この記事は2014年7月5日に投稿されました。
政府は1日の臨時閣議で、集団的自衛権の行使を限定的に容認することを決定した。これまで日本の政府は、集団的自衛権を認めたことはなく、戦後日本の安保政策の大転換となった。
集団的自衛権を行使するためには3つの要件を同時に満たすことが必要であるとした。①日本と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、②国民を守るためにほかに適当な手段がない、③必要最小限度の実力行使の三つである。
その一方で、国連決議に基づく集団安全保障への参加に関しては、反発する公明党に配慮し明記されなかった。集団安全保障とは、平和侵略行為などが国連の安全保障理事会で認定された場合に、国連加盟国が集団で軍事措置などを行って平和を確保することだ。集団的自衛権及び個別的自衛権は、国連憲章では集団安全保障の措置がとられるまでの期間に認められている。日本は国連の加盟国でありながら、国連による平和維持のための枠組みである集団安全保障への参加も集団的自衛権も拒否してきた。国連を重視する日本であれば、国連決議にこそ協力すべきなのは言うまでもない。
感情的な批判を繰り返した韓国メディア
韓国のメディアでは日本の集団的自衛権に対して、これまで否定的な主張が繰り返されてきた。「三権分立の精神が失われた異常な国と言わざるを得ない」(朝鮮日報5月17日)「日本は今後、国際社会で民主主義国家あるいは法治国家とはみなされなくなるだろう」(同)「日帝侵略戦争の被害国が、日本の積極的な安保を憂慮するのは当然だ。安倍首相が日帝の軍国主義の象徴である靖国神社を参拝して歴史修正主義の動きを見せているのだから、なおさらだ」(中央日報5月16日)などだ。
しかし韓国以外の地域では、こうした批判はほとんど見られない。集団的自衛権を認めない国など日本以外にはないからだ。たとえば米国のワシントン・ポストは社説で次のように述べている。
「(もし北朝鮮が米軍の空母に向けてミサイルを撃ち、日本がそれを撃ち落とす能力があるのであれば、日本がそれを実行することに)乗組員たちは全員“イエス”と言うだろう」「(集団的自衛権行使は)戦後70年近くを経て日本を普通の国に変えるための、理にかなった道筋だ」(5月18日付)
積極的平和主義で日韓関係改善を
一方韓国政府は、公式には反対とも賛成とも明言していない。非常に難しい立場に立っていることが読み取れる。その最大の理由は、韓国自身が米国との間で集団的自衛権を行使できる状態にあるからだ。もし北朝鮮が韓国や在韓米軍を攻撃すれば、両国は集団的自衛権を行使して北朝鮮を攻撃することになる。これを否定すれば北朝鮮はすぐにでも韓国を攻撃するかもしれない。
日本が近く集団的自衛権を行使できるようになるのは間違いない。それ自体を批判することに意味はない。むしろその後に、日韓両国がどう連携できるかを考えるべきだ。万が一北朝鮮が暴発すれば、在韓米軍だけでなく在日米軍も出動することになる。在韓邦人の救出も大きな問題になる。その際には日韓間の緊密な連携が必要となる。事態が生じてから仕方なしに連携の仕方を協議するのではなく、今から詳細な内容を詰めておくべきだ。
日本は「一国平和主義」から「積極的平和主義」へと大きな一歩を踏み出した。この瞬間こそ日韓関係が見直されるべき大きなチャンスだ。
韓国においては、表面的な日本脅威論は百害あって一利なしだ。両国が大きな視野をもって関係改善に向かうことを期待したい。


コメント