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ソウル国際平和会議 講演録

思想新聞 2000年3月5日号

 さる2月にソウルで開催された国際平和会議において、世界平和連合総裁の文鮮明師は傘寿(80歳)記念祝賀式典で「世界と南北の統一は真の愛によって」と題して講演し、韓半島の南北統一へのビジョンを発表した。またヒース元英首相とクエール元米副大統領が世界平和について講演した。その要約文を以下に紹介する。

「南北の統一は真の愛で」暖風を北に送ろう

世界平和連合総裁文 鮮明師

 わが国の統一は、単純に国土の統一のみならず、堕落によって分裂した人間の心と体の統一問題から始まり、二大世界に分裂した全世界の統一のためのモデルとなる路程です。それゆえ、この問題は、神の救援摂理観の側面から理解すべきであり、したがって、摂理的な次元で解決していくべきです。
 人類歴史は、人間始祖が堕落によって失った本然の世界を再び取り戻すための蕩減復帰摂理史です。したがって、歴史は、神の創造理想を実現するための目標をめぐって、サタン側と天側の善悪闘争の歴史なのです。
 神がサタンを敵や怨讐と考え、それに対して復讐するという思想を持ったとすれば、絶対に勝利の頂上を占められません。そのような観点から、神は「怨讐を愛せ」と言いながら、愛の作戦を展開してこられました。
 北朝鮮の人々は、全国民が主体思想で武装しています。私たちは、彼らを消化できる真の愛の思想で武装しなければなりません。
 北朝鮮は、ソビエト文明からの冷たい風が吹きつける北方文明です。私たちは温帯圏の文明をもって、彼らが自ら解けていくことができるように作用しなければ、ともに滅びるのです。それで、私たちは徹頭徹尾、思想武装しなければなりません。
 どうして統一させるのかという問題を考えると深刻です。
 その主体的な使命を誰が担うべきなのでしょうか。それを韓国が主導すると言えば北朝鮮が反対するはずであり、北朝鮮が主導すると言えば韓国が反対するのです。自分自体に固執する立場では、必ずまた決裂するのです。
 これをどう克服するのか。問題は、韓国人が韓国を愛する以上に北朝鮮を愛する人が出てこなければなりません。また、北朝鮮の人が北朝鮮を愛する以上に韓国を愛する人が出てくればいいのです。それ以外に解決する方法がありません。
 これをどう実践するのか。それは、北朝鮮の人よりもっと苦労し、韓国の人よりもっと苦労するのです。こんな苦労の中で、立てられた超民族的な愛国心が南北を生かす近道であり、解決方法です。
 力で屈服させれば相手側の力がいっそう大きくなる時、再び戦いが起こります。その方式では統一をなせません。たとえ韓国の地に暮らしても、北朝鮮に住む彼らと本当に一緒に暮らしたいという心、一つになるべきだという心があってこそ、統一の道が開かれます。
 真の愛とは何ですか。為に生きる愛です。与えて忘れてしまうものです。90を超えた父母が70になった息子を見て「息子や、車に注意しなさい」と言っても不釣り合いでなく、数十年の間、その言葉を数限り無く繰り返したとしても、嫌になったり疲れたりすることはありません。
 自分の父母を愛する以上、夫や妻を愛する以上、子どもを愛する以上の真なる愛を中心として、祭物となる祭壇を築くという、そこからはじめて理想的な南北統一が出てくるのです。理想的な東西文化の統合が始まるのです。分離された地上世界と天上世界の理想的な統一が始まるのです。地獄と天国の解放圏が始まるのです。だから、真の愛のカギが必要なのです。
 私の体と心の愛による統一は、家庭的な愛の統一といつも互いに通じあうのです。あらゆる植物が太陽の光を生命の要素として吸収するのと同じように、人間にとっては愛が生命の要素になるのです。私たちの願いは永遠に真の愛とともに慕いながら、生きることができる地上天国や天上天国の建設です。
 今日、この場に参席された皆さま方は、どうかこれを忘れずに、体と心が一つになるように努力することによって、自分の妻と夫の為に生きる愛を実践するところから家庭と家族と国家と世界を愛しうる真なる人間になるようお願いいたします。
 万一、そうなれば、南北統一は既に実現したのと同じようなものです。いくら強い主体思想だと言っても、神の愛の中では力無く吸収されて消滅してしまうのです。それだけでなく、東西問題や世界的な南北の貧富の格差問題も、この神の真の愛をもって完全に解決できます。
 私たちはともに真の愛の神主義で価値観を定立し、国民思想武装に総決起しましょう。私たち自身と韓民族と世界平和のために南北統一を信仰化しましょう。
 北朝鮮同胞を私の父母兄弟以上に愛しうる真の愛の心、さらに怨讐までも無条件で愛する真の愛の力が統一の原動力になるのです。本当にともに暮らしたいという愛、怨讐までも愛する心で真の愛の暖風を北側の地の同胞に送りましょう。


国家、隣人に責任を米国元副大統領 ダン・クエール氏

 20世紀を振り返れば、戦争と紛争の世紀でした。1930、40年代には第二次世界大戦があり、50年には韓国動乱、60年代にはベトナム戦争、また長い米ソの冷戦がありました。ところが、80年代末から90年の初めにかけて、大きな変化がありました。ソ連の崩壊と大統領選挙、東西ドイツの統一、南アフリカでの人種差別が終えんしたことで、われわれは自由と民主主義の発展を目にしています。
 一方、冷戦が終結した後、世界は多くの問題と闘争を抱えています。戦争がなければ、はたしてそれが平和なのか、ということです。世界には地域的、人種的、経済的、文化的緊張があります。また、教育問題、安全保障問題、健康問題、司法問題、福祉問題などがあります。人類はこれらの挑戦に直面しています。
 これらを克服し、平和を維持・発展させるためには、強力な指導力が必要であり、平和のための力は責任、真実、決意、信仰と同じ基本的価値を土台としなければなりません。米国を孤立主義だとする見方もありますが、それは違います。
 人間の自由、魂の自由、信仰の自由、神の平安、宗教・個人の平安はどうもたらされるのか。これらの挑戦にともに立ち向かっていかなければなりません。
 価値とは何か。地域それぞれの価値観がある一方で、全体の価値観があり、様々な価値観がありますが、要するに価値とは「責任を持つ」ということです。自分の家庭に、隣人に、地域社会に、国家に責任を持っていくということです。責任を持つということは時に難しいことです。政治では特にそうです。しかし、責任を持つということを理解していくことによって、われわれは新しい安定と繁栄を作り出せるでしょう。
 中国を見ると、共産システムから民主システムに転換していけば、より発展し、強大な国家になるでしょう。正しい平和、安定組織のシステムを受け入れていかねばなりません。ロシアも民主主義システムが正しく発展するように導かねばなりません。民主主義が発展すれば、偉大な国家となるでしょう。
 新千年紀が自由の世界となるよう希望します。


重要な政治家の役割英国元首相 エドワード・ヒース氏

 今日は、50年間やってきた政治家として話をしたい。政治家は、つねに現実的問題に直面する。
 いまの世界は、紛争に満ちている。ロシアからの独立をはかるチェチェン紛争やユーゴスラビアのコソボ紛争など、つねにどこかで紛争が起こっている。これからは、特にアフリカで紛争が増えると予想される。

世界各国は大きな問題を抱える

 ソ連崩壊後、唯一の超大国になった米国は、この10年間、世界の中で自らをどう位置づけるか模索してきた。いまや、米国=世界のような状況の中、世界に対する影響力を広げようとしている。
 欧州は、歴史、文化、言語など、バラバラ。違ったものを受け入れる努力をしなければならない。欧州連合(EU)の基礎をつくるため21年間も費やした。農業問題など、解決すべき懸案はまだまだある。
 ソ連崩壊後のあと、東欧諸国はEUへの参加を次々に表明してるが、民主化と経済発展など、加盟条件を満たすのは容易でない。
 戦後、大成功を収めた日本経済は、現在厳しい状況だが、これは安定していた政府が分裂し、不安定になったことが原因だ。現在、回復の途上にあるが、いまの日本には政治的安定が必須だ。
 中国は、いかに生活の向上をなしとげるかに懸命になっている。
 まず、農業を支援し体力をつけたら、今度は工業に力を投入。いまは、特に教育に重点をおいている。中国の政治家はとてもしたたかだ。

幸福な世界を実現する政治

 「生活」ということを考えるとき、政治・経済的問題ということになる。各国が直面している課題はそれぞれ異なっている。平和で安定した豊かな世界。いい代えると、幸福な世界を現実に建設するのは、われわれ政治家の役割だ。
 政治家が力を合わせ、より安定した、より豊かな世界をつくっていかなければならない。

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