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File-80 拉致被害者めぐる「朝日」の大罪

思想新聞2003年6月1日 共産主義は間違っている!!

摩訶不思議な「人権真理教」国・ニッポン 34

第四権力にとって「方便」にすぎない人権

二重の意味で「人権蹂躙」

Q 拉致被害者をめぐるマスコミのトラブルがまた起こりました。新潟県真野町に住む北朝鮮による拉致被害者、曽我ひとみさん(44)の北朝鮮に住む家族の詳細な住所を、朝日新聞が無断で報道したという事件です。日頃、「人権尊重」とかご大層な高説をぶっているメディアがこの有り様とは情けないですね。やはり人権思想がいかに手段・方便として道具視されているか、ということですよね。

 まず拉致被害者関連についてはおさらいしてみると、横田めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさんのフジテレビと朝日新聞のインタビュー、そして曽我ひとみさんの夫、ジェンキンス氏の「週刊金曜日」のインタビューが被害者家族の心情を蹂躙しました。さらには地村保志さん・富貴恵さん夫妻に対し、「週刊朝日」の記者が「取材ではない」と偽りインタビューを行い、記事を掲載したという詐欺まがいの事件もありました。この時の地村さんの話によれば、何度も「取材ではない」と確認した上で記者はメモを取らず録音機を回すという、確信犯的な「盗聴」の可能性が高いものでした。そもそもこうした「取材」そのものが朝日新聞社による「協定破り」だったことに加え、一記者の暴走が発生したと言えます。
 今回の「住所漏洩事件」は、北朝鮮の家族から曽我さんに手紙が届いたことを他紙が報じた5月13日の朝、朝日新聞記者が真野町内の「取材先」を訪問。ここで記者は机の上に広げたファイルにあった封書のコピーを見て差出人住所などをメモしました。ところが取材先は書き写されたり報道されたりするとは全く思っていなかった出来事というのです。
 しかし、朝日新聞は結局、ハングルで書かれたこの住所を翻訳し曽我さんに無断で公に掲載。この行為に、曽我さんは予定していた記者会見を取りやめ、同新聞社に抗議文を送り、同紙記者の共同会見参加を拒否するという事態になりました。 
 対する朝日新聞側の社内調査による説明では、「記者は家族の住所が他紙にはない要素で、手紙が間違いなく家族から届いたことを示すデータになると考え、原稿を書いた。デスクらは発表情報と思い込むなど、紙面化に至るまで住所掲載で曽我さんらに重大な不利益が生じる可能性を指摘する声は出なかった」としています。
 こうした弁明に、曽我さんや「救う会」では「不明な点が多く納得できない」とし、社長宛てに「記者やデスクの名前、住所を公表した理由、再発防止のための社内処分」を求める文書を送りました。
 記者の氏名も明らかにしない、処分も曖昧、というのでは、プライバシーを踏みにじられた側にとっては到底納得いくはずがありません。しかも、全国紙なのに、謝罪に向かったのは新潟支局長だというのですから、朝日新聞は事態を甘く見すぎているとしか言えないでしょう。「第四権力」におぼれた末の隠蔽体質は、結局のところ、ますます「発行部数激減」という自らの首を絞めることにつながるのは必定でしょう。そういう意味では、いくら編集方針を付け焼き刃的に変えたとしても、体質というのは一朝一夕に改まるものではありません。
 先の地村夫妻に対する詐欺的な取材のやり方もそうですが、はたして、このようなことがいわゆる「人権尊重」を奉じる人間に、可能なのでしょうか。
 ある意味で政治家のような「権力」をもった人々に対して、マスコミやメディアが厳しく追及するというのは、国民の立場から考えてある程度必要な部分もあると思われますが、もっとも人生のうちで「人権」を奪われてきた拉致被害者の方々に対して、さらに鞭打つという酷い仕打ちを行っているのだということを、まずもって認識し猛省しなければならないはずです。さもなくば国民の信頼を完全に失うでしょう。
 おりしも、今国会(第156回)で提出されている個人情報保護法案ですが、マスコミ・メディアの猛反発でこれらへの適用は除外された修正法案が審議されています。
 しかし、くだんの朝日新聞のようなプライバシー侵害に関わる事件が続発するようなら、自浄能力がないと判断しそれこそ「監視機関」が必要とされる事態がくるかもしれません。

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