【内外情勢展望と13年度運動方針】
国際勝共連合中央本部
21世紀が開けた。今世紀が「戦争と革命の20世紀」を越えて「至福の世紀」になるかは、ひとえに現在に生きる我々人類の共同責任である。とりわけ20世紀に世界に飛翔した我が国は、東洋と西洋、北(先進国)と南(途上国)の東西南北の架け橋として「母なる国」の地球的使命を担っており、世界平和実現への責任は一段と重い。我々は新世紀の年頭に当たって、さらなる決意で「至福の世紀」の実現をめざしていく。
【国際情勢】

20世紀最後の年であり新ミレニアムの2000年は、まさにターニング・ポイントの年であったといえる。
その最大の焦点は、いまだ冷戦構造が残る北東アジアの韓半島であった。20世紀をして「革命の世紀」たらしめてきた国際共産主義はソ連・東欧圏の解放によって大きく後退したにもかかわらず、北東アジアには強大な共産主義国が残存してきた。とりわけ北朝鮮は核・ミサイル疑惑をはじめとする軍事的脅威を北東アジアのみならず世界に拡散させてきた。その意味で北朝鮮問題は地域問題ですまされず、世界平和実現の試金石とされてきたのである。
その韓半島において6月13日、韓国の金大中大統領が平壌を訪れ、北朝鮮の金正日国防委員長と歴史的会談を行い「南北共同宣言」に調印。分断後、55年にしてようやく「和解と協力」の時代を切り開いた。今後、課題となる南北統一は、東欧圏で見られなかった新たな世界平和モデルを提起する可能性を秘めていることに注目すべきだろう。
過去55年の南北統一問題の推移をみると、第一に「武力統一期」がある。これは北朝鮮が主に追い求めたもので、1950年6月の南侵で火ぶたを切った韓国動乱で象徴されるが、その後も北朝鮮は1962年に「四大軍事路線」(全人民武装化・全国土要塞化・全軍幹部化・全軍現代化)を打ち出し、常に南侵を模索。南侵トンネルを掘る一方、テロ・ゲリラ事件などを起こし、隙あらば武力統一を行おうとしてきた。
第二は「競争統一期」である。これは韓国が70年代以降、目指してきたもので、経済競争を仕掛けて国際社会での認知合戦を展開。その結果、88年のソウル・オリンピック開催と90年代の韓国経済の飛翔によって、韓国の一方的勝利となり、それを背景に金泳三大統領は対北強硬政策に基づく吸収統一を目指した。しかし、この北風政策に北朝鮮は金日成主席が死去したこともあり態度を一層硬化。金正日委員長は孤立化の打破を目指して核・ミサイル開発を強行し、南北対立は一段と深まった。
こうした後、金大中大統領が打ち出したのが「太陽政策」である。「太陽政策」は政経分離による和解・不可侵・交流協力によって北朝鮮の態度を軟化させようという包容政策だ。これは世界平和連合の文鮮明総裁が91年12月に訪朝し、金日成主席との間で交わした合意をベースとするものである。すなわち同合意は、【1】離散家族の再会・交流、【2】核エネルギーの平和利用、【3】軍需産業を除外した平和的経済支援、【4】南北首脳会談の開催の4項目からなっており、6月の南北首脳会談はまさにこの4項目合意をベースに行われたといえよう。
文鮮明総裁は「真の愛による南北統一」を提唱している。その意味で現在、韓半島で進行している南北対話の新しい事態を、第三の「愛統一期」と位置づけることができよう。これは西ドイツによる東の吸収で実現した東西統一とは全く違った統一方案で、21世紀の紛争解地域解決策の世界モデルとなり得るといえる。
もちろん、その前途は容易ではない。北朝鮮は主体思想で強固に武装した「疑似宗教国家」である。単なる閉鎖国家ではなく、たとえ飢えてもそれは殉教であり、したがって経済支援政策の効果は未知数である。加えて軍事拡張路線を北朝鮮は放棄しておらず、「隙あらば」の考えを常に内包させている。これに対して「太陽政策」は一端発動させると途中で中断させることができず、韓国国内から「妥協しすぎ」との批判が巻き起こっているように、その継続は困難をきわめる。韓国経済が未曾有の危機に瀕しているだけに、前途は予断を許さない。
また、米大統領選挙で共和党のジョージ・ブッシュ氏が当選したことで、米国の韓半島政策の転換が予想される。クリントン政権は「包括的アプローチ」を試みてきた。これは北朝鮮の核ミサイル問題解決のために食糧支援や経済制裁解除だけでなく米朝、日朝関係の正常化などを含めた戦略的接近方法である。昨年十月、オルブライト国務長官が訪朝し、米朝関係に大きな進展があった。
だが、新ブッシュ政権の安保スタッフはこうしたアプローチに懐疑的だとされる。ブッシュ政権は日米同盟を主軸に北東アジアの安保政策の再構築をめざすと見られ、米韓日の一層の緊密化が必要になるだろう。日本は日朝国交正常化を急ぐべきではない。あくまでも米韓日の三国同盟の関係強化が第一である。北朝鮮は経済建て直しのために日本から莫大な賠償金を獲得しようと、あの手この手で対日接近を図るだろう。政治家がそうした誘いに乗り日朝国交の抜け駆けを行うことは決して許されない。そうした動きがないか、警戒を怠ってはならない。
さて、1月20日にブッシュ米大統領が就任する。すでに、湾岸戦争時の国防相 統合参謀本部議長のチェイニー(副大統領)、パウエル(国務長官)のコンビの下、対ソ・タカ派でならしたライス(スタンフォード大学教授)女史が国家安全保障担当補佐官に就任することが決まっている。さらにリチャード・アーミテージ元国防次官補やレーガン・ブッシュ時代の「日米同盟派」が大挙としてスタッフに加わる。
これまでのクリントン政権は「日本パッシング」と見られるような対中重視策をとってきた。だが、今後は日米主軸に大きく方針転換がなされることは間違いない。となれば、日本は日米同盟にふさわしい態勢づくりが不可欠となる。
すでにアーミテージ氏らは昨年10月、超党派の外交・安保問題専門家と共同で新政権の対日政策の指針となる報告書を発表している。同報告は日本に対して国連平和維持部隊(PKF)本体業務への参加凍結解除や国連平和維持活動(PKO)への全面的参加、軍事技術や戦域ミサイル防(TMD)での日米協力の拡大、日本の偵察衛星保有と日米の緊密な情報交換の実現、さらには「日本が集団的自衛権行使を否定していることは日米同盟関係の制約となっている」として日本政府に集団的自衛権行使政策を明確に打ち出すよう要求している。ブッシュ政権がめざす国際新秩序づくりに日本はどう関わっていくのか、国際道義国家・日本の確立が急がれている。
「戦争の世紀」を越えて21世紀の国際新秩序、世界平和を実現していくためには、国際連合の改革が不可欠となっていることにも注目しなければならない。昨年9月に全世界の首脳が一堂に集い、国連ミレニアム・サミットが開催され、21世紀をめざした国連改革と世界平和への新たな取り組みが議論された。同総会でアナン事務総長は、必要最小限の自衛に限定していた従来型PKOでは今後の国際紛争に対応できないとして、事務総長の権限を拡大し、迅速な活動のために事前に緊急展開部隊を創設することを求めた。いずれにしても現在の国連が世界平和機構として十分に機能していないことは疑いない。
その最大の問題は、米ハーバード大学のハンチントン教授が指摘した「文明の衝突」、すなわち宗教・民族紛争をどう克服するかである。旧ユーゴのコソボ紛争が宗教・民族紛争の難しさを象徴している。ユーゴでは昨年九月の大統領選後の民衆蜂起でミロシェビッチ大統領が退陣、民主派大統領が就任する新展開を見たが、宗教対立が終息に向かうかは不透明だ。また、ユダヤ教のイスラエルとイスラム教のパレスチナとの中東和平は決裂寸前で、いつ全面対決に突入しても不思議ではない。ヒンズー教のインドとイスラム教のパキスタンの対立は、ついに核武装による対峙へとエスカレートしている。
ことほどさように、宗教・民族対立は深刻である。国連がこれに適切な対応ができなければ、21世紀を「至福の世紀」とすることは不可能である。これに対して文鮮明総裁は昨年8月に国連で開催された世界平和超宗教超国家連合の「アセンブリ2000」で、画期的な国連改革案を提示し、世界の有識者から注目を集めた。文総裁の国連改革案は、【1】宗教議会としての上院と既存の国家による下院の二院制の実現、【2】国境紛争地帯を国連直轄の平和地区とする「平和公園」の設置、【3】世界共通の「真の父母の日」「真の家庭の日」「国連軍の日」の制定│などを柱とするもので、この提案を受けて10月には世界NGO連合の世界大会が国連本部で開催されるなど、国連改革をめざす大きなうねりが世界に広がりつつある。
冷戦時代の国連はイデオロギー対立の舞台となり世界平和をめざす共通の価値観を持ち得なかった。だが、前述の国連ミレニアム・サミットで採択された「ミレニアム宣言」では、価値と原則を共有できる価値観の定立がうたわれた。安全保障のみならず地球環境の保全、南北格差の是正、世界的感染症の克服、国際犯罪の撲滅など、21世紀に国連の果たすべき使命は大きい。
わが国はこうした国連安保理の常任理事国に加わろうとしている。敵国条項撤廃やPKOへの積極的参加のみならず、グローバル・イシュー(地球的問題群)の解決へ、日本は国連改革の先頭に立たねばなるまい。そのためにも、一刻も早く国際道義国家への転換が望まれる。
【国内情勢】
日本は戦後、明治からの「富国強兵」の国家目標を「富国経済」に置き換えて、ひたすら物資的繁栄を求めてきた。そして、それを手にしたものの、80年代には豊かさにおごりバブル経済に浮かれ続けた結果、90年代には「失われた10年」と呼ばれる平成不況に突入、あらゆる「信頼」が崩れ去っていった。
政治腐敗、大蔵官僚の不祥事、銀行や証券会社などの汚職・破綻などによって政治と経済の「信頼」は地に堕ち、95年の阪神大震災と地下鉄サリン事件で日本の「安全神話」は根底から覆され、さらには新幹線トンネル壁崩落事故、東海村原子力関連施設の臨界事故、警察の連続不祥事などが続発。昨年は、そごう倒産、雪印食中毒事件など、これでもかと言わんばかりに「信頼」は崩れたのである。
そのとどのつまりは、「17歳の闇」といった少年凶悪事件の多発や、わが子に保険金を掛け殺人を企てたり児童虐待といった「鬼母」の出現で見られる家庭倫理の崩壊である。一年間の離婚数はついに25万組を突破し史上最高を記録(99年)。こうした家庭崩壊のツケは子供たちに押しつけられ、少年凶悪犯罪が急増したといえる。
昨年早々には新潟県で少女を9年間も監禁する異様な事件が発覚。3月には名古屋市で中学校による5千万円恐喝事件、5月には愛知県で高校3年男子の主婦殺害事件と佐賀県の高校中退男子による高速バスジャック事件、6月には岡山県の高校3年男子の野球部員襲撃・母親殺害事件、8月には大分県で高校1年男子による一家6人殺傷事件、11月には東京・新宿で高校3年男子による爆弾事件など、ほとんどが17歳による少年凶悪事件が多発した。少年犯罪は戦後第四ピークを刻んでいる。
また小中学校の不登校の児童・生徒数は13万人に達し(文部省「2000年度学校基本調査」)、「社会の鏡」といわれる青少年の深刻な実情を浮き彫りにした。
これに対応するため昨年11月に少年法が改正された。むろん罰則強化だけで青少年問題が解決されるわけではなく、家庭基盤の確立や青少年健全育成の法整備、教育改革をはじめ、道徳基盤確立が不可欠になっているといえよう。こうした道徳崩壊の背景には戦後、各界に浸透した共産主義思想の影響が大きい。その意味で共産主義を根絶させる勝共運動は一層強化し、世界平和の礎である家庭基盤の充実と青少年健全育成に全力を挙げていかねばならない。

政治の混迷は一層深まっている。昨年は小渕恵三首相が病に倒れ森喜朗政権へと移行したが、森首相の支持率は一向に向上せず、6月の総選挙では自民、公明、保守の与党三党で絶対安定多数を得たものの、計65議席を失う厳しい結果となった。共産党は改選前26議席から20議席へと後退したが、比例区では672万票(得票率11.2%)を獲得。もう一つの共産主義思想の影響を強く受ける社民党が同560万票(同9.4%)で、従って共産勢力は依然として全体で1千200万・20%の得票数・率を維持していることを見せつけた。
共産党は11月に第22回党大会を開催し党規約を改定し「前衛党」の表現を削除、また新たに不破哲三議長、志位和夫委員長、市田忠義書記局長体制を作った。だが、これをもって共産党が柔軟化したとは決していえない。共産主義思想と二段階革命論を堅持しているからである。共産党の動向に警戒の目を注いでいかねばならない。
今年の政治決戦は7月の参院選である。参院選で自民党が敗北し、自公保三党で過半数を維持できなければ、森政権は当然、退陣に追い込まれるばかりか、連立与党の組み替えや政界再編もあり得る。その際、共産党や社民党が与党に加わったり、日本の政治全体に影響力を発揮する事態も予想される。
対外政策として南北首脳会談後の韓半島情勢を背景にした日朝交渉の進展や、ブッシュ米政権の登場に伴う日米同盟の再構築など、新たな展開が予想されるだけに、国内政治混乱を極力避けねばならない。
以上の内外情勢を踏まえ、我々は平成13年度運動方針を決定した。
平成13年度運動方針
国際勝共連合運動方針
○ 二大標語
- 国内外の共産勢力の浸透・拡大を阻止し、根絶する。
- 21世紀の国際道義国家・日本を確立する。
●運動方針
- 共産勢力の拡大を阻止し、根絶するため、日本の伝統基盤を破壊する共産主義の間違い及び克服を目指し、勝共思想の啓蒙、教育研修などの諸活動を行う。
- 北朝鮮をはじめ、いまだ残存する国際共産主義の脅威から我が国の平和と安全を守る諸活動を展開する。
- 21世紀の確固たる国造りを目指して憲法改正運動を展開する。
- スパイ防止法、有事法制等、安保政策の速やかな促進をはかり、危機管理体制の確立をめざす。
- 2001年政治決戦を勝利し、勝共国民運動の政治基盤を確立する。
- 共産主義解放段階に対処するため「世界平和連合」各都道府県連合会の結成および諸活動を支援する。
- 「思想新聞」「世界思想」等、機関紙誌の拡大および講演会の開催等を通じ、国民世論を啓蒙する。
世界平和連合運動方針
○ 二大標語
- 世界平和をめざすアジア共同体を実現しよう。
- 世界平和の礎、家庭基盤の充実と青少年の健全育成をはかろう。
●運動方針
- 真の世界平和の確立をはかる世界平和連合の理念・思想の啓蒙および交流・支援活動を推進する。
- 韓半島の平和的統一の為、韓国、米国などの同盟国との協調を促し、日韓トンネル、国際ハイウェイなど、世界平和のためのプロジェクトを支援する。
- 国連改革およびNGOや諸機関との連携を通じ、宗教・民族紛争の解決、地球環境の保全、食糧危機の解決、南北格差の是正など、地球規模の諸問題解決に取り組む。
- 家庭基盤の充実をめざし、「家庭の日」祝日化、教育改革および青少年健全育成のため
の法整備を促し、国と世界を担う青少年の育成をはかる。 - 都道府県連合会の結成および支部組織の拡充をはかり、国民運動を展開する組織基盤の確立をめざす。
- セミナー、講演会等の開催を通じ、世界平和のための理念を啓蒙する。
- 会員拡大および「世界思想」等の拡大により活動基盤の拡充をはかる。


コメント