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曇った思想状況を覚醒させる産経・グリュックスマン氏の論稿

【思想新聞2001年11月15日号】【マスコミ論壇ウォッチング】

 11月9日、テロ対策特別措置法の実質的な施行の一環として海上自衛隊の護衛艦3隻がインド洋に向けて出港した。9月、米国の中枢を襲ったテロ攻撃のあまりのすさまじさの故か、これまでであれば各地でいわゆる「平和団体」や労働団体が街頭に繰り出し、全国規模の反対運動が展開されるほどの問題であるにもかかわらず、法律は粛々と成立し護衛艦も大した抵抗もなく出港した。
 しかしその一方で、アフガニスタンへの空爆が開始され、ひそかに特殊部隊が潜入し、テロ集団「アルカイダ」とビンラデンをはじめとしたその指導部、さらにタリバン政権への攻撃が行われているにもかかわらず、はかばかしい戦果をあげていないかのような報道がみられるようになった。『朝日新聞』の11月9日付朝刊は、「待ってました」といわんばかりに「米メディア論調に変化」という記事を掲載。週刊『朝日新聞』ともいうべき『アエラ』11月19日号も「ブッシュは挫折する」という記事を載せた。
 このような報道がつづけば、日米両国内で徐々に厭戦気分が蔓延し、「人類共通の敵・テロリズムへの戦い」という今回の戦いの大義が見失われ、まんまとテロリスト達の術中にはまりかねない。
 このような風潮に対して『産経』の11月10日付朝刊は、今回の戦いの歴史的な意義についての明確な主張を掲載している。その主張とは、「今回の戦いは『文明の衝突』ではなく『殺人思想』との戦いだ。イスラム教の聖職者たちは、テロリストたちは犯罪者だと言明すべきであり、無差別大量殺人が起きた時に宗教家は明確にこれは犯罪であり、米国には正当防衛の権利があるというべきだ」というもの。
 このような明確な主張を述べているのは、アレキサンドル・ソルジェニーツィン氏の『収容所群島』の衝撃によって毛沢東主義者から徹底した反共主義者となったフランスの「新哲学派」の論客アンドレ・グリュックスマン氏だが、日本の曇った思想状況を目覚めさせるために今こそ必要な意見だ。

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