この記事は2012年10月23日に投稿されました。
尖閣諸島の国有化以降、中国側が激しい反発を見せている。中国は尖閣諸島支配のためにあらゆる手段を駆使しているが、その中でも日本がしっかりと対応しなければならないのが中国の「世論戦」だ。
中国人民解放軍は、2003年、「三戦を実施し、敵軍の瓦解工作を展開する」との条例を発表した。三戦とは、世論戦、心理戦、法律戦の三つの闘いを指している。嘘も含めて中国に有利な情報を流して世論を誘導し、強硬な態度をとりながら相手の意思をくじき、自国に有利な法律を一方的に制定するのだ。特に今中国は、この「世論戦」を中国国内のみならず、世界へと展開している。世界を中国の味方につけることによって、「日本包囲網」を構築しようとしているのだ。
「日本包囲網」の構築
中国の楊潔チ外相は、9月末の国連総会で「日本が(尖閣を)盗んだ歴史的事実を変えることはできない」と発言した。これは、竹島を実効支配する韓国が、領土問題を歴史問題にすり替えている手法を真似したものと言える。つまり、「竹島にしても尖閣諸島にしても、日本が戦時中に不法に奪ったものであり、日本の言動はかつての軍国主義としての国家的犯罪を反省していない証拠だ」というのだ。韓国にしても中国にしても、竹島や尖閣諸島を自国の領土という十分な説得力をもっていない。だから問題をすり替えて領土問題を歴史認識問題として、世界各国を味方につけようというのだ。当然中国は、この発言の後すぐに、韓国と対日批判で連携する構えを見せた。
日本は、国連総会での首相の演説で、日本の正当性を訴えつつも中韓両国の名指しは避けた。両国に配慮をしたからである。中国は日本包囲網の準備を「世論戦」を用いて着実に進めていたが、日本は「世論戦」の戦いを始めてすらいなかったのだ。
日本政府はその後、ようやく「世論戦」を開始した。玄葉外相は、記者会見で「1960年に中国で発行された世界地図には尖閣諸島が日本名で明記してある」と発言するなど、日本の立場を積極的に発表するようになったのである。
日本も「世論戦」で世界に真実を主張せよ
中国は、11月に中国共産党大会が行われ、新しい指導体制が出発する。その頂点には、習近平国家副主席が党総書記として就任することが確実だ。日本の政府が、日中関係を修復するために習近平体制の登場を待っていたことは間違いない。しかしこの日本政府の読みは誤っていた。尖閣諸島国有化に対する強硬的な態度は、習近平の指導によるものであることがすでに明らかになっている。
日本は国際社会に対して真実を効果的に訴えるべきだ。まずは日中中間線付近にあるガス田・春暁の開発に着手することだ。そうすれば国際社会は、どこに日中の中間線があるかをはっきりと知るようになる。
政府はさらに、尖閣諸島の実効支配化を着実に進めるべきだ。陸上に灯台を含む建築物を立てる。海上保安官が必要な場合に武器使用をできるようにする。建築物などを建てるのにふさわしくない小さな島は、自衛隊の射爆場などとして活用すればよい。こうした措置で、尖閣諸島付近の抑止力は短期間で大幅に強化されることになる。
政府は竹島や尖閣諸島問題に関しては、毅然とした態度を示すべきだ。今なお中国は、海洋監視船などを再三にわたって日本領海に侵入させている。戦いはすでに始まっている。戦いは隙を見せたほうが負ける。中国の横暴をこれ以上許してはならない。
2012年10月23日


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