思想新聞 平成9年(1997年)6月5日号
- Q 韓国の『中央日報』が5月9日付で不破委員長のインタビュー記事を掲載したそうですね。それが『赤旗』の5月14日付の3面に大きく掲載されていますが…。
A このインタビューは崔日本総局長が行っているものですが、不破委員長の発言はよくも平然とここまで嘘が言えたものだと改めて感心させられます。その最たるものは、崔局長の「さる68年、平壌を訪問して金日成にあったそうだが、当時、どういう印象をうけたか」との質問に対して、不破委員長が答えた内容です。当時、共産党員すら聞いたこともない“秘話”を明らかにしています。 - Q 68年といえば、ソ連のチェコ侵略があった年ですね。このとき、宮本書記長(当時)は日本共産党代表団を率いて北朝鮮を訪問、『赤旗』がチェコ侵略に対して4日間も沈黙して笑われました。その一員として不破氏も同行していたわけですか。“秘話”とはどんな内容ですか。
A まずは、不破委員長のインタビューに耳を傾けてください。
「当時は、北朝鮮による青瓦台(韓国大統領官邸)襲撃など南進問題が深刻でした。日本共産党代表団は会談で、『北朝鮮が南側を侵略した場合、日本の民主勢力は絶対に支持しない』と主張しました。当時、われわれ代表団の団長の部屋に北側が盗聴器を設置してバレるというハプニングもありました」。
盗聴器設置は初めて聞く話です。神奈川県警の盗聴器事件であれだけ騒いだ共産党なのに、北朝鮮の盗聴器には寛容で、今頃初めて明らかにしているのは滑稽ですね。 - Q 北朝鮮のゲリラ事件ではたしか共産党は「南のでっち上げ」と主張していたのではなかったのですか。
A その通りです。韓国の朴正煕政権を米帝の傀儡と見做し、韓国が北を侵略しようとしていると非難していたのです。北のゲリラ襲撃事件は68年の1月21日のこと、その2日後の23日に米情報収集艦「プエブロ」号が元山沖で北朝鮮に拿捕される事件が勃発しました。共産党は、ゲリラ事件をでっち上げた米帝と朴政権が北への侵略を狙っていた証拠として、「プエブロ」号批判の大キャンペーンを張っていました。
にもかかわらず金日成に対して「北朝鮮が南側を侵略した場合、日本の民主勢力は絶対に支持しない」などと言えるわけがありません。当時の共産党は米韓による「北進問題」が深刻だと受け止めていたわけですからね。「北朝鮮による南進問題が深刻」と言うのは米国や韓国、それにわれわれ日本の一般国民の台詞です。よくも歴史を百八十度変えたものです。 - Q 共産党は朴政権を敵視し続けてきましたね。本当に「南進問題」が深刻なら、朴政権への理解があってもよかったはずですね。
A 不破委員長は、韓国を“承認”する理由のひとつに南北の国連同時加盟を上げています。しかし、国連同時加盟を最初に提唱したのは朴大統領(73年)です。金日成はこれを非難し「高麗連邦共和国」を逆提案しました。これに同調したのが共産党です。いずれにしても共産党の韓国問題での嘘は目に余ります。韓国の記者ももう少し勉強してからインタビューすべきですね。


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