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「地球時代」に向け精神革命を

思想新聞 2000年1月5日号

内外情勢の展望と平成12年度運動方針

国際勝共連合中央本部

国際情勢

韓半島問題が試金石に「抑止と対話」を軸に真の世界平和構築の時

 西暦2000年、新ミレニアム(千年期)が始った。戦争と革命の世紀1900年代を越え、新「ミレニアム」の本来的意味、すなわち「至福の時代」実現を決意したい。
 昨年を振り返ると、そこには新たな時代の到来を告げる「動き」があった。「国民国家時代の終焉」と本格的「地球時代到来」の「動き」である。とはいえ、国民国家がなくなるということではない。17、18世紀において確立した国民国家の思想(国家主権の絶対性、国家以上の存在はないという思想)を越えた、地域共同体(なかに複数の国家を含む)形成の胎動なのである。

 昨年1月1日、ユーロ圏が発足。EU(ヨーロッパ連合)15カ国のうち11カ国において共通通貨「ユーロ」が使用されることになった(2001年までは非現金分野)。国家主権行使の重要な柱が、自国通貨の発行と独自の金融政策実行にあることを考えると、ユーロ圏の発足は加盟国の主権制限にほかならない。
 政治・安全保障分野においても同様の動きがあった。NATO(北大西洋条約機構)軍によるユーゴ空爆である。昨年3月24日、コソボ紛争を契機としてNATO軍はユーゴ(ユーゴスラビア連邦共和国)を空爆した。明らかな域外(NATO加盟国以外)介入であり、それも国民国家理念に基づく内政不干渉の原則違反である。大義は人道的介入であった。人道によって国家主権が制限されたのだ。ここでの人道とは「人権と民主主義」をいい、いわば西欧型価値観である。
 国際紛争を調停するのは国際連合であり、国連は国際的平和機構である。だが「国際的」とは国家を基本単位とするという意味が含まれており、内政不干渉の原則は国連機構の基本ルールとなっている。それゆえにNATO軍のユーゴ空爆を積極的には支持できない。
 西欧に端を発した「普遍(西欧型人権と民主主義)」の潮流はアジアにも押し寄せてきている。台湾の李登輝総統が、7月9日、ドイツの放送局でのインタビューのなかで、「中国と台湾は特殊な国と国との関係」と発言したのは、この潮流を十分意識してのことであったし、インドネシア議会が東ティモールの独立を承認したのも、この潮流の後押しがあったからにほかならない。
 今、中国、ロシア、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は結束して、人権と民主主義の潮流からわが身を守ろうとしている。というのも、それぞれ深刻な内政問題を抱えているからだ。昨年12月9日、訪日予定をキャンセルし、北京を訪問したエリツィン大統領は、ロシア軍のチェチェン攻撃に対する米欧の批判に対し、「ロシアが核兵器を保有している大国であることを忘れているようだ」と発言。さらに「世界を支配しているのは我々であり、彼(クリントン大統領)一人ではない」と述べた。「大義名分の衝突」が激しさを増している。
 それが軍事衝突となる可能性を秘めたところは韓半島である。北朝鮮の特異性は世界に類を見ない。共産主義、一党独裁、そして世襲。さらに国際社会から孤立した経済と食糧危機。追いつめられて暴発するのではないかとの予測を否定できない。もし暴発したら中国、ロシア、アメリカ、日本を巻き込む世界大戦となるとの指摘がある。
 このように、世界の矛盾は今、韓半島に収れんしつつあるといえるだろう。それゆえに、この矛盾を克服しての韓半島平和的統一はアジア共同体実現、さらには世界平和秩序構築の第一歩となりうるのである。
 中国、北朝鮮に変化のきざしもある。昨年11月15日、中国、朱鎔基首相の強いリーダーシップにより、WTO(世界貿易機関)加盟にむけ、アメリカとの合意がなされたのだ。今年中に加盟手続きを終えるだろう。その結果、中国の金融、財政政策は国際的ルールとの整合性を持たなければならなくなり、輸入関税の大幅引き下げ、さらに外国資本と技術の導入が実現する。
 当面のリスクは、中国が大きく被る。それでも国際社会と共通のルールで経済を改革しなければならないと判断したのは、朱鎔基首相であった。安易な楽観はつつしむべきである。しかし変化への希望を持ってもいいだろう。
 さらに、北朝鮮は、韓国・アメリカ・日本の結束した「攻勢」を受けつつある。北朝鮮の一貫した外交方針は、アメリカとの交渉から国益確保の糸口をみいだそうというものだ。そのアメリカが、ペリー政策調整官(前国防長官)の報告書に基づき、政策を転換。金大中韓国大統領の包容政策と軌を一にする「包括的アプローチ」に踏みきった。テポドン2の発射が懸念される中、昨年9月22日、米朝高官協議が妥結し、北朝鮮のミサイル発射留保とアメリカの経済制裁緩和がリンクされての合意がなされたのである。
 この「包括的アプローチ」方式は日本、韓国、アメリカの統合的戦略として三国間で同意されている。昨年12月1日から3日までの超党派訪朝団(村山元首相が団長)が朝鮮労働党との間で政府間の国交正常化交渉再開を合意した。成果に対する批判も多いが、背景となっているのは「包括的アプローチ」」である。「抑止」のみではなく「対話」のチャンネルを開くことは、一定の意味を持つ。しかし、今後の交渉において、過去の精算、国交正常化とミサイル問題、拉致疑惑などを明確にリンクさせて一括交渉すべきであり、一方的妥協は「包括的アプローチ」に反する。
 さらに前提となるのが抑止体制の連携。今年の2月、日米共同統合演習において、朝鮮半島有事を想定した「周辺事態」に備え、本格的な指揮所演習(図上演習)が予定されている。抑止と対話は車の両輪。どちらが欠けても平和秩序を構築することはできないことを肝に銘ずるべきである。今年はアメリカの大統領選挙、韓国の総選挙、日本の総選挙が行われる「政治決戦の年」でもある。政治的意志の統合が困難になる状況を北朝鮮が突いて分断工作にでてくることも、十分予想しておかねばならない。
 世界平和を希求するにおいて重要なことは、これらの努力は環境づくりであるという認識。根本的には、理念・価値観の共有(世界理念、世界思想の共有)なくして真の平和実現は不可能であるとの認識である。今日権勢をふるう西欧型人権と民主主義理念が「そのまま」、世界理念、世界思想となることは不可能であろう。国際連合の改革はこれらの模索と提示を可能にする機構づくりにこそ、目標をおくべきである。
 地球環境の保全、食糧問題など地球規模の問題群(グローバル・イシュー)の解決を求めて国際会議が開かれ論議が続けられている。そこにはいつも南北問題(経済格差の問題)が顔を出す。地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出を規制しようと叫んでも、これから工業化を目指す発展途上国が納得するはずもない。食糧問題にしても、大規模廃棄する先進諸国と飢餓の発展途上国という矛盾を抱えている。
 この矛盾を克服するためには地球規模の「技術の平準化」プロジェクトが推進されるしかないと考える。それを可能にする精神革命のためにも、真の世界平和理念が共有されなければならないのである。

国内情勢

共産主義一掃が最大課題家庭再建で国家基盤の確立急げ

 世界は激変している。冷戦の終焉や情報・技術革命などがその背景となっている。日本はこの変化に順応できていない。そのスピードについていけないのである。ゆえに「改革」は、日本存亡をかけた絶対的条件なのである。
 そのために自自(自由民主党・自由党)連立政権は昨年1月に発足した。第145通常国会において、自自連立政権は野党である公明党と連携し、「普通の国」となるための法案を次々に成立させていった。その数なんと138本。
 「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」関連法、両院に憲法調査会を設置する「改正国会法」、「国旗・国歌法」、「情報公開法」、2001年から1府12省庁に改編する「中央省庁改革関連法」、政府委員制度廃止と副大臣制導入の「国会活性化法」等々である。いずれも官僚主導の政治から政治家主導の政治に転換し、世界環境の激変に対して敏速に対応できる政治システムづくりが眼目となっている。
 ここまでは「自自プラス公」、中心は「自自」だということでわかりやすかった。そして、内閣支持率も回復基調を示す経済指標が後押しして、ウナギ昇りだった。しかし自自公(自民・自由・公明党)連立合意がなされ(昨年9月5日)、10月5日、自自公連立政権としての第二次小渕内閣が発足後、変化が起きた。支持率は横ばいから低下。国会運営も混乱。公明党が野党であったからこそできた国会運営がギクシャクしはじめた。自自公がすべて与党で法案採決に入れば、与党の横暴と批判されるのである。
 混乱すればするほど、自自公(自民・自由・公明党)は何を目指すのか、中心は自自なのか、自公(自民・公明)なのかと、国民は不信を募らせる。結局、今では選挙目当ての数合わせとの声が巷間満ちている。このままでは政治不信が一層助長されることになる。
 政治不信は共産党拡張の温床である。昨年の統一地方選挙で共産党の支持基盤はさらに広がりを見せた。前半戦の県議選では第5党から第2党へ。政令市議選でも第4党から第2党へと議席増を果たし、後半戦の市議選では第2党となり、首長選では9人目の共産党員首長が誕生した。これにより地方議員総数は他党を大きく引きはなす4,413人(昨年5月現在)となったのである。政治不信を背景にスマイリング・コミュニストたちが勢力を拡大しつづけている。
 年内には必ず総選挙がある。共産党の目指す議席は51議席(現在26議席)であるという。実現すれば、予算を含む法案提出権(50議席)を獲得できる。冷戦終焉後の大転換期をどう生きるかが世界の主題であるのに、日本ではマルクス・レーニン主義政党、日本共産党が政治に大きな影響力を持ち、勢いは衰えない。この事実が日本政治の後進性を物語っているのだ。
 日本の安全神話を支えてきた最も中心的機構が「警察」である。ところが昨年後半に露呈した警察官の不祥事は「安全神話崩壊」の最終章の様相を呈している。「事件が起きたらどこに電話をしていいのかわからなくなった」との声はおおげさすぎるが、深刻な事態である。さらに懸念されるのは、これもまた左翼、共産党拡大の温床となることである。このままでは、日本の精神土壌は唯物論的思潮の浸透によって、荒れ野原となってしまうだろう。
 家庭崩壊が進んでいる。離婚は急増し、一昨年(98年)には過去最高の24万組。2~3分に1組の割合である。こうした離婚率の上昇と歩調をあわせるかのように少年非行が急増。件数のみならず凶悪化が進んでいる。家庭崩壊と少年非行、さらに少年の自殺との関連を、「因果関係」としてとらえるべきである。少年の自殺に関して、文部省の調査が公表されたが(昨年12月16日)、原因となっているのが家庭事情が一番多く14.6%、学校問題が7.3%となっており、「いじめ」よりも「家庭問題」であることを浮き彫りにした。家庭崩壊の背景には、戦後のモノ中心経済優先の考え方、さらには倫理、道徳を無視した人権至上の共産主義的戦後風土がある。
 家庭は人間の作り出すもっとも原初的かつ基本的な共同体である。そしてあらゆる次元の共同体の原型となるべきものである。「家和してすべて成る」という。しっかりとした家庭を築くことができる人間であって初めて、国家の大事をなすことができるのである。
「家庭の重視は女性を家庭に拘束しようとする封建的な考え方だ」などと、左翼人権至上主義者はいう。それは時代の流れを理解しないものの発想である。グローバル時代の旗手アルビン・トフラーは「インターネット時代が到来した。現代的な工業化を進めた人々は家族から多くの機能を剥奪(はくだつ)したが、その回復を、インターネットが可能にしつつある。(中略)そして、家庭と家族を、人生で最も重要なものの中核に変えるだろう」と断言する(98年12月30日、読売新聞)。「家庭の重視」こそ新「ミレニアム」のキーワードなのだ。
 今年は衆院選「政治決戦」の年である。家庭重視の理念、真の平和理念に基づく諸改革、とりわけ青少年の健全育成のための法整備にむけて確固たる政治基盤を確立しなければならない時である。そして、共産党の拡大を阻止、共産主義思想の一掃に向けて歴史的な1年としなければならない。我々はその決意を固め、平成12年度運動方針を決定した。

平成12年度 運動方針

国際勝共連合運動方針

○二大標語
1.国内外の共産勢力の浸透・拡大を阻止し、根絶する。
2.21世紀に備えて国際道義国家・日本を確立する。

●運動方針
1.共産勢力の拡大を阻止し、根絶する為、日本の伝統基盤を破壊する共産主義の間違いおよび克服をめざし、勝共思想の啓蒙、教育研修などの諸活動を行う。
2.北朝鮮の「ミサイル・核疑惑」をはじめとする国際共産主義の脅威から我が国の平和と安全を守る諸活動を展開する。
3.21世紀の確固たる国づくりをめざして憲法改正運動を展開する。
4.スパイ防止法、有事法制等、安保政策の速やかな促進をはかり、危機管理体制の確立をめざす。
5.2000年政治決戦を勝利し、勝共国民運動の政治基盤を確立する。
6.共産主義解放段階に対処する為「世界平和連合」各都道府県連合会の結成及び諸活動を支援する。
7.「思想新聞」「世界思想」等、機関紙誌の拡大及び講演会の開催等を通じ、国民世論を啓蒙する。

世界平和連合運動方針

○二大標語
1.世界平和をめざすアジア共同体を実現しよう。
2.世界平和の礎、家庭基盤の充実と青少年の健全育成をはかろう。

●運動方針
1.真の世界平和の確立をはかる世界平和連合の理念・思想の啓蒙及び交流・支援活動を推進する。
2.韓半島の平和的統一の為、韓国、米国などの同盟国との協調を促し、日韓トンネル、国際ハイウェイなど、世界平和の為のプロジェクトを支援する。
3.地球環境の保全、食糧危機の解決、南北格差の是正など、地球規模の諸問題解決に積極的に取り組む。
4.家庭基盤の充実をめざし、「家庭の日」祝日化、教育改革及び青少年健全育成の為の法整備を促し、国と世界を担う青少年の育成をはかる。
5.都道府県連合会の結成及び支部組織の拡充をはかり、国民運動を展開する組織基盤の確立をめざす。
6.セミナー、講演会等の開催を通じ、世界平和の為の理念を啓蒙する。
7.会員拡大及び「PAX」等の拡大により活動基盤の拡充をはかる。

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