思想新聞 2002年11月21日号 アピール2002
中央教育審議会(中教審)はさきほど、教育基本法を見直す中間報告を提出したが、そこで示した方向性は正しいものだ。中間報告にはさらに検討すべき内容がありそれらを加味したうえで、来年の通常国会で教育基本法改正を必ず実現させねばならないと我々は考える。
現行の教育基本法の問題点は以下の5点である。
1、教育基本法は「個人の尊厳」を強調するあまりに子どもたちに自己中心的、エゴイズムの「私」ばかりを重要視させて、「公」に対する義務を軽視させ「為に生きる精神」を奪ってきた。
2、教育基本法は個人の価値や利益を越えた「公益」や「全体の価値」すなわち共同体としての国民的一体感(ナショナル・アイデンティティ)の養成を怠り、歴史や文化、伝統を軽視し、郷土愛や愛国心を子どもたちから奪ってきた。
3、教育基本法は家庭の価値をかえりみず、家庭の基本的理念すら提示しないことによって人としてのあるべき徳目から目をそらさせ、教育荒廃を解決す適切な指針となり得なかった。
4、教育基本法は宗教的情操教育を否定することによって生命の根源に対する畏敬の念を失わせ、道徳教育を形骸化させて、心豊かな子供たちを育てられなかった。
5、教育基本法は「教育は不当な支配に服することなく」(第十条)との条項を盾に国の教育権をないがしろにされ、日教組をはじめとする左翼教師の唯物論・革命教育を許してきた。
以上の5つの問題点を克服することが教育基本法改正の要諦である。今回の中間報告は1~3の問題点については見直しを提言しているが、4~5については欠落している。
すなわち中間報告は、「公共」に関する国民共通の規範の再構築や伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心といった日本人のアイデンティティの確立を目指す条項を盛り込むことを求め、さらに家庭の果たすべき役割や責任を新たに教育基本法に規定することが適当としている。
しかし中間報告は宗教的情操教育については棚上げしに、国の教育権についても何ら触れていない。また素案の段階では「愛国心」と明記されていたものを偏狭なナショナリズムの誤解を与えるとして「国を愛する心」に変更したように日和見的である。これは中教審メンバーに日教組系人物が存在するからである。したがって中教審に教育基本法の見直し作業を一任しておくことの限界を見せつけたといえる。
今後、国民は最終答申で教育基本法改正の真のあるべき内容が盛り込まれるように世論を高めていけなければならない。


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