先は、日本に向けられる可能性も少なくない。
 日本に我々は今、国防に真剣に備えなければならない。

2012年2月23日

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