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File-67 被害者帰国でも光る監視の目

思想新聞2002年11月1日号 共産主義は間違っている!!

摩訶不思議な「人権真理教」国・ニッポン 21

よど号グループ「開き直り」の根底に存する恐怖

被害者家族の分断を狙う

Q 日本のメディアにおけるご都合主義的な側面がよくわかりました。折しも、『文藝春秋』11月号で産経新聞のコラムニスト(産経抄担当)、石井英夫氏による「親朝派知識人、無反省妄言録」と題する検証記事が載っていますね。

 A まず、前回触れたよど号犯グループについてですが、さっそくホームページで塩見孝也元赤軍派議長の『創』11月号の手記に反論しているようです。そして政府は、今さら有本さん拉致の実行犯として安部公博を国際刑事警察機構(ICPO)を通じ国際指名手配したわけですが、これについて落合信彦氏が『SAPIO』(10月23日号)で「単なるパフォーマンス」と断じています。落合氏や『宿命』で高沢皓司氏の指摘するように、1995年に田宮高麿が謎の死を遂げた背景に「機密保持」のための粛清が十分考えられます。同志であった吉田金太郎、岡本武らの死も路線対立などによる粛清と見られています。そう考えれば、現在のよど号メンバーらを突き動かし支配しているのはまさに「恐怖」でしかないと言えるでしょう。
 また、これだけ証言や証拠があるにもかかわらず、共犯の「よど号」の妻たちに対し「旅券法違反」容疑でしか刑事罰の対象にしていないということも甚だ疑問です。
 さて、北朝鮮が認めた拉致被害者のうち、「8名死亡」とされた増元るみ子さんの実弟で、「拉致被害者家族会」の事務局次長を務める照明さんが、日朝首脳会談で金正日総書記が拉致事実を認めたと報じられた後の記者会見の席で、拉致問題を「デッチ上げ」「事実はない」と被害者家族と支援組織の訴えを黙殺してきた社民(旧社会)党・共産党、マスコミに対して鋭い告発を投げかけたのが印象的でした。もちろん外交課題として取り上げなかった政府与党に対してもです。
 石井英夫氏の論文は、朝のテレビ番組に生出演した横田めぐみさんの母・早紀江さんの「今まで北朝鮮に交渉に行った人がいますね。いろいろな党派の方たちが、野中さんにしろ、土井たか子さんにしろ、お名前を出していいのかわからないですが、しかしその方たちは一度も私たちに声をかけてくださったことがなかったんです」との発言から筆を起こしています。では名前を出してみようというわけです。そこで取り上げられているのは、土井たか子・社民党党首、中山正暉議員(元拉致議連会長)、和田春樹・東大名誉教授、吉田康彦・大阪経法大教授らの人々、そしてメディアでは朝日新聞が俎上に載っています。さらに、小田実・大江健三郎といった共産主義体制の片棒を担いだ知識人が累々といて、しかも無反省に今もメディアにコメントを垂れ流しているのです。
 それでも今なお、自分たちが実は拉致を許してきたのだ、という認識に立てない。それが「第4権力」者としての驕りであると言えるでしょう。今回、拉致被害者の5人が帰国を果たしましたが、その陰で「死亡」したとされる8人に関する秘匿疑惑が、いまだ拭いきれていません。 
 それにしても、今回の拉致被害者帰国に際し顕著だったのは、北朝鮮の「監視の目」の存在です。記者会見で彼らは何かに怯える感じでした。よど号犯メンバーとその妻たちが日本や欧州で拉致工作などの活動を行うに際しても、光っていたのが「監視の目」という恐怖だったのです。
 そして被害者たちが一様に横田めぐみさんについてのみ証言し、他の「死亡」とされた被害者については「知らない」と主張。しかし横田さん夫妻は、被害者家族会の代表でもあり、「めぐみさんの娘」に会うのは北朝鮮訪問ではなく、あくまで来日を要求するなど、被害者家族の結束の分断・解体を狙う北朝鮮の戦略に対し、横田夫妻は非常に賢明かつ毅然たる姿勢を貫いており、胸打たれるものがあります。

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