国際勝共連合 機関紙 思想新聞は創刊56年 通巻1896号 (令和8年4月1日)

2004年 21世紀を左右する決断の年に 韓半島に世界の耳目

思想新聞2004年1月15日号【1面TOP】

■国際米大統領選の帰趨が対テロ、北朝鮮に影響

 世界情勢は変化のない停滞期と大きく変化する転換期があるが、今年はむろん転換期に該当する。89年に「ベルリンの壁」が崩壊し冷戦が終焉したように、大転換が起こり得る。その焦点は韓半島になる。
 ブッシュ米大統領は歴史の舞台を回転させたが、今年は再び大統領選がめぐってくる。再選され、もう四年間、世界の舵取りを担うことになるのか。これは米国のみならず世界の行方を左右すると言ってよい。
 9・11後、国際対テロ戦を発した米国の主導のもと、アフガニスタンのタリバン政権とイラクのフセイン政権は消滅。「ならず者国家」と名指しされたイランは昨年11月、核開発を放棄し、12月にはリビアも大量破壊兵器計画の全面放棄を受け入れた。そこで世界の耳目は最後の「ならず者国家」北朝鮮に集まることになる。
 北朝鮮の金正日総書記は米大統領選の帰趨を見極めつつ、「安全保証」をめざし巧妙な外交戦を仕掛け妥協点を探ってこよう。日韓米一体のもとで中ロを巻き込み北朝鮮に大量破壊兵器破棄を決断させねばならない。
 だが、韓半島で最も危惧されるのが韓国の動向だ。韓国民には金大中政権以来の「太陽政策」によって北朝鮮への警戒感が薄れ、容共的思潮に溢れ、極めて憂慮すべき状況下にある。理念の持たぬ盧武鉉政権は羅針盤を失った船のごとく揺れ、盧大統領は汚職問題などの謝罪の連続で低支持率に喘いでいる。そんな中で4月に総選挙が行われるが、これにより政治・思想基盤が安定するのか予断を許さない。韓半島情勢は韓国も注視せねばならない。日韓米の結束をいかに図っていくか、最大のポイントになる。
 米大統領選に影響を与えるのは、イラク情勢の行方である。米国がイラクの治安を回復させ、イラク人自身の手によって憲法を制定し、新イラクを出発させることができれば、国際テロ組織を孤立化させ、中東の反米国家の姿勢を転換させて中東和平を前進させ得る。6月末までに暫定国民議会・暫定政権を発足させ占領体制に終止符を打てるようになるかである。
 これに成功すればブッシュ戦略は本格始動する。これは対脅威戦略から「予防」「先制攻撃」重視策に移行するもので昨秋、米軍の海外展開の改革案を同盟国に示し、今年から新たな布陣へと暫時移行させていく。ブッシュ再選となれば新戦略は加速し世界秩序は 4年間で変貌する。
 こうした米国主導の世界秩序づくりは世界平和の為に不可欠なことではある。だが、米国に対し途上国やイスラム圏などキリスト教以外の宗教圏からの反発が高まり「文明の衝突」に陥りかねないことも事実である。国際テロ組織は「文明の衝突」的な反米包囲網を築こうとしている。
 したがって超宗教的な世界平和機構を再構築することも今年の焦点となる。国家の枠組みを超えて生じる地球的問題群に対応できなくなっている今日、超国家、超宗教的視点による世界平和機構の創建が急がれる。8月の五輪は実に108年ぶりに出発点のアテネに還り第28回大会が開催される。オリンピックは元来民族、宗教を超えた「平和の祭典」だった。この原点に戻って超宗教、超国家的な平和への取り組みが問われよう。

■国内「国民精神」問われる参院選が一大政治決戦

 今年の日本はイラク戦争と北朝鮮問題で象徴される国際環境の変化、そして従来の体制では立ちゆかなくなった国内環境の変化によって否が応でも「戦後体制」の総決算を突きつけられ、新たな国家へとスタートを切らざるを得なくなる決断、転換の年となる。
 その最初の関門がイラクへの自衛隊派遣になる。1月19日に通常国会が開幕すると、焦点になるのは自衛隊派遣問題である。政府は2月下旬には陸上自衛隊の本隊派遣を行うが、これをめぐって憲法論議は必至だ。昨年暮れ、自衛隊のイラク派遣について小泉首相は、一国平和主義では国際社会の中で生きることができないとし、国民精神の刷新を問いかけた。この問いに国民が応え、戦後日本に巣くってきた一国平和主義と唯物論的なヒューマニズムを克服できるかが今年の最大の焦点になる。
 昨年11月にイラクで犠牲となった奥克彦参事官(当時)が言うように「テロとの闘いに屈しない」という強い決意を国民は共有しなければならない。これが国際貢献で問われる国民精神だといえる。1977年の日本赤軍による日航機ハイジャックでは「人命は地球よりも重い」として超法規的措置でテロリストを釈放し身代金まで渡し、世界中から非難をこうむったが、こうした過ちを二度と繰り返してはならない。
 このことは「戦後体制」との決別を意味している。戦後の日本は肉体の生命を至上とするヒューマニズムに毒され、本来、物質的価値よりも尊いはずの精神的価値を喪失してしまったが、今年はこの克服が迫られる。それができなくて国際貢献も対テロ戦もないからだ。
 7月11日に投票予定の参院選の意義はきわめて大きい。89年の参院選で自民党が惨敗、これを引き金に連立時代を招いたが、これを清算できるかがかかっているからだ。自民党が単独過半数を制することができず自公連立政権の継続を余儀なくされれば、自民党はますます公明党依存を深め、その結果、党弱体化が避けられず、やがては民主党との政権交代へと進んでいく。
 このことは日本の将来ビジョン(国家像)を確立する不安要因になり、憲法改正の行方も左右することになる。その意味で今年の参院選は89年の参院選以上に大きな意味合いを持った国政選挙になる。
 また今年は1月早々から年金制度や税制も改定される。これらも通常国会の焦点になるが、改定によりかえって家族の絆が壊される危険性がある。家庭を社会保障政策の基礎に据えずに、あくまでも個人主義で貫いていこうとする動きが強いからだ。この流れは家庭と伝統文化を否定するジェンダーフリーなど文化共産主義運動とも連動し、家庭を破壊へと導く誤った男女共同参画社会を定着させかねない。とりわけ地方自治体において男女共同参画の条例づくりが本格化するだけに思想戦は全国各地に広まっていくだろう。
 国民保護法制や憲法改正、教育基本法改正、そして青少年健全育成基本法制定など、価値観を問う政策選択が目白押しなのも今年の特徴である。これらを通じて日本の国家像を明確にさせなくてはならない。今年がその命運を決する年となるのは必至である。

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