この記事は2011年1月5日に投稿されました。
ロシアが北方領土支配を強化!
ロシアがわが国固有の北方領土の支配を一段と強めようとしている。昨年11月にメドベージェフ大統領がソ連時代を含めロシア国家元首として初めて北方領土の国後島を訪問したのに続き、今年は近く、国防相や運輸相、地域発展相、教育科学相などが相次いで訪問する予定と伝えられる。民主党政権が日米同盟を揺るがしている隙をついて北方領土のロシア支配固定化を進めようとしているのである。南西諸島だけでなく北方領土にも関心を注がねばならない。
極東配備で日本をターゲットにする
昨年12月24日、仏露両政府は共同でミストラル級強襲揚陸艦(仏製)2隻を建造しロシア側に引き渡すことで合意した(共同通信12月25日、産経新聞26日付=さらに2隻追加し4隻になる可能性もある)。強襲揚陸艦は満載排水量2万1千トン、全長200メートル。軍用ヘリコプター16機や戦車、野戦病院施設、上陸部隊750人など多目的な輸送が可能で、極東に配備される。極東で強襲揚陸艦のターゲットとなるのは日本のほかに存在しない。
メドベージェフ大統領は10年2月、新たな「軍事ドクトリン」を決め、その中で「ロシアおよび同盟諸国への領土要求」を脅威として捉え、わが国の北方領土返還要求を牽制した。7月には「ニュールック」と呼ばれる軍事態勢の抜本改革を断行、これまでの地上軍中心の軍管区体制を一新し、新たに陸海空を統合運用する「統合戦略司令部」を創設、6軍管区を「西」「南」「中央」「東」の4戦略司令部に再編。海、空軍も同司令部に入れ、ハバロフスクスには「東戦略司令部」を設置した。ウラジオストクの太平洋艦隊も同司令部の指揮下に置き、装備を近代化し師団構成を改革。6月29日から7月8日にかけて陸海空軍から約2万人の兵員と地上兵器2万5000点、航空機70機、船舶30隻が投入し軍事演習「ボストーク2010」を行った。マカロフ参謀総長は演習の目的について「極東の国境での安全を保障し、仮想敵から国家利益を守ること」と言明、日本を「仮想敵」として極東での戦争を想定し、海や空からの戦力展開や部隊の長距離移動、全軍による兵站の確保を重視。欧州方面やウラル地方から輸送機で部隊を移送する戦闘訓練まで行った。7月4日にはメドベージェフ大統領が視察する中、オホーツク海で北方艦隊の原子力巡洋艦「ピョートル大帝」や黒海艦隊のミサイル巡洋艦「モスクワ」などを投入し大規模対潜演習を行った。演習は北方領土を「死守」するというデモストレーションで、択捉島にあるオクチャブリ演習場も使用、海軍と連邦保安局(FSB=旧KGB)傘下の国境警備隊の共同演習を行った。その際、マカロフ参謀総長はフランスから購入するミストラル級強襲揚陸艦を「クリール諸島(北方領土と千島列島)での上陸部隊を急派する手段に使う」と語っているのである。明らかにロシアは極東軍事力の増強に乗り出している。
北海道の自衛隊削減は危険きわまりない
想起すべきは1980年代初め、英国の軍事誌『ジェーン年鑑』が、西太平洋が有事となった場合、ソ連軍は北海道北部を軍事占領する可能性があると論じたことである。ソ連太平洋艦隊が太平洋やインド洋で自由に活動を行うには宗谷、津軽、対馬の3海峡のいずれかを通航しなければならず、宗谷海峡が最も狙われやすいからである。実際、ソ連軍は北海道侵攻能力を保有し、作戦計画を練っていた。これに対してわが国は北方重視の防衛布陣を張り、日米安保体制を強化して備えた結果、ソ連は北海道侵攻を思いとどまった。
ひるがえって今はどうか。日米同盟が揺らぎ、民主党政権初の新防衛大綱は北海道の自衛隊部隊を削減しようとしている。その弱腰を見てロシアは極東軍の軍拡に乗り出しているのである。この現実を国民は直視し、菅内閣に防衛力増強を迫らねばならない。
2011年1月5日


コメント