思想新聞 平成9年(1997年)5月25日号

(4月18日)
- Q 共産党の機関紙『赤旗』が5月から値上げされました。日曜版は据え置きですが、日刊紙は現行の一カ月2,600円から50円値上げし、2,650円になりました。この50円は、四月から導入された2%の消費税アップ分だそうですね。
A そうです。共産党はあれだけ消費税に反対しておきながら、自分たちはちゃっかり早々と消費税分を価格に転嫁しているのです。5月1日付の『赤旗』主張は「消費税 存在そのものが国民いじめ」との見出しで、「公共料金にも軒並み転嫁され、物価をおしあげています。“3円が5円になっただけではすまない”影響をおよぼしています」などと書き立てています。そこまで言うなら、まず隗(かい)より始めよ、でしょう。 - Q 共産党は消費税上げ分を公共料金に転嫁させることにも反対していたのではありませんか。
A 自治省が1月20日に各都道府県総務部長に対して「消費税の円滑かつ適切な転嫁を基本に対処するもの」との指示を出しましたが、これを共産党は「日常生活の全分野にわたって公共料金値上げが計画されている」と騒ぎ、「(自治省は)消費税導入時に、転嫁を見合わせた自治体が続出した事態にはさせないと、いわんばかりです」(『赤旗』3月3日付)と批判していました。ところが、自分は自治省の指導に忠実に従うかのごとくの素早い転嫁値上げですから、笑わせます。 - Q 転嫁もやむを得ないと考えているのではありませんか。
A 『赤旗』の5月2日付の文化欄に、作家の千田夏光という人が「消費税5%から1カ月 私の周辺で」と題した一文を寄稿しています。まあ、その一部を読んでみてください。
「東京の下町のあるこの愛すべき喫茶店は消費税が5%になっても定価はすえおき。昼の日替わりランチの値段もそのまま。そのかわり、これまで無料でサービスしていた店名入りのマッチをやめた」
「年金暮らしの方で週刊のテレビ番組案内誌の定期購読を(本屋に)申し込まれた方が2人あらわれました。なぜだかわかりますか…新聞は朝夕刊セットで月額3,925円、週刊のテレビ番組案内誌は260円のときもありますが毎週ほぼ250円、月額1,000円ちょっと。その差額2,925円を浮かそうというわけです」
こんな涙ぐましい話を載せておいて、『赤旗』はと言えばさっさと値上げなのです。裏切られたと感じた読者も少なくないことでしょう。 - Q 消費税分を価格に転嫁するのは仕方がないと思いますが、他の人々の転嫁を批判するなら自分の方も転嫁しないのが当然の態度ですね。それにしても、価格が据え置けないほど共産党の台所は苦しいのですか。
A 下町の喫茶店でも頑張っているというのですから、共産党にやれないわけがありません。だが、一部の幹部党員は官僚化してしまっており、リストラする気力もないのです。さすがに気が引けるのか、値上げについて『赤旗』は「たいへん心苦しいことではありますが」とことわっていますが、そのくせ、紙面では消費税反対の掛け声ばかり。千田さんではありませんが、「空樽は音が高い」ですよ。


コメント