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治安悪化の緊急事態に備えよ「家庭の価値」復権が最大課題だ

思想新聞2002年12月4日号アピール2002

 法務省はさきほど2002年版「犯罪白書」を発表した。それはわが国の治安悪化の憂うべき実態を浮き彫りにしている。01年の一般刑法犯の検挙率はついに19.8%に低落した。凶悪犯が急増したばかりか過去5年間で強盗や傷害、暴行、強制わいせつなど9つの罪種で2.6倍増という著しい増加ぶりを示した。これに対応し治安を回復するには国民的な意識改革が不可欠である。とりわけ「家庭の価値」復権が最大課題であると我々は考える。

1、外国人犯罪グループの徘徊や犯罪のハイテク化などが指摘されており、そうした犯罪に対応するためにより一層の法整備と治安当局のプロ化をはからねばならないことは言うまでもない。おとり捜査の合法化や国際化・情報化に対応する法整備を検討すべきである。>>>

2、しかし、犯罪白書はわが国の治安回復には”技術論”もさることながら本質的には国民の倫理・道徳の復興が不可欠であると指摘している。すなわち犯罪白書は犯罪急増の背景として「家庭・学校の教育機能の低下」「社会の規範意識の希薄化」「地域社会の連帯機能の低下」の3点をあげている。これらは先の中教審の教育基本法見直し論議で再三指摘されてきたことである。わが国の道徳基盤の崩壊現象が犯罪急増・検挙率急落現象となって表面化していることを見落としてはならない。

3、道徳基盤崩壊の最大の原因は家庭崩壊にあり、家庭の価値を見直し「家庭再建」をはからねば治安回復はあり得ないと我々は考える。このことは少年が検挙者全体の4割を占め人口当たりの検挙者数が成人の8倍にのぼっていることからも明らかである。「青少年は社会の鏡」であり社会全体のモラル崩壊が少年に著しい悪影響を与えているといえるが、より本質的には家庭崩壊が少年犯罪を激増させているのである。離婚率上昇と少年犯罪増加が正比例していることからもこのことが知れよう。

4、米国は「家庭再建」で治安を回復させた。その先例に日本は学ばねばならない。すなわち米国では80年代、犯罪急増の要因を家庭崩壊による規範意識低下にあるとみて「ファミリー・バリュー(家族の価値)」の復権に取り組んだ。レーガン時代には「危機に立つ国家」との教育改革案によって、クリントン時代には「家庭強化法」によって、いずれも国をあげて「家庭再建」に取り組んだ。その結果、米国社会の治安を回復させたばかりか、それが経済復興の原動力となって「強い米国」を実現したのである。わが国も家庭再建を治安回復の柱に据えるべきである。

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